「「いい女」ぶりに引いた」パスト ライブス 再会 かばこさんの映画レビュー(感想・評価)
「いい女」ぶりに引いた
A24作品だったので期待しましたが。。。
私にはあまり刺さるところがありませんでした。
12歳から36歳までずっとノラを思い続けているヘソンの一途さに驚く。
ノラのほうは、24歳の時点でヘソンのことを忘れていたではないか
オンラインでの繋がりから二人の仲が進展するかと思ったら、会いたい会いたいとお互いが言いながら、結局ノラは仕事を選んで、仕事に集中するためにコンタクトを止めてからさらに12年、二人はなんで再会したんだっけ?
イニョン(前世からの縁)というのは、ノラにとってはヘソンは「番」ではなくそれ以外、タマシイの縁、親友とかそういう意味だと思うがヘソンには番という意味だったんだろう
愛し合うお花畑の二人がそう言い合うのは微笑ましいですが
ノラとヘソンのこの関係性で前世だの縁だのちょっと大げさな気がする
(前世だの縁だの、東洋的で西洋人には受けそうです)
36歳のパートは、ノラに共感が持てない。ヘソンとふたりできゃっきゃっとニューヨーク観光をし、夫には曖昧なことしか言わず、男二人に思わせぶりな態度で、モテモテのアタシ、を楽しんでいるんでは、と見える。彼女の発する言葉や振る舞いがいちいち意味深で、ずっと「ワタシ、いい女でしょ」な雰囲気を醸し出しているようで、引きながらみていました。
ノラは夫と別れるつもりはなくヘソンに釘を刺す前提なのだろうが、夫と二人暮らしの家に迎え入れ、3人で食事をしてさらに飲みに行って、韓国語のわからない夫をほったらかしあろうことか背を向けて、幼馴染男と二人にしかわからない話をするか? 夫に大変失礼で、これをやるノラが高慢に見える。冒頭のバーの3人を見た他の客の会話のように、傍から奇異の目で見られているのは必然、そして夫は観光ガイドかもとか言われてしまう、主役カップルのおじゃま虫のようなシチュエーションなのだ。そんな惨めな場に置かれたら、私なら帰りますよ、お二人でどうぞ好きなだけ語り合ってください、って。そうできないのはノラにベタ惚れだからですかね、自分が席を立ったらそのまま幼馴染に攫われてしまう危機感があって針の筵のようなところに居続けたのかも
そういう夫の心中も、ノラにはわかっていたでしょう。
ノラのいないところで男二人、ぎこちない英語で話ができたので少しマシにはなったが、それでも気まずすぎる。
ヘソンを送って帰ってきたノラが、家の前で待っていた夫の前で泣き出したのにはドン引き。夫、良い人過ぎ。
ヘソンは勝ち気で新世界に臆せず飛び込んでいくノラが好きなのでしょう
韓国の、ヘソンの周囲にはいないタイプなんだと思う
ヘソン自身、保守的な昔ながらの考えに縛られているところがあり、彼自身がそれを解き放ちたいのかそうでないのか、無意識に現状維持な気がするので自分でもどうしたいのかわかっていないのかも
ノラとの仲にはっきりケジメがついたんだから、メソメソしないで次行こう
ニューヨークの風景が素敵でした
かばこさん、再コメントありがとうございました。
本当に、本作、男女差もあるかもですが、結構見方が分かれていて、それ自体大変興味深く思っています。
レビューサイトの醍醐味は、確かに、色んな感想を知り、意見の交換ができることですよね。
自分と違う見方に接することで、鑑賞後感は広がったり、深まったりすることが多いですから。
こちらこそ、今後とも、よろしくお願いします。
かばこさん、拙レビューへのコメントありがとうございました。
女性目線(違ったらゴメンナサイ)のレビュー、大変参考になります。
私は、ノラは、ヘソンに対しては、自分をよく見せようなんて、ほとんど意識してなかったと思いました。
アーサーに、「彼の旅の目的、私に会うことだったのよ」と驚いたように告げてますし、初恋の彼女に会う目的のヘソンに対して、彼女は幼友達が休暇で遊びに来たとしか思っていなかったはず。
だから、夫に対して、配慮が必要とか考える余地もなかった。
けど、ヘソンと話し出すと、つい熱中してしまい(夫もそっちのけで)、自分の韓国人としてのルーツや、ヘソンに思いを寄せていた初恋の気分が蘇って来たのだと思うのです。
それは、すっかりアメリカ人になったと思い込んでいたノラにとっては、意識していなかった感情。何やら、淡く切ない、忘れていた想い‥‥
ところが、その感情が沸き起こった時は、すでに別れの時だった。
ノラは自分でもコントロールできない感情の堤防が決壊して、優しいアーサーの胸に泣き崩れたのだと思うのです。
アーサーの方は、とっくに妻の中にある、その感情の正体には気付いていたのですけれども、ね。
だから、三人が三人とも少しも悪くない。
三人が三人とも、あまりにも切ない。
それが、あのラストシーンから受ける感動の正体だったんじゃないかと思い始めています。
僕に対しての攻撃や悪口はいただけませんが、かばこさんのコメントは一貫してこの映画に関する事でして、的確に核心をついたような言葉選びが秀逸で読んでいて非常に面白く、こちらとしても大変知見が広がったので、かばこさんが二言目のコメントで仰ったような事は全く感じませんでした。
だから、謝らないで下さい!!!
全然大丈夫です!
コメントありがとうございます!
僕もノラに対しては、理解は出来るのですが共感は出来ず、感覚的には引いてしまいました。
本作を見て「女性ってマジで分かんねー」と思っていましたが、かばこさんの様に嫌悪感も示してくれる方も居て、なんか少し安心しましたw
映画監督のような、表現を生業としている方は多少傲慢(僕は褒めてますw)であって欲しいと個人的には思いますね。
ニコさん
アーサーがあの場に居続けた理由は、私の解釈は近い感じだったんですね。
先程コメントに書き忘れてしまいましたが、「この関係の男女が逆なら~」、確かに、そうしてみたらノラがしているのはどんなことか鮮明になりますね
コメントありがとうございます。
ノラはヘソンに関しては終始ただ自分のぼんやりした気持ちのまま動いていて、相手のため、夫のために自制しよう、はっきりさせようという大人の振る舞い(私の物差しですが)がなく、あまり好きになれませんでした。
その後ネット記事で監督のインタビューを読んだんですが、監督によるとアーサーが2人と一緒にバーに行ったのは「その瞬間を2人だけのものにはさせない」ためだそうで、それは監督にとって強くてセクシーな男性の姿だそうです。ヘソンのこともノラの一部として知りたいという深い愛からかと思っていたので、ますます気持ちが冷めました(冷汗)
アーサーに同情する気持ちは変わりませんが(笑)