「運命かタイミングか」パスト ライブス 再会 もいさんの映画レビュー(感想・評価)
運命かタイミングか
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久しぶりに胸がきゅうっと締め付けられるような映画だった。男女のうちどちらかが病に倒れたり亡くなったりしない展開なのに、こんなにも切なく胸が苦しくなる物語はあるだろうか。
인연 イニョン。漢字で書くと因縁となり、日本語漢字では悪い意味で用いられるが、韓国語では「縁・ゆかり」の意で用いられる。それともう一つ。Past Livesは前世。
前世からの縁。来世への縁。神秘的な意味を信じれば信じるほど、運命の相手だって確信は強くなるのに、それが叶わないことがもう本当に…神様が与えたこういう運命なのだろうか、人生は何事もタイミングなのだろうか…と思わされる。
ヘソンとアーサー。ヘソンが英語ペラペラじゃなくてよかった、アーサーが韓国語達者じゃなくてよかった、とつくづく思う。二人はかろうじて英語でやり取りしていたけど、これが完璧に意思疎通できる会話だったらきっとヘソンとアーサーはお互いに傷つけていたかもしれないよね。
ヘソンとナヨンがなぜ結ばれない運命になってしまったのかと、第三者目線での後悔?というか何というか…この感情をどう説明したらいいかわからない。とにかくもう胸が痛い…。
エンドロールでナヨンの名は併記されていなかった。彼女の人生のアイデンティティはもうとっくにそして完全にノラだったのだ。それを見てまた悲しくなる私…。だってヘソンにとってはノラじゃなくてナヨンなんだからさ。
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