「互いを大切にした3人の大人たち」パスト ライブス 再会 sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)
互いを大切にした3人の大人たち
もしもあのタイミングで選ばなかった人生を選んでいたとしたら…。
それを想像はしても、無邪気に選択し直せるようなメンタリティは、多くの人は持ち合わせていない。
だからこそ、人々は映画に自分の人生を重ねて、選ばなかった人生をあれこれ思い描いたり、選んでいる今の人生を、改めてそっと肯定したりするのだと思う。
この映画は、そうした私たちの心の動きにとても近い形でストーリーが展開していく。
ぶっちゃけて言うと、この映画では、劇的なことは何も起きない。
というより、登場人物たちが何も起こさない。
けれど、意図的に何も起こさないという大人の振る舞いが、観ているこちらに、こんなにも豊かな思いを与えてくれるのかと気付かされた。
ラストシーンがいい。
永遠に思えるような、もどかしいくらい短いような…。
セリフも、彼らの動きもシンプルだが、足りないものは一切なく、しみじみと深い余韻を残す。
それぞれの街の美しい風景にも心惹かれる一作。
ノラの夫であるアーサー役の彼、ファーストカウの料理人役の人と知って納得。
気持ちを内面に閉じ込めて抑制を効かせつつ、逆に観客に豊かな思いを抱かせる演技がやっぱり素晴らしい。
私の読みにくいレビューを読んでくださり、ありがとうございます。
あのバーでの二人の会話、少し哲学的な感じもして面白かったです。
もしナヨンがソウルを旅立つ事に未練を見せるような少女だったら、ヘソンはここまで思い続けなかった気がするので、そういう運命なんでしょうね。
実は今カナダ移住の人数が多すぎて、永住権取得難易度が上がっています。
果たしてノラはちゃんと愛のある結婚だったのかがはっきりわからないのも、切なさを増幅させました。