ミツバチと私のレビュー・感想・評価
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名前
夏休みに母親の実家のバスク地方にバカンスにやって来た性自認が女の子の8歳のアイトール君の話。
出掛ける朝、ベッドから出て支度をすることにゴネたり、家族に「ココ」と呼ばれるのを嫌がったり、泳ぎに行くのを嫌がったり、なんだか遅いイヤイヤ期な感じ?をみせるココから始まるけれど、観ている側からしたらその感情は性自認への悩みから来ているものとわかってしまっている訳で…。
ミツバチの生態云々というよりも、受け流す両親と受け入れてくれるおばさんの違いが1番じゃないですかね…そしてニコや何気に要所々々でエネコもファインプレー。
まあ言いたいことはわかるけれど、なんだか終わり方も間をすっ飛ばしてボヤけた感じたし、これを観ても心境や感情に大して変化が無かった様に感じた。
複雑な設定で、かなりムズい・・・
名前を呼んで欲しいだけなのに。
どうして私達は「生きているだけ」を受け止められないのだろう。
性自認に悩む子供。
オトナの言葉ではその一言で片付けられるし、それだけでなんとなく分かった気にもなってしまうけど、そんな言葉を持たないまだ8才のアイトール、ココ、ルシアは、名前を呼んでほしくないとか、その服は着たくないとか、プールはイヤ、ママと一緒に女子更衣室が良い、かわいい水着が着たいとか、そんな行動でアピールするしかない。
私達はわかっているから、自分でも処理し難い感情をぶつける先が無いし、上手く言葉にできずぐずるしかないんだろうなと、引いて見ることができても、親や親戚という立場だったらやっぱり、なんでなんでと問い詰めてしまうし、そんなものは子供の一過性の感情なんだからまともに受け止めるなと言ってしまうかもしれない。
でもたった一言、みんなが「ルシア」と呼んでくれたら、それだけで、もしかしたら、救われるのかもしれない。
性が求める外観を押し付けられ、それに抗いながら成長してきた自分には、なかなか辛い映画だった。
この先、現実世界でもこのような例は増えていくだろうし、なんなら一緒に育った子供達の方が性の壁をふわりと乗り越えていくのかもしれない。
死んだら女の子に生まれ変われるか?と聞いた子に、あなたはもう女の子、しかもとびきり可愛い、と言ってくれたおばさんに、心の中でスタンディングオベーションを送っていた。
あえてネタバレさせおきたい
家族のあり方とスペインの日常が美しい
東京国際映画祭で鑑賞
エシカル賞受賞作
ベルリン映画祭では最年少8歳で主演俳優賞とったソフィアオテロちゃん。ベルリン映画祭ではすでに男優賞とか女優賞とかなくしているとのこと。
オーディションではじめは目に留まらず、後から探し直して監督も見つけたらしい。性別の間で揺れる不安定さの演技はとても自然だった。そしてとてもかわいい。。
バスク出身の設定なのは、バスク語の一人称二人称には性別がないからとか。確かに、作中まだ性別がよくわかってない時に英語字幕はheとかsheとか出てきて、あれ?と思った。その点日本語は何とでも訳せるから多様性に対応しやすい言語なのかも、と思いつつI(私、僕)は逆に性別固定されていて現実的には一番困るんだろうな。
8歳ではっきりと性自認が違うと気づき。受け入れられない父、自分のことで手一杯な母、唯一受け入れてくれた叔母。
プールに行きたくない、可愛いものが持ちたい、名前を呼んでほしくない。そんなことでしか自分の違和感を表現できない子どもに対して、家族はどう気づきどう寄り添うのか。日常の風景でありながら養蜂や洗礼式などの文化や習慣も紹介され面白かった。
エンドロールの名前でルシアと出てきた時、ああこれを言いたかったのか、と一番胸を打たれる。
映画祭ではまだ「20000種のハチ」の翻訳タイトルで紹介され、終わる頃には日本公開も決まり邦題「ミツバチと私」になっていた。多様なニュアンスは失われるが確かに耳馴染みはよく、タイトルつける人も大変だなあと感心。。。
自分が何者なのか
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