劇場公開日 2024年1月5日

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ミツバチと私のレビュー・感想・評価

全46件中、21~40件目を表示

4.0エンドクレジットに注目

2024年1月29日
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スペイン、ミツバチといえばビクトル・エリセの名作「ミツバチのささやき」をまず思い出す。あの映画でのミツバチは、フランコ体制下のスペインの圧殺と閉塞の象徴だったけどこの映画ではミツバチは家族と伝統的家族観を象徴している。
バスク地方は現在ではフランス、スペイン両国にまたがる。事情があってフランス側バスクからスペイン側バスクに移住してきたアナ一家。フランス側は比較的開明的なのに比べ、スペイン側は田舎で何かと固陋な部分が残る。アナ自身もいろいろ問題を抱えているところに末っ子の様子が何かおかしい。実はこの子は性自認の問題を抱えている。
映画の前半部分は、ココ(アイトール)自身が自分の気持ちを整理しきれない。それもあってかなりダラダラと話が続きます。
ココはまだ幼いので身体的には未熟。だから性自認に繋がる違和感は肉体的なものからではなくまずアイトールなりココなり男の子のような名前で呼ばれるところから始まります。それを本人が意識して、またルチアという名前が天啓のように降りてくることによって話は一気に動き始めるのです。
家族の結びつきが強く、伝統的な家族観も強いこの一家が、末っ子の望みを受け入れることができるのか。最終的には元々進歩的な母親はもちろん父親も「生きていてくれれば名前なんかどうでも良い」と言い出します。
注目すべきはエンドクレジット。この子の役名がルチアと表示されます。これはおそらく、家族がルチアを受け入れたことを示します。ルチア本人も家族もこれから様々な偏見や制度的不合理と戦っていかなければならないでしょう。でも家族とは受容と連帯そのものに本質があることをミツバチが教えてくれている、そんな話だと思います。

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あんちゃん

4.5素晴らしかった

2024年1月28日
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ドレスが着たいとか、
名前が嫌だとか、全部「わがまま」だと思ったり、
愛する人の為に忘れようと思って生きてきたけど、
それを覆してくれた映画。

色々な記憶が漏れ出して苦しい映画体験には
なってしまったけれど、全ての人が観るべき映画。
(私の親が観ることは一生無いだろうけど。)

おばあちゃんの存在に救われて。
「女の子のペニス」とか、
「死ななくていい。あなたはもう女の子。」とか、
数々の言葉に救われてしまった。

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JYARI

2.5親の駄目さが許容できず。ただ主人公は素晴らしい。

2024年1月24日
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かなり楽しみにしていて、初日に観に行きました。

主人公アイトール(ココ)を取り巻く世界が、もっと優しく描いているものかと思いましたが、親たちの無理解にただ苦しんでいるように見えました。

親子の信頼関係が構築されるところまで、しっかり描いてほしかったと思います。今回は辛口です。

イヤイヤ、家族寄り添ってないし!

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ほりもぐ

4.5ココと呼ばないで

2024年1月23日
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昨今、物議を醸しているトランスジェンダー問題

個人的にはそういう性について悩んだことが皆無なので、例えば同性婚の国民投票YES or Noなら何も考えずに賛成票を投じるが、どこか人ごというのが本音

主人公の男の子(途中まで女の子だとばかり思ってた)の苦悩を淡々と描いており、中盤まで退屈だなぁくらい思って観てたが、最後は涙腺崩壊ですよ(´;ω;`)

お兄ちゃんが良かったね〜(口火を切って○○○ー!と叫ぶところ)

地味ながら二回三回観ると色々発見のある映画ダネ ~オワリ!

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うんこたれぞう

3.0トランスジェンダー×バスクのひと夏。ココちゃんの未来に待ち受けるのははたして……。

2024年1月19日
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じゃい

4.0リアル

2024年1月18日
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一昨年のフランスのドキュメンタリー「リトル・ガール」と同様、幼い子供の性自認をめぐる物語。
こちらはフィクションだが、本人の戸惑いや家族・周囲の困惑などをリアリティたっぷりに描いている。
特に、一緒にいる時間が少ないために受け入れられない父親やどうしても理解できない祖母、喧嘩ばかりだったのに最初に受け入れる兄など実にリアル。本人の心の機微も丁寧に描写されている。
いっぽうで、母親の仕事(?)絡みの話は必要か?不要に長くしている要因だと思われる。
この内容で2時間を超えるのはなんといっても長すぎる…

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ぱんちょ

4.0ミツバチが導く先にあるもの

2024年1月17日
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《ミツバチと私》
性自認に悩む8歳のココ。"本当の自分"は唯一人で名前なんていらない筈なのに揺らぐ自分を世界に繋ぎ止める為に"名前"にすがる矛盾。主役の子の演技は驚異だが実は本作で描かれるのは"周囲の戸惑いと受容"なのかと思う。森の中で母が我が子の名を叫ぶ時アルトールはルシアとなった。
罪の意識に苦しむアルトールに真っすぐ向き合い自然界の多様性を説くおば、ごく普通のことのように水着を交換するリコ。周囲が寄り添い共感する力を人魚姫の絵本のような絵空事ではない/してはならないなと。。
家族の反応がそれぞれ世間一般的な層に置き換えられる。厳格で不寛容な父。善き理解者でありミツバチの蜜蝋で道を照らすおば。頭で考えるより"愛"に溢れる母。先入観無く当然に受け入れる兄や友人。観るものが試されている様な緊張感は音楽が無いだけではない。

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つっちぃ

2.5心と体のズレ。

2024年1月15日
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SAKURAI

3.5子どもの性自認と、その時の大人の対応の大切さ。

2024年1月15日
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とにかく
主演のアイトール(ココ/ルシア)が
ものすごーく素晴らしかった!

8歳の子どもの性自認を描くのって、
とても難しいと思うのに
演技も演出もお話しも 繊細で丁寧で
じんわりと染みる作品でした。

養蜂場のおばさんに出会えたことは
アイトールの人生でとても重要ですね。
と考えると、人との出会いって、一期一会だけども、
ひとつひとつ大切だということを深く感じました。

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hkr21

3.0カーネルサンダース像

2024年1月14日
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一緒にモヤモヤ体感した気分になった
家族も何だかスッキリしない人達、叔母さんは理解ある人だけど
最近こういうテーマの映画多くて慣れたけど、実際に家族に性自認で悩むメンバーが居るとこんなに葛藤するものだろうか
悲劇的な結末に向かうのか?とヒヤヒヤ
テーマ違うけど作風といい、主人公の顔立ちといいミツバチのささやき風だなと思った

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ゆう

4.0配役が絶妙で説得力が凄く、ルチアのみならず毒親アネも相当のハマり役でした

2024年1月11日
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悲しい

知的

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Dr.Hawk

3.5親(大人)は分かろうとしない、分かりたくない

2024年1月9日
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親(大人)目線で子供を見ると、人格形成途上の幼子たちの性差が判然とせず、危うげでポキっと折れそうな繊細な心は、「きっともう少しすれば自分というものを分かるだろう」とか「この子は少しだけ人より優しいから」などとざわつく自らの気持ちの波を押さえつけてしまうのでしょうね。
もっと早くに寄り添えて、認めてあげたなら。
立場は違えど養蜂家のおばさんがルシアの母に放った「見ないふりをすることはお前の母親 と一緒だよ!」が心に染みました。
救いはおばさん、そしてお兄ちゃん、初めての友達ニコ!
受け入れる、それこそがバリアフリーなんだろうなあ。
ラスト、多分母親がルシアと呼んでくれて自分というアイデンティティを見つけられたアイトール&ココ&ルシアの笑顔がものすごくキュートでした。
素敵な作品でした。

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ニコラス

4.0模倣のなかから。

2024年1月8日
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2023年。エスティバリス・ウレソラ・ソラグレン監督。スペインとフランスにまたがるバスク地方。8歳の少年は自身が男の子だということを認められずに戸惑っていた。夏休みで母の実家に帰省すると、混乱はさらに増していき、という話。親戚のおばさんが養蜂家で、家族から逃れるようにしてそのおばさんに近づくのだが、ミツバチが特別に意味を持っているわけではない。主人公をめぐるさまざまな視線や人間関係が描かれている。
性的マイノリティとしての目ざめがいかに微妙なものであるかが描かれるが、最終的に、居なくなってしまうよりはなんでもいいから生きていてほしいという取引的状況において、相対的に、周囲の認知が進むように見える。本人は微妙なままなのだが。
まだ幼い少年が周囲に問いを投げかけ続けること、その言動が基本的に周囲に影響された模倣的言動であることが強調されている。人は模倣のなかから自分自身を見出していくのだということだろう。

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文字読み

4.0まずは声を聴くことの大切さ 主役の子が【主演俳優賞】を受賞 性差にこだわらない子供たちの未来​

2024年1月8日
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8歳児の男の子アイトールは、家族と共に養蜂場を営む叔母がいるスペイン・バスクでひと夏を過ごす。
アイトールは、一人、トランスジェンダーとしての悩みを抱えていた。

トランスジェンダーを自覚し始めた少年の心の動きと苦悩を、スペインの田舎町の風景、湖、ミツバチとのかかわりなどを交えて、繊細に静かにやさしく描いています。
そして、それに戸惑う家族や周りの人々の反応、想い。
正解があるわけではなく、声高に叫ぶわけではないけれど、ただ一つ。
決して押さえつけるのではなく、ただ、声を聴くことが大切と感じさせます。
地元の女の子が「女性器を持つ男の子もいるよ」と軽く話し、性差を越えて、あるがままのアイトールと自然に接する様子に明るい将来を感じました。

そして、主演のソフィア・オテロは、ベルリン国際映画祭銀熊賞の主演俳優賞を受賞。
2020年から廃止された主演男優賞・主演女優賞に代わる賞の受賞に、最もふさわしいと思います。

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ITOYA

4.0期待度◎鑑賞後の満足度○ 冒頭、帰省旅行の始めにフランス領バスクとスペイン・バスクの国境である鉄橋を渡ったことが、ラストのルシアの幸せそうな微笑みと呼応しているように思えてならない。

2024年1月7日
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①冒頭、薄暗がりの中で母親に「起きてる?」と訊ねるアイトールにしてココ、そしてラスト、明るい日差しの中で同じ様に母親に「起きてる?」と訊ねるルシア。
冒頭の薄暗がりは、まだ自分の性自認に惑うアイトールの心象風景であり、それがラストでは穏やかな微笑にキラキラした瞳で母親に同じ質問をするルシアにハッキリと自分の性自認が出来た多幸感を伺わせる。
また、深読みすれば「起きてる?」という質問は「私のことを見ている?わかっている?」というアイトールにしてココにしてルシアの心の声の暗喩とも取れる。

②パパを除いた一家がママの故郷であるスペインバスクにつくまではよろしい。
特に一家が座席に収まったシーン、国境の橋を渡るときに子供達皆が窓際に集まってもうひとつ別の橋を眺めるシーンは懐かしく微笑ましい。
ところが、ママの故郷でのシーンになると途端に単調になる。
アイトール=ココは後景に退き、ママが中心となる。
やがて眠気が断続的に襲ってきて、寝ないように体を動かしたり(隣の席の人、ご免なさい😅)、身体中をつねったり。

③アイトール=ココの性自認の話が前面に出てきたくらいの辺りでやっと目が覚めてきた。

④私は子供がいないので親の気持ちは推測するしかないが、子供の気持ちなら何とか8歳の頃の自分に戻って探れる。
8歳と言えば、

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もーさん

4.0問題ではなくてジレンマ

2024年1月6日
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人がそのままの形で生きるのは、それ自体がジレンマを生む。
わかっててはいてもなかなか受け入れられない苦しみがある。
それでもその先に何か癒やしがあればいいのだけど。

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ドラゴンミズホ

4.0ルシア

2024年1月6日
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子供の未熟な人格は溶けた蝋のようなもので、そのままだと流れてどこかへいってしまうから大人が鋳型に流し込むのだけど、鋳型が複雑すぎると割って取り出す(これも親の役目)時に壊れてしまう。だから鋳型はてきとーなのが宜しい。性同一性を扱ってはいるが、もっと普遍的に子供の才能や適性を見極めて育てましょう、という割と当たり前のメッセージを発しているのではないかな。
主人公子役の芸達者に脱帽。

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ひろちゃんのカレシ

3.5性自認に悩む主人公。身体的には男の子だが心は女の子よりだが、そもそ...

2024年1月6日
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性自認に悩む主人公。身体的には男の子だが心は女の子よりだが、そもそも男だとか女だという事がイマイチ分からず悩む。
そんな中両親や祖母は今は気にしなくていいと否定はせず、一見優しくは接する形をとるも問題から逃げた形を取る。
そんな中おばさんだけは向き合い自分とは何か探していく作品。

この作品は常に彼女の目に映る姿でストーリーが進む。特に彼女の目に映る両親の姿がとてもリアルにそして哀しく描かれていた。
問題や悩みを後回しにする事、表面上だけの優しさ理解、そして嘘。これらがどれほど彼女、子供を苦しめる事なのかをすごく考えさせてくれる作品だった。
また主人公を務めた子役の少女のの演技がマジですごい。
少女に見える時もあれば少年にも見える見事にジェンダー役を全うしていて見応えあった。

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ego

4.5自前の洗礼、自前の信仰、自前の名前

2024年1月5日
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jinmin

3.0「ふ〜ん、そうなのか」って感じ

2024年1月5日
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難しい

自分の周囲では起こっていない事象なので、理解度は計測不能。でも、今のご時世だと、身近な問題なのかもしれない。
アイトール役のソフィア・オテロがドレスを纏ったシーンでは、性別が判らなくなってしまった。最年少で最優秀主演俳優賞を受賞しただけのことはあるなあ。

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ちゃ坊主
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