「まずは声を聴くことの大切さ 主役の子が【主演俳優賞】を受賞 性差にこだわらない子供たちの未来」ミツバチと私 ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
まずは声を聴くことの大切さ 主役の子が【主演俳優賞】を受賞 性差にこだわらない子供たちの未来
8歳児の男の子アイトールは、家族と共に養蜂場を営む叔母がいるスペイン・バスクでひと夏を過ごす。
アイトールは、一人、トランスジェンダーとしての悩みを抱えていた。
トランスジェンダーを自覚し始めた少年の心の動きと苦悩を、スペインの田舎町の風景、湖、ミツバチとのかかわりなどを交えて、繊細に静かにやさしく描いています。
そして、それに戸惑う家族や周りの人々の反応、想い。
正解があるわけではなく、声高に叫ぶわけではないけれど、ただ一つ。
決して押さえつけるのではなく、ただ、声を聴くことが大切と感じさせます。
地元の女の子が「女性器を持つ男の子もいるよ」と軽く話し、性差を越えて、あるがままのアイトールと自然に接する様子に明るい将来を感じました。
そして、主演のソフィア・オテロは、ベルリン国際映画祭銀熊賞の主演俳優賞を受賞。
2020年から廃止された主演男優賞・主演女優賞に代わる賞の受賞に、最もふさわしいと思います。
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