「アクション映画は「ダイ・ハード」を参考につくるべきです。」デッドロック よしさんの映画レビュー(感想・評価)
アクション映画は「ダイ・ハード」を参考につくるべきです。
息子の復讐を果たす為にダムを乗っ取った傭兵達と、巻き込まれた元軍人の攻防を描く物語。
ブルース・ウィリスが悪役を演じるB級アクション映画。ただ、他のB級作品と比較すると、B級感は薄く比較的しっかりと作られている印象です。
この作品を見ると、「ダイ・ハード」の素晴らしさが再認識されますね。超高層ビルという限られた舞台、予め明示されるテロ集団の人数、敵役も軍服を着せずにキャラ立ちさせて「誰と闘っているのか」「誰が残っているのか」を明示。そして、絶えず主人公は2人程度のテロリストとの対決。
この作品では、「ダム」という舞台を設定しながら、その舞台をあやふやにしているのが勿体ない。予算の関係があるので仕方ないとも言えますが、折角の舞台設定がまったくいかされていません。
人数設定も雑なうえにキャラ付けもされていないので、ショッカー戦闘員宜しくワラワラ出て、易々と倒されてしまう印象になっていることも凄く残念。
また、動機部分。
ブルース・ウィリスがダムを占拠した理由が分かりません。復讐だけなら仇かその家族を直接拉致すれば良いだけです。
一々傭兵を率いてダムを占拠する理由がありません。そんな道理が通らない占拠に、傭兵集団が協力する理由もまったく分かりません。
復讐心を街全体に対して持っていた・・・とかならギリギリ分かりますが、そこ迄の理由付けはされていません。
傭兵は州から身代金をせしめる・・・等を目的にするならわかります。「ザ・ロック」のように、復讐が目的のラスボスと、金だけが目的の傭兵がいがみ合って・・・等があれば、物語の奥行きも広がるのでしょうが、そんな展開はありません。
お金をかけなくても、もう少し面白く出来たと作品だと思うのですが・・・
私的評価はかなり甘めですが、2.5にしました。