配信開始日 2023年12月22日

「物語の独創性は弱いが、アクション演出は健在」REBEL MOON パート1 炎の子 高森 郁哉さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0物語の独創性は弱いが、アクション演出は健在

2024年1月30日
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鑑賞方法:VOD

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ザック・スナイダーはこの企画を当初「スター・ウォーズ」フランチャイズにしてもらおうとディズニー傘下のルーカスフィルムに売り込んだそうで、このパート1だけを観ても「七人の侍」+「スター・ウォーズ」のストーリー要素が散見される。Netflix映画になったことで、スナイダー自身の構想やキャラクター設定の要望が通りやすくなって結果オーライだったのでは(もし「スター・ウォーズ」映画になっていたら、ディズニーのお偉方からシリーズ既存作との整合性などあれこれ言われて苦労したはず)。

スナイダー監督が原案と脚本も兼ねた「エンジェル ウォーズ」「アーミー・オブ・ザ・デッド」も嫌いではないが、いずれも原作があった「300 スリーハンドレッド」「ウォッチメン」、DCエクステンデッド・ユニバース諸作の場合、しっかりした物語の骨格があったからこそ、再生速度を効果的にコントロールするスナイダー独特のアクション演出が活きたし、興行的にも批評的にも成功したのだろう。ただまあ、この「REBEL MOON」シリーズは少なくとも3部作、もしかすると5部作以上になる可能性もあるとかで、本作はまず主要キャラクターの顔見せに相応の尺をとる必要があったことを思えば、ストーリーが続編以降面白みを増す可能性もあり、大いに期待している。

ソフィア・ブテラについては、「キングスマン」で衝撃を受けて以来、早く主演アクション映画が作られないかと待ち望んでいた。「スター・トレック BEYOND」や「アトミック・ブロンド」は脇役で活躍が限られていたし、「CLIMAX クライマックス」は主演だがダンサー役で格闘アクションではなかったし…。ようやく本作で願いがかなって嬉しい。

高森 郁哉