配信開始日 2023年12月8日

「種明かしを先延ばしにして141分ものウンザリ、ダラダラシーンの連続の作品」終わらない週末 徒然草枕さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0種明かしを先延ばしにして141分ものウンザリ、ダラダラシーンの連続の作品

2023年12月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

大規模気候変動とか、終末戦争とか、異星人の襲来とか、世界の大きな変動をちっぽけな庶民生活の観点から描く手法は、SF小説、SF映画などでごく普通に使われるものだ。だが途中で小さな視点から離れて、大きな視点から説明するのが一般的で、この作品ほど小さな視点を維持して、種明かしをしない作品も珍しい。

バラさない代償として、映画はそれに代わり観客を惹きつける素材を持って来なければならない。そこでTVもスマホもネットもすべてアウトになり、都市部では大規模停電が発生したり、鹿が数十頭出現して意味ありげに見つめてきたり等々のエピソードを次々に見せる。

とくに力を入れるのが、週末旅行に別荘を借りた一家と家主の父子との行き違いや、両家の内部での不満のぶつけ合いとかの人間関係のもつれなどだが、残念ながら登場人物にはあまり魅力的な人物がいないので、はっきり言ってウンザリさせられるだけとなる。

それがあまりダラダラ続くので、やれやれ、この映画は世界の終末の危機感を描くのか、2家族の諍いを描くのか、はっきりして欲しい…という気持ちになってくるのである。こうしたどうでもいいシーンのせいでウンザリし、ダラける141分! 明らかに製作ミスである。

徒然草枕