劇場公開日 2023年10月27日

「配信で観ると印象が変わりそうな作品」ザ・キラー うぐいすさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0配信で観ると印象が変わりそうな作品

2023年11月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

劇場で観賞。
マイルールに拘る職人気質の殺し屋が、国境を跨いだ労使交渉(物理)に挑む物語。
キャラクター像や世界観は昔のハードボイルド小説の味わいがある。
ストーリーには謎や捻りがなく、ジェイソン・ステイサムと午後ローの組み合わせがぴったりくるような、アウトロー系アクションの王道だ。

一方、音楽・映像等の耳や目に訴えて来るものは非常に贅沢である。現地ロケや美術や衣装に拘った結果、驚くほどの予算が使われているそうで、劇中の雰囲気作りに相当の労力を費やしたのだろう。
手抜きがない、地味さや今っぽさを出すことに徹底した仕掛けによって、身近な街の一角にもこんなシュールなアウトロー達が息づいているかも知れない、と思えた。地味さを陳腐さにさせないベテラン俳優陣の佇まいも独特である。

本作は、この作品単体よりも作家性を楽しむ映画なのだろう。短期間劇場公開した後は配信で公開されるそうだが、小さなディスプレイで作り手の拘りが伝わるのか少々心配になった。自宅で楽しむ方は大きな画面と没入感のある視聴環境で臨んでみてほしい。

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うぐいす