「これは予想を裏切られた。」ホーリー・トイレット レントさんの映画レビュー(感想・評価)
これは予想を裏切られた。
もう設定を聞いた時から劇場鑑賞は見送った。配信でも無料になるまで待ってこの度鑑賞。
この手のシチュエーションスリラーは昔電話ボックスに閉じ込められた男をコリンファレルが演じた「フォーンブース」を劇場鑑賞してがっかりさせられたのを今でも覚えているので端からあまり期待しない。
まあ、とりあえず爆破時間が迫っていて何とか主人公は脱出を試みる。便器に落ちて手が届かないスマホを物差しで操作しようとするあたりは面白かったけど、時間が迫ってくればくるほど他力本願的な方法、火をつけて知らせようとか、ウサギ頼みとか、それってもっと早い段階でやることだよね。最後にはほんとに破れかぶれで爆破装置に物を投げまくって運良く爆破は一時中断。
それこそ最初の爆破の時点で(というか二段階爆破だったのか)、鉄筋を体重かけて折り曲げて腕を抜こうとするよね。死が迫ってるんだからそれくらいの痛みに耐えれるでしょ。手を切断するよりはましだし。まあ、後になって実際やってるとこ見せられると作り物とわかってても嫌になるけど。
等々、こういう緩い作品ならではの少々違和感あるシーンが連続するけど意外にも退屈せず見れる作品だった。この作品より酷い作品も多いし。
ただラスト、ああ、これで助かって終わりかと思ったらこの後がすごかった。いやあこのぶっとび市長はずいぶん楽しませてくれる。この最後のパートが本作を一段上のランクに引き上げてくれたよ、これがなければその辺の低予算B級映画と変わらなかったんだけど。うーん、この監督なかなかやるな。ちょっと次の作品が見たくなってきたよ。
色々とツッコミを入れられそうな本作。でもラストの二段落ち、いや三段落ちには参った。まさかこんなに笑わせてもらえるとは思わなかったな。これは劇場鑑賞でもよかった。とにかく終盤にかけての市長さんの暴走っぷりには笑わせてもらった。
ちなみに結局あのトイレはシェルター並みの強度があってすべての苦労が無駄だったけどね。