「最後まで観た自分を褒めたい」サイド バイ サイド 隣にいる人 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
最後まで観た自分を褒めたい
予告で観た不思議な雰囲気に惹かれて鑑賞してきました。内容はよく理解できませんでしたが、スクリーンから伝わる雰囲気は悪くなかったです。
ストーリーは、そこにいない人やその人の思いを感じ取れる力をもつ青年・未山が、恋人の詩織とその娘の美々と穏やかに生活していたが、ある日から自分の前に一人の男が無言で佇むよになり、その男を探し出すと、彼は高校の後輩・草鹿で、未山のかつての恋人・莉子と一緒にいたが、未山が莉子を連れ帰ったことで、詩織たちとともに暮らすようになり、互いに少しずつ心を開いていくというもの。…と、あらすじを書いてみて、内容がよく理解できてないことを再確認しました。途中で睡魔と戦いながらも最後まで見終えたのですが、なんだかよくわからなかったというのが正直なところです。
序盤で「この人は霊が見える人なんだ。この力を使って周囲の人を助けていくんだな。」とわかった気になってたら違いました。中盤で「あれ? ひょっとして彼自身が生霊?」と思いきや、「いや違う、彼が黄泉の国を彷徨ってるのかな?」「やっぱり生きていそうだな」とあれこれと思考を巡らし、ラストは「結局、彼はもう死んでたってこと?」と、最後まで観ても理解できませんでした。
うーん、何が何だかわかりません。そしてすっきりしません。こういうモヤモヤした終わり方はストレスが溜まります。部分的に観客の想像に委ねるような謎が残ってもいいですけど、話の中心が謎のままなのはどうなんでしょう? パンフレット買って復習しろってことですか? 未山について謎すぎるし、詩織の過去も不明だし、莉子の今後も気になるし…。そういうことは考えずに、ただ映像に身を委ねろってことでしょうか。確かに、坂口健太郎くんの透明感のある魅力は伝わってきましたし、のどかな田舎の風景には癒されました。でも、それだと映画というより、イメージビデオですよね。
主演は坂口健太郎くんで、この役は彼にぴったりというか、彼にしかできない役で、当て書きではないかと思えるほどでした。脇を固めるのは、市川実日子さん、齋藤飛鳥さん、浅香航大さんらで、みなさん本作の雰囲気にマッチしたいい演技でした。