セールス・ガールの考現学のレビュー・感想・評価
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アダルトショップは薬局か
モンゴルで、怪我した友人の代わりにセックスグッズショップでアルバイトすることになった主人公が、性を通じて自分を再発見していく。物語の冒頭では地味だった主人公が、終盤には随分と垢ぬけるというか、別人のようになっている。変化そのものが克明に描かれるのが良い。
セックスショップは「薬局」と言い放つオーナーとのやりとりが面白い。店を訪れる人はみな様々に深刻で、滑稽で、何か癒しのようなものを求めているように見える。確かにそれは薬局と同等の機能を果たしている可能性がある。中盤でキノコ売りの少女からキノコを買うシーンがある。その後店のオーナーと主人公は草原に寝そべって心の距離を縮めるのだが、このシーンの解放感はなんだろう、物語的にもターニングポイントになるのだが、さりげないのにすごく良い。
性はとかくタブーにされがちだが、自分を発見する上でも大切なこと。性を考え自由になる主人公のあり方がとても良い。
ダウナー
地味な大学生がひょんなことからアダルトショップでバイトして、次第に自分の内なる本能と出会っていく話。草原からの移住二世である主人公のあり方、ロシア(ソ連)影響下でバレリーナになることなど、島村一平先生の著作と合わせてどうぞ。
新人だからなのか適役
どこにでもいそうで、いない女の子。まだ学生なのに2か国語を当たり前のように使えるのもビックリ!
更に素朴で化粧さえしていない感じがなぜか惹きつけられる。今どきの日本ではなかなか見かけない。ナチュラル過ぎて目元が、あれ?北村匠海? 一瞬だけどそう見えたりもして(笑)。
それでいて、おもちゃを販売することに恥ずかしさも躊躇もないなんて凄い設定だなぁ。
アダルトショップから出る時って、たとえそこがバイト先だからと割り切っていてもコソコソ、キョロキョロしてしまいがちなのでは?
しかもあんなに早い時間に店閉めて売れるというか、成り立つものなの?
夕方〜深夜に開けてるというイメージしかないのだが。
幼なじみ?に対して、突然全裸になって誘うところや、コン●●●をつけてあげるシーンは度肝を抜かれた。
滅多にないけど天井についたものを取る時は、アレではなくても普通は椅子を使うだろ?猿でもさあ…と突っ込みたくなる。また、ところどころ脈絡もなく進むシーンも映画っぽくなくて新鮮だった。
カティアの生い立ちと、それによって溢れ出てくる意味深い言葉や会話のやり取りに説得力を感じたのは私だけだろうか。脚本の力なのか、女優の力量なのか判別できないが、魅力的だった。
何気なく食事の時間に見ていただけなのに、オンデマンドで改めて最初から観てしまった。不思議な映画だった。
モンゴルの街で成長する地味な女の子。星3.5ながらある意味オススメできる。
一番の見所は主人公サロールがどんどん綺麗になっていくところ。
モンゴルという知らない国の街角で、不思議な魅力を持ったオバサマに導かれて成長、変化を遂げる、またオバサマも変わっていくという普遍的なストーリー。
慣れない文字、ロシアとの距離感、キノコ売りや少しだけ映る草原等、他の映画では感じない新鮮さがあります。
基本的にはカティア(オバサマ)とのやり取りがコアなシーンです。
煽情的な衣装に着替えてひとりで挑戦するシーンや、男の子を家に入れて天井が汚れちゃうシーンもハイライトシーンです。
植樹のシーンと、最終盤の主人公が好きなことを始めた姿も好き。
バンドのアップが入る演出はユニークではあるが謎だったのと、ピンク・フロイドに込めた想いが分からなかった。
モンゴルの考現学
ウランバートル。地味で童顔のサロールは、絵をかくのが好きだけどで原子力工学を学ぶ女子大生。友人の頼みでアルバイトを代わるが、それはアダルトショップの店員だった。仕事で様々な人を相手にし、店のオーナーで過去が謎のカティアに気に入られ。
草原と相撲のイメージしかないモンゴル。こんな言葉を話し、文字はロシア語と同じキリル文字と知りました。考現学の対となるのが、考古学。凝った邦題です。
やっぱり草原も出てきます。でも世界中のどこにでもいそうな少女が、カティア、犬、先生、そして自分を解放していく物語の後味が良かった。
エロいようでエロい映画でなない。
設定はポルノ販売だから何だかエロい空気。でも主人公の彼女が素朴だからそんな感じはしない。彼女はなんか堀北真希に見えた。
彼女は何度かポルノショップを辞めると言ったけど何故か毎回現れる。あれは辞めようと思ったけど、オーナーに好奇心があって辞められなかったって事かな。
エッチに挑戦する姿とかやっぱり素朴な彼女でした。
余談
彼女の初めてに選ばれた彼。
誘われたから来たのに両親が帰ってきてしまい、あの後はどうしたんだろ?
ちょっといい思いしたからいいけど、ちょっと悲惨(笑)
現代のウランバートルでアダルトグッズショップでバイトする以外特別なことのない大学生の青春映画
人生特にイベントもない生活を送っている若者に別にそんな大きな変化があるというわけでもないが、伸び代いっぱいなので確実に成長していくタイプの青春映画。
変わっているのは舞台がモンゴルだが、首都のウランバートル(都会)で、主人公か大学で原子工学を学ぶどちらかといえば地味な女子大学生ということ。この感じ知ってるという感覚と知らない情報が混じり合って心地よい。
モンゴルのイメージが変わった
普通の、何ならちょっとダサい部類の女子大生が、骨折した同級生に頼まれて代わりにバイトをする。それはアダルトショップで、オーナーのカティアとの出会いによっていろいろな内に秘めた感情を開放していく話。
親ではない他人の大人との会話によって成長していく様は少ないセリフの中でも見事に表現されていて、主人公のサロールはどんどん綺麗になっていった。どことなく宇多田ヒカルを彷彿させる黒髪と口紅をしない肉厚な唇が魅力的だった。
カティアとサロールがドライブするシーンで道の両脇には広大な土地が広がり、道路には椎茸売りが何人も立っている。そこでカティアは少女から1日の売り分の椎茸を父親の分も全部買い取り家に帰してやる。その後、カティアとサロールが大地に寝転がりふざけて会話して椎茸を投げ合う何ともいいシーンなのだが、挿入歌の歌手が出てきて歌い出す… ちょっとそこはいただけなかった。最後の最後に、サロールがカティアに貰った真っ赤なスカーフを巻いて歩き去るいいシーンでまたバンドが登場して歌い出す… あれはいったい何なのだろう。ま、ああいった演出がアートムービー感を出しているのだろうか。
以前一度観たモンゴル映画は遊牧民の話だったので、近代的な(首都だから当たり前か)生活で自分の無知さに驚いた。
バヤルララー♥ スパシーバ♥
ピンク・フロイド 『狂気』
『虚空のスキャット』大好きな曲。
初めて聞いたのは高校一年か二年の頃、オジキに聞かせてもらった。
このお話は自分らしさを取り戻せた少女のお話として見れば良い。
そもそも、原子力工学なんて。
ウランバートルの街にはちょこっと郊外に火力発電所がある。モクモクと煙をはいて、発電をしている。原子力に変える気配は全く無い。彼女の決断は間違って無い。絵画を習った方が無難。
2024年8/23 19時30分開演でモンゴルとフラメンコギターのコラボのコンサートをウィーンで聴いた。
知っている曲が一曲あったが、45分位で終わった。良かったんだけどね。残念。
初めて見るモンゴル
草原の遊牧民でも大都市の下水管に住む貧困層でもない、日本とさほど変わらない生活をしてるモンゴル人は初めて見たかも。カティアがとにかく魅力的。偏屈な人なのかと思ったけど意外と気安く懐に入れてくれる。酔っ払った演技が素晴らしかった。秋刀魚の味の東野英治郎に次ぐ一流酔っぱらい演技でした。サロールもいいなー。最初のヒゲの生えた小学生みたいな芋臭さからカティアに接触して垢抜けていくさまが何故かうれしい。客に迫られて怒るのは、そんな仕事してたらそれくらいの可能性考えるだろと思うしそこまで怒るほどのことされてないし、と興ざめしましたがその後の回収が心地よくて、まあ20歳くらいの女の子はこんなもんかと矛を収められました。
やや何を述べたいかわからないが…。
今年375本目(合計1,025本目/今月(2023年11月度)7本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))
アジア映画の中でも超珍しいのではなかろうかというモンゴル映画。
その数少ないモンゴル映画といえば、チンギスハンであったりであろうところが、まったく違っていて、首都と思われる大きなところで「ある種変わったお仕事」をするアルバイトの女の子のお話(なお、映画の指定自体は一般指定なので、表現上配慮されています)。
モンゴル自体の思想としてややロシアに偏っているのかな、といったところはありました。ただ、この映画自体がやや特殊な部分もあり一概にどうこうとは断定はしにくいです(モンゴル映画自体が超レアなので)。
おそらく趣旨的には「大草原を想像するモンゴルにおいても「このようなお店」は存在するんですよ」ということを述べたかったのではなかろうか…という趣旨(この点でモンゴルである点が趣旨上重要になる)とは思うものの、今度は一般指定であるという関係から、行為はおろか表現まで結構マイルドになっているので(PG12ですらない)、案外こう「何をいいたいかわかりにくい」タイプの特殊な映画です。そして当然英語などであれば一定の類推もききますが、モンゴル語か何かを話されても聞き取り率は0%ですから…。
ただ、この「わかりにくさ」はあえて生じているのだろうし、積極的に意味がわからないということもないので(一応にもモンゴルの首都?を描いた一つの風景といえるので)、減点まではしていない扱いです。
いずれにせよ「PG12でもないのに妙な話題を取り上げる」映画であることは予告編等から明らかなので、その「縛り」で「わかりにくい点が生じる」ことは確かで、それはもう仕方がなかろうというところです。
モンゴルの大平原がバックボーン
彼女を中心とした360度のドラマで、周囲の人間は、完全に脇役に徹してる。
その清々しさ!
誰もが自分の目で世界を見ている。
その目が澄んでるか、曇ってるか。
人生って、意外と単純。
眉毛は大事
華やかで経験豊富で奔放で、それでいていくつもの傷を持っているアダルトショップの経営者カティナ。
地味で自分を抑えて真面目に暮らすサロールがカティナと時間を過ごす中で変わっていく。
サロールの内面の変化はちょっとした行動や仕草で示されていて正直なところわかりにくいが、外見の変化に全てひっくるめて表現されていく。
派手に劇的に変わったわけではないのに、ほんの少し(に見えるような!)のメイクや服装、表情の変化で、後半は垢抜けてものすごくかわいい。そうそう、この年頃の女の子の成長ってこんな感じ!と納得。
何を考えているかわかりにくくても、しっかりゆっくり変わっていく。
カティナは眉毛はしっかりメイクアップされているけど、猫を拾って寂しさを埋め、家でフィギュアを組み立て、文学に親しむ愛すべき人物。
サロールの嫌な記憶を2人で笑いながら文字通り葬るシーンが、好きだった。
誰かと一緒に嫌なことを笑い飛ばして、人生は彩られていくんだと思った。
主題歌を歌うバンドのメンバーがところどころ出てくるシーン、2シーン目でやっとわかった。
バスのシーンはフラッシュモブみたいなことかと思った。
ウランバートルなう
タイトルがいまいちピンとこないけどこのタイトルで、モンゴル映画だと見たくなるってことでは成功か。
モンゴルって不思議な国。
放牧やめて何年??
みたいな会話があり、割と最近でもそうなのかとおもう。
大学生の暮らし振り、モンゴルでもなんとかなりそうだけど海外に行けばもっとなんとかなるって幻想いだくなんとなく欲求不満な男の子、俳優志望?絵??て感じのこちらは今どきの毛ウランバートル都市っ子なのか。犬が異様にでかいのもなんか放牧生活に欠かせない犬種なのか、、、
最初のバナナのシーンが良い。バナナの皮ですってんころんで骨折するのが主人公ではなく、対して友達でもない大学メイト、その子のアルバイトを代理でやって、という話の始まりがよい。もっさりした自己主張ゼロの主人公の女の子だが、モンゴルロックをいつも聞いて、内に秘める何かがありそうで、バイトから世界がわあっと広がっていく。
彼女の家はまだ放牧の記憶も新しそうだ。
バイト先のボスの女性が美しく金持ちで、奔放で、おおらかで、バレリーナで、ロシア贔屓で、ソ連時代のモンゴリアンエリート、過去を生きる。
放牧の記憶もありながら、ソ連時代(街並みがなんとも言えずソ連。)とは違う、新しいモンゴルを生きようとする若い大学生が可愛い。
バレエエリートだろうが大学生だろうが、モンゴルであろうとも女性は常に差別され危険と背中合わせなんだけど、そのことにぶち当たることもあるんだけど、それとは違う、人としての性愛への暖かいこだわりみたいなもの、料理やキャンプなどと同じように暖かいもの、
美しいおばさんが見せてくれた数々の人生の宝物。
もっさり大学生はどんどん垢抜けて可愛く、強くなり、自分の人生を見つける。
ローカルロックを聴いてタバコをすって。モンゴルは今も良い時代なのかなって羨ましい。
モンゴル映画は意外と面白い
珍しいモンゴルの映画なのとポスターの女の子に惹かれて、フラフラと入場。
他の方のレビューにもありましたが、草原とか馬とかは全く出てこずに、日本で言えば地方都市くらいの街で、大学生くらいの女の子がアダルトグッズの店員をやることによって、性愛を知ってオシャレになって、精神的にも成長していく物語です。
ところどころに笑いの要素があって、個人的にはかなりウケました。初っ端のバナナですでに心掴まれましたね。
あと主演の名前が長くて覚えられない女の子が、モンゴル美女って感じでいいです。
演技なのか素なのかわかりませんが、戸惑う様子、ちょっと冷めた視線をする様子がすごく自然でしたね。
♪いいえ私はさそり座の女♪
私事だが、主人公の女の子が、高校時代に部活の後輩にソックリで、凄く興味を頂いた作品である 狸顔で決して美人とは言い難いがしかし愛嬌と誠実さを画に描いたような娘で、まるで"妹"という完成形を具現化した存在だと思った
そんな妹がひょんなことことから1人の"大人の女性"に変わっていく成長譚+なにやらMVみたいな劇伴が差込まれる変わった作品である 雰囲気自体は興味深いことに邦画に親近感が得られるのだが、モンゴル語の発音がフランス語に近い感じであり、何より、ユーモアが日本人に馴染む、面白いプロットである 理屈っぽい格言のオンパレードも、ヨーロッパ経由邦画っぽいし、でも日本人に顔は似ている、その不思議な距離感とある種の郷愁感さえ思い起こさせる画作りにのめり込んでしまうのである それは主人公の女の子の力そのものに他ならない
モンゴルでは多分相当のレジスタンスがあったであろう、ヌードや濡れ場を果敢に攻めた演技、パフィーニップルという、正に大人に成る前の少女の体型を持ち得たバスト、そして、演技の時間軸に沿った成長、どれをとっても彼女にしか成しえなかった作品であることは明白である
もし、日本人で誰がイメージとして相似かといえば、岩崎恭子をイメージした "天才少女"という冠詞を付けるに相応しいと断言するのは私だけだろうか?
彼女に、70年代アイドルの風を感じ取れる、現時代のモンゴルの奥深さ、驚異とすら感じさせられる映画であった
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