世界の終わりからのレビュー・感想・評価
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伊東蒼さんいいですね
先週日曜の「どうする家康」で伊東蒼さんがお市の方の侍女を熱演されていて、そういえばこの映画に主演されていたなと思って衝動的に観に行きました。切ない感じで良かったです。毎熊さんとのやりとりも良かったです。また設定・映像は好みで、ややじれったいところもあったけど、エンディングの後味も独特でした。シネスイッチ銀座の夜の回だったので終わって閉店店舗の多い銀座の街を東京駅の方まで歩いてゆくときも独特の感覚でした。
こんな世界なくなってしまえ
なんかストーリーが気になったし、「CASSHERN」もわりと好きだったから観てみることにした。
正直悪いところがかなり目につく映画だと思ったけど、世界観とビジュアルは非常に良いと思う。「CASSHERN」と同じような感想…。
悪いところというのは、主に脚本(セリフ)と演技。全体的にやたら素人くさい。大学生が作った映画みたい。
ステレオタイプないじめとか、簡単に暴徒化する一般人とか、一般人に躊躇なく拳銃つきつけたり発砲する政府の人とか、まるでマンガみたいなリアリティの無いシーンがたくさん。
政府の最重要人物のはずのハナの護衛が少なすぎるとか、未来が分かるはずなのにその対策が全然されてないとか(佐伯の死の回避とか)、腑に落ちないところが多すぎる。
終盤になるほど脚本が粗雑になっていく。主人公が不思議な力で政治家とか同級生とか殺したのに、殺人を犯してしまった主人公に何も葛藤が無いのも変だし、世間的にも事件になってなかったりとか。
こういう映画は理屈じゃないんだよ、って言われそうだけど、それはいいわけだと僕は思う。こういう不思議系の話だからこそ、ちゃんと辻褄あわせるべきところはしっかり辻褄合わせないと、理屈で理解できないところや意図的に混乱させたいシーンのねらいがぼやけると思う。
演技に関しては、北村一輝と夏木マリは良かったと思うけど、ほかの人がみんな棒読みに見えた。岩井監督だけは素人くささが逆にいい味出してた(なんで出てんの?って笑ってしまった)。キャストに又吉が入ってるのに気づいて驚いた。どこに出てた? まさか最後に出てたAI?
ストーリーは、「エブ・エブ」と同様、「セカイ系」のバリエーション。巻き込まれ系の内向的な主人公が世界救ってくれって頼まれるやつ。
この映画で一番「おっ」と思ったシーンは、無限が「現実と夢」、「善と悪」のあいまいさを長語りするシーン。このシーンから一気に面白くなりそうな雰囲気をかもしだしつつ、結局ここがピークだった。
こういう個人の心象風景をセカイを救う話に具象化したような話って、それぞれの登場人物が個人の心象の中の何を象徴しているのか、っていうのがすごく重要だと思う。
ユキ、タケル、老婆、江崎、佐伯、是枝、ラギ、シロ、無限、神社の神主、ソラ、それぞれが何かを象徴してるんだと思う。
ユキは、主人公の幼少時のトラウマ。子供の頃の自分。母親を亡くした記憶。もう一人の自分。
だから、この物語は主人公(ハナ)が自分自身を救う物語。
無限は、ユング心理学でいう「タナトス(死の本能)」のようなものか。
この映画のストーリーが変なのは、老婆の目的と無限の目的が途中で入れ替わったように思えるところ。
それぞれのキャラが何を象徴しているのかを明確にして、ストーリーを整理して再構築したらこの映画の真のテーマが見えてくるのかも知れない。
映画観終わって、最後に頭に残ったメッセージが「こんな世界なくなってしまえ」という魂の叫び。ハッピーエンドのようでいて、実はこの映画の問題提起って何も解決してなくないか。
佐伯や是枝との交流を通してハナが成長し、ユキ(トラウマ)を克服する、という感じだったらストーリーとしてはきれいだったけど…。
ハナはユキの救済に失敗して、世界は終わってしまった。でもハナはタイムカプセルを使ってソラに希望をたくして、ソラはタイムトラベルしてユキの両親を救うことにより、すべての歴史は書き換わり、はじめから何も起こらなかったことになった。
これでは結局この映画におけるハナは救われてない。好意的に解釈するなら、ハナは自分自身では自分を救うことはできなかったが、自分のそばにいた人(タケル)や、自分の望みをたくした人(ソラ)に救われた、というエンドということかな。
腑に落ちない
いろいろと腑に落ちない。
特に腑に落ちないのは、「なぜハナが選ばれたのか」の答えが「すべては血統なんだよ」だったとき。え、いやそうなの?そっち?それだとつまんなくない?「実は誰よりもハナ自身がこの世界を呪い、滅んでほしいと思ってるから」とかでなくて…?
過去作は観る気もしなかったから観てないけど、紀里谷監督が本作にはとても真摯に取り組んでるのは分かったし、とても真面目な方なんだと思うけど、だからこそ語らせすぎだし、説明つけ過ぎ。
紀里谷監督のこの世界に対する絶望は良く伝わってきたし、それは共感できるものだったけど…
タルコフスキーのノスタルジアやサクリファイスを挙げるまでもなく、ある個人の行動や祈りが世界を救う、的な話はいろいろとあったわけで、そうした先行作品からもっと学ぶべきだったのではないかと思う。
ハナが伊東蒼だったからここまでの作品に出来たのだと思う。キャスティングの勝利。
あと、やっぱり夏木マリさん湯婆婆過ぎ…ww
紀里谷監督色を削いだ良作、伊東蒼の抜群の演技力
紀里谷監督にしては、だいぶ抑えた演出をしていると思う。
戦国時代の表現もすばらしい。
個人的には湯婆婆っぽい夏木マリや、羊のキャラクターとか寓話的な表現はいらないと思ったけれど、そこまで削ぎ落すと紀里谷監督的では無いのかもしれない。
まあ紀里谷監督を「キャシャーン」や宇多田ヒカルの「traveling」のイメージで捉えている私がすでに違うのかも…。
テーマはまさに「世界の終わりから」、それを主人公の伊東蒼が抜群の演技力で体現していく。
見応えのある映画でした
設定や行動、登場キャラクターに気になるところは少しあったけど、とにかく主役の子が画面いっぱいに下がり眉で泣き叫びながら訴えてくる様がスゴすぎて圧倒されて、それだけでも観に行って良かったと思った。
あと高橋克典さんの悪人ぷり、北村一輝さんの濃すぎる存在感も素晴らしくて楽しめたし、冨永愛さんのお芝居も素晴らしかった。意外なキャスティングも楽しめた。
夢に落ちる場面がとても好き。感覚を刺激してくれる音作り、音楽も良かった。
劇中に訪れた一つの結末に対して、「まぁそうなるよな」って思ってしまった自分自身とか人間の愚かさを考えるとなんとも言えない気持ちにもなるけど、そう思わざるを得ないくらい現実世界と地続きな物語を感じた。
見終わって映画館を出て人混みを歩いていたら、「なんだろうこの世界」「みんな何考えて生きているんだろう」と、ふと考えてしまう不思議なパワーを持った見応えのある映画でした。
独特の世界観に引き込まれ、観賞後に不思議な余韻に浸れる作品。 本年度ベスト!!
伊東蒼さん目当て。
期待以上の圧倒される演技!
これだけでも大満足だけど、独特の世界観のある作品に満足度は高め!
彼女が演じるのは他界した両親に加え祖母も亡くなり独りで暮らす女子高生のハナ。
学校ではイジメられ生きる希望を無くし生活している感じ。
ある日突然、政府機関からハナが見た夢を教えて欲しいう意味不明の依頼が。
見た夢を話せば世界が救われるという凄絶なストーリー(笑)
最初は意味も解らなかったハナだけど見た夢を話す事で色んな災害が最小限になる展開。
自分の居どころを見出だせず、生きる希望を失ったハナが政府に協力する事に迷う心の葛藤する姿に引き込まれる。
その時の伊東蒼さんの表情がリアルで素晴らしい!
自分的に主演女優賞を差し上げたい程の演技!
顔の表情だけで演技が出来る役者さんって感じで素晴らしい!
特定のシーンだけモノクロ映像になる感じも独特の世界観を演出していた感じ。
これに加え、意外と豪華なキャスト陣。
予想外だった冨永愛さんが本作ではダークホース(笑)
意味不明に登場したシーンが効果的だった。
予想も出来なかったラスト!
「世界の終わりから」
良いタイトルでした( ´∀`)
ありがとうございました!
この映画を観た後、今までの自分の身勝手さが恥ずかしくなりました。このままではダメだとようやく覚悟を決めた感じです。毎日少しずつですが、先祖、地球に恥じないように生き方を修正しています。この映画に出会わなければ、一生何も変わらず最後には後悔が残っていたかもしれません。本当に観れて良かった!
取り敢えずこの怪作をほぼ一人で支えている伊東蒼ちゃんに拍手!
①ただ『空白』『さがす』で注目していた伊東蒼ちゃんのアップのポスターにだけ惹かれて鑑賞。前もって中身は何も知らず。
②居酒屋でバイトしている姿が甲斐甲斐しい蒼ちゃん。「15、16、17と私の人生暗かった…どうすりゃいいのさ、このアタシ…♪」と藤圭子(本作の監督は藤圭子の娘の宇多田ヒカルの元旦那なんだね)の『夢は夜ひらく』そのままに、“金無し、家族無し、何も無しの私にこの先何が出来るの!”と嘆く女子高生の細い肩に、世界を救わせるという大役を乗っけるところまでは、よくある設定とは云えどういう風に救わせるのか、興味はあったのに、進むにつれ話はだんだん暴走していく。(最初から世界観はあって、その中で話が進んでいくので迷走ではないが…)
③大体1/3くらいでこの映画の世界観は分かってくるが、正直この歳になると“どうでもいいわ”レベルの世界観。もうちょい“な~るほど”と記憶に残るような捻りが欲しかった。
④揚げ足を取るところはいくらでもありますが…
A. 「どうしても私なんですか?」という蒼ちゃんの問い。こちらも「どうしてなんだろう?」と固唾をのんでも「いずれ分かる」と散々待たされた挙げ句、“そういう血筋だから”、という脱力するような答え。
B.
この残酷な世界は救うに値するのか?
文句なしに紀里谷監督の代表作になるSFファンタジーです。天涯孤独の17歳の少女が夢の中で見たことが世界の運命を変えると言う設定は、フツーならアニメ作品になりそうですが、あえてリアリティのある実写で撮っているのが挑戦的です。一見分かりにくそうな設定やストーリーをセリフだけで説明するのではなく、シャープで美しい映像と鮮やかな場面転換で、うまく映像世界に引き込む手腕は素晴らしいです。そして、差別、貧困、孤独など社会の負のスパイラルに加えて、世界を終末から救うミッションの重圧に主人公が、この世界は救うに値するのか、疑問を持つまでの心理描写は圧倒的です。結果として、世界が滅亡してしまうのも、当然の帰結と思えます。彼女の経験する過酷で理不尽な現実は、まさに現在世界中で発生している紛争や暴動の縮図であり、自分のことしか考えない非寛容な現状を痛烈に批判していると思います。役者では、終始苦しみ続ける、ある意味異様な役柄を演じ切った伊東蒼が断トツで、彼女なくして作品が成立しないくらいです。脇を支える夏木マリの芸達者ぶりや、出番が少ないけどインパクトのある冨永愛も良かったです。
確かにこの世界は救う価値無しかもね。
予告編は観てないけど、女子高生が世界を救う為に頑張るという話らしいので楽しいフィクションを予想しながら着席。
えっ!武将に襲われるって、これ、タイムスリップじゃなくて夢の中なの?!唯一の家族である祖母を失ったばかりの女子高生ハナは、突然現れた警察の怪しい組織に自分の見た夢を報告するだけ。え!その夢と実際に起こる事件の共通点は何なの?どうやって対応してんのって思ってたけど、あぁ、あの本が書き換えられてたのかな。夢のシーンはモノクロにしてて分かりやすいと思っていたのに、カラーで夢の中の奴が現実に出てきたり、ハナが超能力使ったり、過去を変えたり、生まれ変わりっぽい奴だったり、他にもまだまだ謎だらけ。後半になって全部が夢オチかと想像してたのに、あら?
頑張ってる女子高生を詐欺師やテロリスト扱いする人々の気持ち結構理解できます。だが、そのおかげでハナが選択した結論は。マジか!
人類絶滅まで2週間、短いっ!
最初から最後まで、ハラハラワクワクの訳のわからない展開で、めっちゃ楽しかったです。
何を救ったのか、救えたのか
予告編から漂う問題提起にひかれて観て来ました。この世は救うべきなのか、なくなってしまえばいいのか、結局最後までどちらが良かったのか分からなかったし、この結末は救えたのかどうか良く分かりませんでした。ユキちゃんは古のハナの姿かな、北村一輝は啓示を与える破滅の神かなくらいの事は感じましたが、結局ハナはこの世はなくなって良しと諦め、ユキだけは救ってあげたいと結論づけたのだと思います。夏木マリの役どころは最後まで理解出来ませんでした。またハナの家系が代々受け継いできたという輪廻師も理解不能。なのでなかなか入り込めませんでした。随所に色んなエピソードが溢れていて、それらも全部回収出来ていないように思ったので、もう少し丁寧に描いてくれたら良かったと思います。
全体的には悪くないけど、 部分的に微妙なところが少なくない 主役の...
全体的には悪くないけど、
部分的に微妙なところが少なくない
主役の感情の起伏が激しすぎて、
『え?そこ泣き叫ぶとこ?』みたいなのが結構あった
なんか大物がたくさん出てくるなと思ったら、
紀里谷さんの作品だった
そこに気付いていたら見なかったかも
中島美嘉なら「この世界に期待するよ〜♪」
そう、こんなん救う気なくなるよね。彼女が選択した結果ではなくまわりがそうした結果です。
学校のシーンは岩井俊二風、出演したついでに口だしたのか笑笑
いい映画を観ました、楽しい時間でした。
期待が大きすぎた・・・
大好きな紀里谷監督作品で期待大大大だったのだがハードルがちと高すぎたか。良い要素一杯持っているのに最近の傾向で盛り込み過ぎ・・庵野作品とモチーフが同傾向にあるだけに、取り組みの姿勢の甘さと言うかボンボン感が出てしまった。紀里谷和明よ、もっとフィルムを捨てろ!!!と言いたい。もうちょっとどうにか出来たんじゃないのか・・・。庵野の厳しさを見習ってほしい。センスは抜群なだけに・・。
女性に託す
ハナ、老婆、ユキ、ソラの勇気と活躍。監督は女性にこの世界を託したのだと思う。私はデストピア感よりポジティブなメッセージを感じました。
日本の男性監督にしては珍しく、女性の描き方を「男性を癒す」「男性を救う」存在にしておらず、女性達が社会に怒りそして勇ましく闘う姿として描かれていたので好感を持ちました。世界を何とかしたいという勇敢な男性って、ほぼ出てきませんでしたよね。権力に固執したり自己愛が強かったり。
今まで女性は、命を産み出してきた故にそれも足枷となってきました。未来の女性は、出産だけではなく、命の集合体を守る様なもっと壮大な存在であることを作品から感じました。
ひとりの世界。みんなの世界。
好きだったし応援していた紀里谷和明監督。「コレで終わり」みたいな話出てたけども、何かが芽生えたらまたお願いします。絶望と希望が共存している監督の世界。私は大好きです。
今回も、絶望を旅する物語。それは極々個人的な絶望かもしれないし、視点を変えれば世界的な絶望なのかもしれない。そうして迎えるエンディング。手前でスパッといっても良かったのかも知れないけれども、むしろ「優しい蛇足」が紀里谷監督だと思っているので最高でした。エンドロールがインストなのも余韻に時間を使えて良かったし。ありがとうとまたね。
点数は引退や個人的な思い入れ諸々を含めてのものなので、あしからず。
設定は面白いものの、ラストの展開が腑に落ちない
訳の分からないまま人類の命運を背負わされた少女の戸惑い、不安、頼りなさを表現しつつ、それでいて、この子なら何とかしてくるかもしれないと思わせる意志の強さを感じさせる伊東蒼の演技に引き込まれる。
特に、頻繁に映し出される(ポスターにもなっている)正面からのアップの、まっすぐにこちらを見据えてくるような視線が印象的である。
すべての運命は決まっているものの、夢の解釈によって未来を変えることができるという設定は面白く、「そうは言っても、どうせ世界は救われるんだろう」といった安直な予想を裏切るラストにも驚かされる。
ただし、そもそも、具体的にどうすれば世界を救えるのかがよく分からないため、ラストにしても、少女が、あえて世界を救わなかったのか、あるいは救おうとしたのに救えなかったのかが、今一つ釈然としない。
おそらく、暴力でしか問題を解決しようとしない自己中心的な人類に絶望して、少女は、「世界を救うこと」を積極的に放棄したのだろう。
しかし、その一方で、両親に愛されていたことを知り、いじめからも助けてもらい、仲の良い男子と映画を観に行く約束もしていた少女に、世界を滅ぽす動機などないのではないかとも思ってしまうのである。
あるいは、どうせ世界を滅ぼすのなら、パラレルワールドでのハッピーエンドなど必要なかったのではないだろうか?
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