「絶望と希望」世界の終わりから 寒村さんの映画レビュー(感想・評価)
絶望と希望
世間的に酷評されているけど好きなんです、『CASSHERN』。特に映像センス。その久々の紀里谷和明監督の『世界の終わりから』。予告編すら観ずに観たら、あら~、良くできてるわ~。後半の怒濤の展開で伊東蒼ちゃんが演じるハナの心情に心を動かされ、冷静になれなかったなぁ。もう1回観に行く。
制作予算は潤沢じゃないだろうけど、でも、画と話のバランスが取れていて、変な画にはなってない。相変わらずのカッコいい映像。『CASSHERN』でもそうだったけど、白黒パートのザラつきは1990年の林海象監督の『ZIPANG』を思い出しました。
映画の予算って、あるに越したことはないだろうけど、ないならないなりに作れるだろうし、その分、どこにおカネをかけるかで、作品から余計なものが削ぎおとされていくのでは、と個人的に思っています。
結末は“イデ●ン”になっちゃうけど、希望が見えます。それは絶望を味わった後の希望という小さなものだけど。冨永愛さんの説得力たるや、もう……。思い返すと、今作のキャスティング、ビタはまりだなぁ。
セカイ系といえば、セカイ系なんだろうけど、あの絶望と希望はなかなか味わえないものじゃないかなぁ。なので、もう1回観に行く。
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