世界の終わりからのレビュー・感想・評価
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色眼鏡で見ることなかれ、紀里谷和明入魂の一作
最初で最後の試写会@新宿バルト9で鑑賞。
これまで紀里谷監督作は全て鑑賞。個人的には、私の心の琴線に触れるものはなかった。
それでも、先入観を一切捨てて鑑賞。素晴らしいの一言です。
紀里谷監督が伝えたいメッセージが全編にちりばめられており、伊東蒼や毎熊克哉がその代弁者として、もう見事に作品世界を必死に生きています。
上映後、紀里谷監督が「最後の監督作」と謳った理由を吐露しましたが、その言葉にも胸を打たれました。
色眼鏡で見てほしくないし、先入観も持って欲しくないので、作品の内容には触れません。
ただただ、劇場で観るべき作品としてオススメします。
紀里谷さんの世界観を堪能
救われたのか救われなかったのか
最初から惹き付けられました。
両親もおばあちゃんも死んでひとりぼっちになってしまったはなちゃんが、世界を救うたった一人の人だと。
なのに全然幸せじゃなくて、周りの人間はなんなら意地悪ばかり。
それでも世界を救いたいと思っていたのに…。
人間って言うやつは…って気持ちにいろんな場面でなりました。切なくて泣きました。
世界を救えなかったっていうはなちゃんに、男の子が「それもまあいいんじゃない」って言うのが好きです。
救える唯一の人が酷い人ばかりいる世界を救えなくてもいいんじゃないって思いました。
夏木マリさんの姿
夏木マリさん扮する老婆の姿が、ジブリの有名キャラ(『千と千尋の神隠し』に登場する重要人物)とそっくりなのが嬉しいです。
今作の主人公ハナ(伊東蒼)は学校でイジメられて可哀想です。
2030年という近未来が舞台で、ボールアースが登場し、世界リセット後の2030年よりさらに未来の場面も有ります。
空(星空、終盤の火の玉が降っている青空)も印象的に描いていました。
敵か味方か不明だったり、夢か現実か不明だったりしますが、謎は解明されます。
そしてなんと、根本的な原因にまで到達します。
紀里谷和明監督 天才やな
無駄を削ぎ落としたボディビル映画NO1
日本映画らしからぬ壮大な世界観でびっくり
まさかこの一見よくありそうなタイトルが僕達に向けての言葉だとは思わなかった
2時間で壮大な世界観と複雑なルール説明を手際よく僕達に伝えるために無駄なセリフが全くなかった
かなり作り込まれているはず
少し?が出てきたあたりですかさず作中で主人公が「それってどういうこと?」「〇〇とは何が違うの?」と僕達の代弁をしてくれる
セリフの隙がなさすぎてRPGのストーリーを追っているよう
時間や空間を飛び越えてほぼ全カットに出演した伊東蒼さんに脱帽
夏休みの1ヶ月で撮影したらしい
夏休みに主演映画取る学生って何者だよ。ラジオ体操いけないじゃん
ハイライトは死亡フラグを立てる美人ボディーガード
好みが分かれる
それはそれでいい
あなたの願いは何ですか? この世界を “愛したい“
『獣の奏者』『インセプション』をリスペクトしている。
つまり、少女終末旅行なんだよ。
あなたの願いは何ですか? この世界を “愛したい“
ものすごく、当たり前な台詞なんだけど『愛したい』って事は愛せないから『want to love』なんだよね。
追記 星を観ながら色々な会話をしていた。その時、ふと思った事。
『宇宙には知的生命体が存在するか』なんだけど、僕の中で結論が出た。
『いる』のだけど『絶滅』するかもしれない。って事。若しくは『知的生命体の定義が違うのかもしれない』って事。
何回か観る必要あり。
世界に絶望した少女が妄想した物語
NETFLIXでオススメされたので観てみた。劇場で上映してたのは知らなかった。なかなかおもしろくて最後まで一気に観てしまった。
最後の最後までなかなか見えない希望、謎めいていて背景のわからないキャラクター達、わかりやすい身近な悪意。世界に絶望した主人公が妄想した物語、と考えるとすんなり腑に落ちる。想いで運命が動かされている。世界なんて滅んでしまってよい、という主人公の想いは最後まで引きずっていて、世の中の人々もそれには関心が無い。世界の行く末というより、主人公に対して関心が無いことが、主人公の中で滅びを求める想いに結実している。でも主人公は絶望の中にわずかな希望を期待しているのだな、ということがわかる結末だった。
全ては繋がっている
実写セカイ系映画 a.k.a JKエヴァ
SFというよりセカイ系の実写映画だと感じた。
時代遅れのカセットテープ、80年代に流行ったスポンジのヘッドホン、「あなたは何を願うのですか?」等々、エヴァンゲリオンへのオマージュが随所に散りばめられている。またこのジャンルではシャーマニズム要素が新しいと感じた。
ただ終盤の正義論は謎だった。自ら反対勢力の音頭を取ったのにも関わらず「この世界は破壊を求めている」と。いやこの構図だとあなたが求めているだけでは?と。
日常との対比はもっとポテンシャルがあったはずで勿体ない。それに低予算だからか小道具やSFXのチープさは否めない。
作品としての尺の問題があるとは言え、そもそも世界が終わる2週間前に突然何とかしろというのは流石に無理があるのではないか。
あと所々あからさまに湯婆婆が出てきてクスっとなった。
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