アンダーカレントのレビュー・感想・評価
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原作はマンガなんですね
見ていてストーリーが無いなぁ~と感じていましたが、鑑賞後に原作がマンガと知って、私の好みに合わない訳だと分かりました。真木よう子さんの世界観全開ですが、143分と長いので、途中で飽きてしまいました。
リスペクトしながら映画にしていた
原作通りではあるんですが、重たく見ごたえのある文学作品に仕上がってたなというのと。
最後終わり方が、原作からわずかに変えていて、これが実は原作に感じていた不満を解消するものだったので、実によかった。
今泉監督の原作を大事にし、裏まで読み取ってリスペクトしながら、映画としてきっちり仕上げる姿勢が好ましい。
どこが文学的かと言えば、タイトルに表れている。
<Undercurrent>=「心の奥底に流れるもの」
人間は表層的に表す感情や口にする言葉ではわからない、心の奥底に本心を…いや、本心よりも深いところに自分自身で封印していた秘密や記憶、自分自身わからなくなっていた本音を隠して生きている。
その本音の生々しさ、怖さ。
そしてやさしさ。
皆、自分を偽り、傷つかないように身を守っているつもりで、実は自分を傷つけている。
ささいな嘘をついたこと、それを思い出しながら観ると染みてきます。
嫌いではないが、💮はやれん
前半はダラつくかな。流されてるようで作られてるようで…だからなんなのよ。
中盤から後半にかけて、あれやこれや出てくるがモヤっとして輪郭がにじむ。これも演出のうちかな。
犯人、お兄ちゃんじゃないの?って思ったり。
俺史上最高の漫画作品の実写化
俺史上最高の漫画作品の実写化とあって、観ない手はありませんでした!
たった1巻の漫画で2時間半もの長尺なので、全部の話を入れるかと思いきや、まさかのギャグシーンをほぼカット。漫画では余白で表現していた沈黙や「無」の時間を、リアルタイムで映像にしています。15分くらいで読めた内容が、映画では1時間くらい回してます。
スローモーションの演出や音楽は、「そうそう、これこれ」って感じで、原作ファンとしては完璧かと。
ただ、人にオススメするかというと微妙なところも。過去をことを思い出す件でロビーに出たり入ったりが、漫画だとリズムよく進んで読みやすかったですが、実写でそのままやると「これいつ終わるんや」って感じちゃいます。
ストーリーもキャスティングも、すっごく良かった! 見終わった後の満...
ストーリーもキャスティングも、すっごく良かった!
見終わった後の満足感もすごくてなんだろうこの気持ちって思ったら、
【愛がなんだ】の人たちが作った作品だった
どうりで!
空気の流れ方も、あいまに出てくるコメディー要素も、
なんかとにかく好き
4.5に近い4
ずっと薄気味悪い
銭湯を営んでいた夫婦の旦那が失踪。手伝いにきた優秀だが寡黙な謎の男。一癖ありそうな友達。その友達から紹介された胡散臭い探偵。
キャストがみんな何か怪しい気がして、序盤から疑心暗鬼に…(笑) 監督の罠!?
水に沈む映像が繰り返し流れて、何かずっと薄気味悪い。
テーマだったり、話の流れが若干「ある男」に似てる気がする。
繰り返し流れる水中の映像や、旦那に関する部分は決着するものの、全部スッキリ終わるわけではないので好みは分かれそう。
みんな何か達観していて、衝撃的なことがあっても割と淡々と進む。
セリフも多くないので、登場人物の心情を推し量る必要あり。
最後まで「人を分かるとはどういうことか」という探偵の言葉がつきまとう。
個人的にはもう少し具体的なエンディングが良かったかなー
余韻とか、説明のない部分を想像するのが好きな人にはオススメ。
楽しみどころを見いだせず・・・
監督らしい淡々と展開する日常的なところと、そこに挟まれてくる幻想的というか回想的というか非日常的というか、雰囲気が違うシーンがなんかしっくりこない違和感・・・あくまで個人的な感覚でしかないんですけど、それら違和感のために全体的にわざとらしさを感じてしまい、イマイチ作品に没入できなかった印象です。となると、非情に静かな作品で、しかも尺もあるわけで、かなりの退屈感を覚えてしまいました。質の高い作品だとは思いましたが、それ故にキレイにまとまったようなつまらなさも感じてしまった気がします。
フィルムの弱点。
コミックが原作。静止画のコマ割りと比較して、動画である映画では、本来ストップモーション(コミックなら大コマで強調したりして)で観客に解釈させたい瞬間も『流れて』しまう。とてもエモーショナルな良いテーマの作品だと思うが、瑛太の役柄が解釈不能なまでに希薄となる。そこが映画というメディアの限界なのか。
人は嘘をつくものと構えたい
自分の身を守るために真面目を装い、
実は本当のことを何も言わずに、
素知らぬ顔して接している。
本当のことを記憶の外に追い遣っても、
時の流れで860億の脳細胞から消すことはできない。
いや、本当のことって言えないものなのだ。
自分の意思や想いとは違い、
一瞬に1本の赤いあや取り紐が、
忘却を崩壊させたように主人公かなえの人格が瓦解した。
人間はミスする動物だ。
いつ、どこで、誰に、告白、懺悔が出るだろうか?
最高のラストのその先は、
視聴に余韻として、
次のセクションを想像の余白たして与えてくれた。
君なら、どうする?
さて、
静謐な作品の割にセリフ録音が表に出てきて耳障りなのはアレへの忖度のせいだろうか。
エンディングロールを見ていて気になった⁈
(^_^)
フランスを中心に海外でも人気を誇る豊田徹也の長編コミック「アンダーカレント」を実写映画化したヒューマンドラマ。
かなえは家業の銭湯を継ぎ、夫・悟とともに幸せな日々を送っていた。
ところがある日、悟が突然失踪してしまう。
かなえは途方に暮れながらも、一時休業していた銭湯の営業をどうにか再開させる。
数日後、堀と名乗る謎の男が銭湯組合の紹介を通じて現れ、ある手違いから住み込みで働くことに。
かなえは友人に紹介された胡散臭い探偵・山崎とともに悟の行方を捜しながら、堀との奇妙な共同生活の中で穏やかな日常を取り戻していくが……。
(^_^)
謎の男・堀を井浦新、探偵・山崎をリリー・フランキー、失踪した夫・悟を永山瑛太が演じる。「愛がなんだ」の澤井香織が今泉監督とともに脚本を手がけた。
なぜ私は現れ、なぜ過去は消せないのか…
ヒトは極端な恐怖体験をすると、人格が崩壊するそうです。これを防ぐ為、無意識に記憶を遮断する能力が、ヒトにはあるそうです。ところがある日、封印したはずの記憶の断片が、フラッシュバックする場合があるとか。実は、これ、時間をかけて、過去の自分と向き合おうとするプロセス。ここで無理矢理、かさぶたを剥がすようなことすると、取り返しがつかない事態になるのですが、うまく傷が癒えると、これまでとは違う自己が、再生できるらしい…。
有り難ことに、私、「ディア ハンター」みたいな怖い思いしたこともなく、喪失した記憶は、ございません。そんな私でも、おそらくアンダーカレントはある。きっと私の家族も、然り。でもね、私は私の心の深淵を覗く気はないし、家族のそれを探るつもりもない。結果、この映画と同じことになるかも。そうなったら、探偵さん呼びますけど、今のところは、ね。
確かに、ヒトが、ヒトを分かろうとすること自体、おこがましい話かも。それでも、お互いのかさぶたを削り合うくらいなら、お互いを大切に想う気持ちのほうを大切にしたい。
私がこの映画を観た理由は、先日観た「福田村事件」とキャストが、かぶっていたから。ほぼ、それだけの理由。でも観てよかったな~。役者さんて、凄いですね。限られた時間、限られたセリフで、登場人物の今だけでなく、過去まで映し出す。
どうしようもない自分と向き合う哀しさを、体現する永山瑛太。
逃れられない過去と、訣別しようとする苦悩を体現する井浦新。
傷負い人の苦しさを、誰よりも理解してしまう真木よう子。
怪しすぎるリリー・フランキー。
みんな素敵ですね。
継ぎはぎだらけの過去を持つ私です。本当の自分探しをするような歳でもありません。そんな自分が人様に受け入れられるのが、恐かったこともあります。目の前にある幸せから、逃げたくなったことも、あったかな。そう云う意味では、涙目状態の瑛太に、私の琴線が触れてしまいました。瑛太くん、お願いだから、私のかさぶた剥がさないで…。
とにかく、家族を大切にしないとね。そのためには、何をしたらいいのか、わかんないけど。
そんな悠長なこと思っていると、家族が失踪するのかしら。そんな時は、探偵さん、助けて。黄色い風船持っていたら、来てくれる?。因みに私、メリーゴーランドは、苦手です。
人には誰にも言えない過去があるって事を表現していた感じの作品。 本年度ベスト級。
お気に入りの監督の作品なので期待していたけどあまり刺さらず。
ホントに今泉監督の作品なの?(笑)
作品の雰囲気や役者さんの演技は良かったもののストーリーはハマらず。
銭湯を営む、かなえと悟。
旦那の悟が突然の失踪。
そこに住み込みで働きたいと堀が登場して働いていくらストーリー。
出だしで「アンダーカレント」の意味がスクリーンに映し出されるけどその意味が良く解らず(笑)
終わってはじめてその意味が理解出来た感じ。
出だしから起伏の無い展開が睡魔を誘発(笑)
睡魔と戦いながらの鑑賞だったけど、途中から住み込みで働く堀の素性や悟が失踪した理由が明かされて行く感じ。
悟の失踪した理由より堀の過去が衝撃的だった。
失踪した悟を探す探偵。
リリー・フランキーさんが演じる山﨑が面白い。
かなえに調査報告するのにカラオケ行ったり遊園地に行ったり意味不明(笑)
そんな山﨑だけど仕事はしっかりやっていたのが意外。
カラオケも上手かったのも意外(笑)
ラストでほっとさせられた感じは良かったです。
リリー・フランキーさん。
昨日観た作品でコーヒーを入れてたけど、本作はでもコーヒー入れていたのが何だか印象に残りました( ´∀`)
どじょうは泥抜きがキモ
銭湯組合の旅行中に蒸発した夫を捜す妻と、銭湯組合の紹介でやってきた謎の男の話。
夫の蒸発で休業していた銭湯を再開させて始まって行くストーリーで、なんだかかなえのザッパーンブクブクブクと何を考えているかわからない堀が特徴的だなと思っていたけれど、本当はヤマサキだけど自分でヤマザキですと言っちゃう探偵が現れて…。
なかなか衝撃的な背景を抱えたストーリーで面白かったけれど、全体的に会話劇の様な展開からの、山場は二元会話劇でしかもたっぷりの間で語られるからめちゃくちゃ長く感じる。
まあ実際長いし、しかも曖昧で判然としない部分も多いし。
日常の柔らかいやり取りのシーンでは思っていたイメージよりは良かったけれど、シリアスな場面でのメイン2人は相変わらずな棒演技。
ただもう一歩足りない、というかモヤッとしているものが残る作風とある意味合っている様な気がして、これはこれでナイスキャスティングの様にも…狙ってますかね?リリー・フランキーは明らかに狙っていたけどw
悲しさとか優しさや気遣いみたいなものがとても良い話しではあったけれど、もうちょいすっきりはっきりみせてくれた方が好みかな。
映画館で、浸るのに、おすすめ映画
とても身近にいる「人」のことを、どれだけ分かってますか?、分かろうとしてますか?というテーマ。
静かで、一見何も起こらない「間」も多様しながら、主人公たちと一緒に時を経過する体験ができる映画でした。
自分も、他人も、すぐに理解できるほど単純なものではないよね、ということを実感。でも、理解したいという思いは大事だよね。
真木よう子演じるカナエが、銭湯の湯船に或いは池に沈んでいく映像は美しい。細野晴臣の音楽も、水にたゆたう感じがピッタリ。
銭湯が舞台なのに、冷たい水が全編を覆うミステリー
今泉力哉監督の最高傑作でしょう、現時点で。冒頭から説明されるアンダーカレントの意味である「心の底流」のとおり、通常では伺い知れぬ深層心理が本作のテーマ。それを映像化するにあたって全編「水」がモチーフで、それも銭湯の温かさではなく冷たい水のイメージが随所に現れる。湯船に勢いよく太い蛇口から放出される湯、のはずなのに全然熱そうでないところがミソ。湯気も一切なく、主人公かなえは素手で蛇口を閉める。幾度となく映し出される水没するイメージ、物事から隠れるように冷たい水底に横たわる。水は透明なのに潜った瞬間に音も遮断され隔離される、そこに見えているのに隠される。
夫の突然の失踪、都合よく領域に入ってきた男、学生時代の旧友との再会、探偵の登場、かなえの隠された過去のトラウマ、そこで起こる常連客の子供連れ去り事件、これらがミステリーのプロセスを以って順次描かれる。謎を観客と共有しながら真相に少しずつ近づく作劇は、昨年の邦画アカデミー賞受賞の名作・石川慶監督の「ある男」2022年とそっくり重なる。表層的には中野量太監督の「湯を沸かすほどの熱い愛」2016年とほぼ同じですが、温度がまるで異なる。タイトル通り熱い宮沢りえ扮する主人公に対し、本作主人公である真木よう子はまるで冷めている、この違いが作品を真逆の方向性に運んでいる。
セリフが良く練られており、次のセリフが何の違和感もなく予測出来てしまう滑らかさ。それを浮かび上がらせる照明も自然光を優先し、半分は影で造形する。緊張感が終始横たわり、緩めのテンポにも関わらず集中力が途切れず、143分の長丁場も心地よい。予告編にも使われた本作の肝のようなシーンはリリー・フランキー扮する探偵から発せられる「人をわかるって、
どうゆいうことですか?」でしょう。
シークエンス毎に印象的なカットで締めくくり、一旦フェードアウト溶暗後には別のシークエンスに移る。原作が豊田徹也氏による長編コミックとは驚きですが、まさに漫画の重点シーンの最後の瞬間のカットをそのまま実写したような趣が秀逸です。当然トドメのカットはラストシーンの井浦新扮する堀の振り絞った告白に顔を上げるかなえの表情ですね。素晴らしいカット、なかなか邦画に無いフランス映画のよう。かなえのみならず観客までもドキッとする指摘です。
「アンダーカレント」なんてタイトルよりズバリ「嘘」の方が分かり易い。3人ともそれぞれ嘘を抱え、押さえつけてきた。でも人間ってのは基本性善説だから嘘を貫くのは実は苦しい、それを吐露する口火を描いた作品なのは間違いないでしょう。それによる結果より明らかにそのプロセスに重きを置いているのだから。ラスト近く、遂に対面した夫との再会、「最後に思いっきりひっぱたいていい?」と言いつつ案の定叩かなかったかなえ。温かい湯は心をほぐすけれど、冷たい水は心を閉ざす通り、最後まで冷めたかなえでした。
理想的なキャスティングが組まれ、デリケートな芝居の醍醐味を味わえる。思いの他出番が少なかった永山瑛太の終盤の登場シーンのロングカットは素晴らしかった。予想通り場をさらってしまうリリー・フランキーの存在感と、かなえに波風立てる旧友役の江口のりこのさり気なさ、脇役の輝き方を熟知されてるようです。タバコ屋のおやじ役の康すおんは美味しいところを持って行ってしまう、今時タバコ屋なんて無いのにね。
おっと、音楽が知的と思ったらエンドクレジットに音楽・細野晴臣と、流石です。
人は他人の10%しか見えていない
『ムーンレディの記憶』(カニグズバーグ著)で、「人は他人の10%しか見えていない」というようなセリフがあって、なんかそれはとても真理をついてると思っていたのだけど、『アンダーカレント』の「人をわかるってどういうことですか?」も一緒だなと思った。
みんな他人を自分が見たいようにしか見ないし、それは自分にとって都合のいい見方だから、本当のその人を知ってるとは言い難い。
そもそも誰しも多かれ少なかれ他人に見せたい自分と、本当の自分が違うことでしんどい思いをしているはず。
目に見えてわかりやすいものであれば、それは例えば自分の中の性別の不一致だったりするのだろう。
けど大概はもう少し表からはわかりにくい内面のことが多いと思う。
それを悟のように自分でも気づかないほど上手く、見せたい自分像に擬態できる人だったら、尚更本当のその人はわからないだろなと思った。
そして悟よりもっとわかりにくいのは堀だろう。堀は他人に見せたい自分を上手く演じて見せられた悟の仮面とは逆に、他人除けのために年々分厚くしながら被ってきた仮面なんじゃないかな。
そしてかなえは自分の心に仮面をつけてしまったのかもしれない。
この三人は自分の本当の心を騙し騙ししながは生きてきたサバイバーなのかも。
とても繊細な話だけど、凝った音の表現や、全員演技派(リリーさんはそもそものキャラの完全なる実写)のおかげで、とてもうまく美しくまとまっていて心に響く作品に仕上がっていた。
あと水に沈むシーンはすごくイメージ通りでびっくりした。原作読み直したら当たり前だけど白黒なんだよな、けど脳内でこんな色で再現してた気がするわ、とても納得だった!!
話自体は重いのだけど、それぞれに赦しがあり優しいので、穏やかな気持ちで終われたな。これは私は一人で映画館で観たい映画だった。この気持ちに浸ったまま帰りたい感じ。
人は皆、何かを抱えて生きている
人気コミックを実写映画化したヒューマンドラマ。過去の今泉監督の作品は正直今一つの印象でしたがこの作品はまったく違いました。人間の根幹に迫る作品でそれぞれの想いを見事に描写している素晴らしい作品。主演の真木よう子を筆頭に実力派キャスト陣の演技が素晴らしく、時間の長さをまったく感じない魅力あふれる一本です。
2023-159
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