アンダーカレントのレビュー・感想・評価
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静かに流れてゆくもの。
とても淡々とした静かなストーリー。声を荒げそうな場面でも登場人物たちはそっと現状に向き合い、現実を受け入れてゆく。突然夫が失踪したかなえ。何故?どこへ?その気持ちを引きずりながら夫婦で経営していた銭湯をなんとか再開する。
そこへ働き手としてやって来た謎の男、堀。まるで湯船にお湯がはられるように時間が流れてゆく。堀の正体とは。かなえが封印した過去を巡るミスリードの要素もあり、大人の会話劇でもあり、実に今泉監督らしい時間の使い方だなと思いました。
正直真木よう子は作品によって波がある印象ですが、今作はとても良かったです。リリーフランキーのちょっと下品だけど的確な探偵も良い味出してました。夫の行動の真意がよく分からなくてその辺もう少し説明してほしかったです。
リリーさんは有能(役柄)
誰かのことを「わかる」ってどういうことか?
【古いアカウントで投稿していたので、削除して再投稿します】
映画館の予告編で見ただけなので、主演が誰か以外の予備知識ゼロで観ましたが、それが正解でした。(まぁ、これは全ての映画に言えることですが。)
と、言いながらこのような説明を加えるのもいかがなものか、ではありますが。
ネタバレとまでは言えないと思いますが、予備知識を一切入れたくない方は、以下、読み飛ばしてくださいね。
劇中の私立探偵のセリフ「他人をわかるってどういうことですか」がこの映画のテーマを完璧に表している。
映画の全シーンにわたって実にゆっくりとした「間」が取られているので、登場人物や物語を追いながらも、劇中の状況やセリフを自分自身や人生経験に当てはめて思いにふけるだけの時間がある。
主題の「問い」は物語のかなり序盤で示されますが、物語が進むにつれ、徐々に個々の人物像や取り巻く環境、過去の出来事が見えてくる中で、繰り返し、繰り返しその答えを問われる感じです。
最後には、自分自身でさえ自分のことを本当にわかっているのか、自分が"本心"だと思っていることさえ都合のいい"解釈"でしかないのでは、などと考えさせられます。
なお、他のレビューにもありましたが、私も終盤のじーさんが話す説明しすぎる、決めつけすぎるセリフは興ざめに感じました。(お前は誰やねん!という感じ。)
あれは必要ない、というか、映画全体の中であそこだけが不自然な感じがしました。
ま、個人的な”意見"をさも"事実"のように語る人間が現実にいるのも事実ではありますが。
少なくとも、この映画にはやはり必要ないシーンだと思います。
(原作にあったのかどうかは知りませんが。)
ちなみに、同じ日に見た2本の映画にリリーフランキーさんが出てきてコーヒーを淹れるシーンがあったのですが、妙なデジャヴを見ることになった不思議な1日でした。
人をわかるって、何ですか
2日連続井浦新、ご馳走様です。
今泉力哉監督最新作。ようやく見ることが出来ました。久々のレイトショー、既にテンション爆上がりです。昨年公開の「窓辺にて」はこれまでの監督の作品と打って変わって、かなりビターで大人な渋い映画でしたが、本作もかなり落ち着いたトーンで、更に文学的で考えさせられる作品に仕上がっていました。
「死にたくなってことってありますか」
前日に、人生に詰んだ元アイドルは赤の他人のおっさんと住む選択をした(通称:つんドル)を見ていたため、この言葉にニヤリ。まさかの逆転してる!豹変した井浦新に驚くばかり。ここ1ヶ月で3回も出演作が見れるとは...贅沢です。真木よう子も、今までに見た事がないくらい表現力豊かで上手かったし、この作品の主人公としてこれ以上ない役者だったと思う。心に深い傷を抱えた人物を、2人とも見事に演じていました。
かなり行間が多く、文学的な色合いが強い作品であるため、この尺は中々に長い。緊張感の途切れない、静かで重いカット。そんな中で唯一の癒しがリリーフランキー。実際にこんな人が居たらくっそ腹立つだろうけど、画面越しだとめちゃくちゃ笑えちゃう笑 主人公が落ち込んでいる最中、更に追い詰めるかのように1人で熱唱。しかも歌う曲が...笑 原作の漫画でも、この"ヤマサキ"はリリーフランキーをモデルにして描かれたらしく、おかげで最高にハマっている。文句言う割には、自分言っちゃうんかい!
人間の醜いところや弱いところ、普段考えないような現実を、一切の綺麗事なしに映し出す、今泉力哉監督。彼の映画の主人公は、いつも寂しくて孤独。見ている人の等身大で、決して主人公ぽくない。本作は、最近の監督にしては珍しく、原作があり、かなり色の違う作品ではあるけれど、匂いはしっかりと今泉力哉。今を生きる人々に、疑問をなげかけてくれます。人は嘘をつく。嘘をついて生きている。それなのに、人を分かるって何なんだろう。
まるで水の中をさまよっているような、息苦しくて途方に暮れそうな世界。それなのに、何にも囚われていないような自由も同時に感じる。アンダーカレントというタイトル通りの作品で、文学的でありながら、自分の心にすごく刺さりました。旦那の気持ちを理解するのは難しいし、説明口調になって若干興ざめしてしまう場面もあったけど、監督のファンとしては今回もまた最高でした。いやぁ、にしてもすごいペースで撮るよね。無理をなさらず、たくさん世に映画を届けて欲しいです。
浮かび上がるもの
何の話か解らないまま観るべき映画
無感情、よくわからない、淡緑のimage
原作通りの雰囲気
題目 "undercurrent" には意味が2つあること、物理と...
題目 "undercurrent" には意味が2つあること、物理と心理、心して観られました。
人にどう見られたいかで、自身を演じる言葉の量が増える人、
人の反応を気にして、ほとんど喋らない人、
対比が象徴的な。
場面の間の暗転の都度、観ているこちら側も、各自で考えることを促されているような。
考えが内省的になってゆき、
過去の傷口を次々思い出す、
それでも一筋の光はあったような、なかったような…
答えは無いと知りつつ。
考える貴重な機会、内心穏やかではない体験でした。
今回鑑賞したシネコン(イオンシネマ市川妙典 スクリーン1)、近隣で爆音上映中だったのでしょうか? 鑑賞中作品とは合わない、外部の衝撃音が、結構届いてきました。
ロングピース
あなた〜わた~し~の〜もと~から〜突然消えたりし~ないでね〜え〜映画🎵
イコライザー観る前に、何か観ようかなぁと探してたら、今泉監督作品があるではないか!
雨ニモマケズ レッツゴ~💨
いやホントよくできた映画
ミステリー仕立てなので飽きないし、曲者揃いの役者陣の魅力炸裂
井浦新の役は昭和で言ったら高倉健ですよ(真木よう子は倍賞千恵子ね)
瑛太はサ◯◯◯スやらせたら最高だし、真木よう子はいい年して独身男性⇠オレ~オレ~オレオレ~♪連盟の支持率爆上げっすよ!
人間というものは誰でも二面性がありナンチャラカンチャラ なんてレビューをみんな書いているのだろうが、オレハそんな小難しいことは書かない(リリー・フランキーにもヤマザキとヤマサキが…ミタイナ)
ただ一つ言いたいのは、今泉作品は鑑賞後アーダコーダ語りたい映画だってこと(数々のミスリードにことごとく引っ掛かったことも追記しておこう)
池と銭湯のあいだに。
酒の席とかでよく「人に言えない話とかある?」って嬉しそうに聞いてくる人がたまにいる。
人に言えない、言いたく無い話があったとしても
そもそも人に言えないんだから
言えない話があるか無いかの有無さえも言わないのである。だから無いと答えるのが普通である。
これが嘘である。
子供の頃自分がやってしまったことで周りの大人たちが慌て出し次第に状況が一変し、
自分では手に負えない状況に急転していく様子を冷静に見ていたことがあった。それを思い出した。
普通の子供なら親に怒られるのが怖いから罪悪感なく
嘘を言い張る。
嘘がバレたら親に怒られて「どうして嘘ついたの!?」「そんな子に育てた覚えは無い!」と
突き放されたものだ。子供は親に突き放されたら寂しくなって悲しくなって結局最後には
親に「ごめんなさい…」って泣いてわめいて謝った。
嘘はいつかバレてそして怒られる。だから嘘はついてはいけない。
いつの時代もそうやって教えられてきたはずである。
それでも嘘を突き通した。そして今まで生きてきた。
ある事件での体験がきっかけで。
それにしても真木よう子の顔は違和感があり作り物のようにいつも無表情な印象。
だが最後の真木よう子の表情の変化と目の演技は最高によかった。
ようやく目が覚めて人間らしさを取り戻したようだった。
かなえは堀に真実を話すのか?
それともこれからも隠し通して生きていくのか?
かなえの迷いが最後の二人の距離間で物語っているようだった。
空白を差し出されて。
これまでも、作品ごとに空白を描いて絶妙な世界観を見せてくれた今泉監督だけれど、
今作は歴代最高の絶品さだと思う。この空白は脚本の中だったり、カットのつながりの中だったりするのだけど、それが空白である以上、言葉では説明不能だ。言えるとしたら何かが在る事に匹敵するほどの空白の存在感とでも言おうか。当然そこでは何も起きてないし、何も行われてない状況だ。今回は日本が誇る手だれの俳優たちのコラボで尚更、シーン内で人物たちが創り出す空白が心地よい。今泉監督がどんなふうにこの空白を差し出しているかなかなか判りづらいと思うけど…1箇所、真木よう子と井浦新が他所の廃業銭湯にボイラーを見に来たシーンで、案内した年配の男性と3人でダメになったボイラーを見ながら呆然とするシーンがある。長い余韻のあとに男性のキャップが風に飛ぶのだけどよくそこまでカメラを回して、それを使ったなと感心する流れがある。本番でここまで回している創作の中に空白が生まれる余地があるのだろう。家路についても、翌朝になっても、この空白を埋める楽しみを与えてくれる。この空白を埋める創造力が備わってないと、なかなかこの作品を堪能するのは至難でしょう。
空白を差し出すという意味では、リリーフランキーさんの存在感も相変わらず素晴らしすぎた!
独特の世界観と、今泉ワールドの融合
今泉監督作品、『ちひろさん』に続き今年二本目。
最初のカットでなんとなく雰囲気がわかる。
なんだかわからないまま進むが、途中から事件が絡んできたり、過去や思いの開示がすぐに連れて、この作品のテーマがわかってくる。
原作があるからか、思ったよりはストレートに伝えてきたな、と印象。
水が重要な役割を果たしており、それをサポートする幻想的な音楽も世界観へ引き込む大事な要素になっていた。
今泉監督といえば、日常描写とクスリと笑うシーン。それもちゃんとしっかり入っていた。
ただ、真木よう子がどうしても、漫画の登場人物を演じているようで、「日常」感がいまいち感じられなかったのが正直なところ。複雑な役どころで難しかっただろうが、芯が強そうな女性という見た目しかハマるところがなかった。
作品の大半を彼女がしめるため、絵面的に惹かれなかったが、その違和感こそが狙いなのかもしれない。
脇を固める俳優陣はなかなか。井浦新ほ毎回似たような落ち着いていて秘密を抱えている役だけど、期待通りの演技。
リリーフランキーは一瞬で作る空気感、康すおんは初めて見たけど、役柄どおり、なかなか粋な演技で魅力的だった。
話の展開も面白かったが、誰しも思い当たる節があるテーマで、自分に当てはめて考えてみたくなる映画だった。
けど、漫画っぽさとわかりやすさは否めなかった。
2023年劇場鑑賞96本目
旦那の失踪の何故?
厳しくも温かい空気が好きだった
骨太俳優たちがすばらしい。
原作未読。二度鑑賞。
試写会で鑑賞済みでしたが、舞台挨拶のチケットが当選したので2回鑑賞しました。
淡々とした場面が多い作品なので、二度目は眠くなりました…
原作未読(試し読み数ページだけ)ですが、真木よう子が役柄のイメージに合わず…。
あの女優さんだったら良かったなー、と思う方がいて、ちょっと調べたら過去に「漫画のファンで主人公を演じたい」と言ってたインタビュー記事を発見…(笑)
原作ファンの方がどう思うか分かりませんが💦
キャロルリードのフォローミー
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