アンダーカレントのレビュー・感想・評価
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人それぞれ過去に色々なことがあって終わりに近づくにつれて分かってい...
人それぞれ過去に色々なことがあって終わりに近づくにつれて分かっていくストーリーが面白かったです!ワンチャンもすごいいい演技していて可愛かった
ほぼ純文学❗️観る人選ぶ。選ばれた貴方は 精鋭エリート リリー・フランキーが笑わせてアクセント
観客15人 昔の甲子園みたいだな 延長18回、球数制限も、バッターの脛とかのプロテクターみたいのもなく、靴も黒
の甲子園 準々決勝以降 3連戦当たり前の甲子園
プロ野球選手の養成 にはもってこいだけど 野球離れはもっと進むよ。
連戦がいいとは思わないけど
話がそれました。本作は純文学
観客は 中継ぎもリリーフもへったくれもなく 正々堂々 完投が求められる。
ロングショット ゆったり長台詞 に耐えなくては
人間が 全て 本音 心の奥を曝け出して生きれるはずがない。
それは、その場しのぎだったり、体裁のカッコつけ だったり 自分と正面から向き合う苦痛の回避だったりする。
でもね それでも それでも 自分と向き合い 他者を理解しようと努めることは大事
ということかな。
今時 銭湯♨️も滅多に見かけないが バーナーでなくて 薪を🪵投入の銭湯♨️
家の外の番犬が可愛い😍犬小屋
ある意味両極端な2人の朴訥、無口な男 井浦新、永山瑛太
の暗い過去と苦悩 両名とも 過去を悔いているのは共通 片方は真実への向き合い悔恨 片方は偽りへの悔恨
主人公 銭湯の主人 真木よう子 も強烈な過去のトラウマに苦しみ、夫の不可解な失踪に苦しむ。
生きるって大変。みんな心に鎧だから
だからこその 人の心の機微
だが、リリー・フランキーさんの 胡散臭い探偵が キレ味抜群で
ヘンテコリンも抜群。
イャイヤ その状況で、カラオケボックスで そんな歌詞の歌歌うかなぁ🎤 は面白かった。
街のたばこ屋🚬の生き字引的な古老 お節介親切な銭湯を手伝うおばさん 友人だからこそ
包容力のある江口のりこの役 銭湯に通う人々
失われかけある風景をバックに 人の心の機微 理解することの難しさ が展開
井浦新さんの 男の背中 男の最後の堰を切ったような涙😢 良かった。
有料パンフによると 漫画原作者の方は基本ラジオ📻派 という絶滅危惧種 ネット環境無いとのこと
まあ、純文学ですけど、分かり易いですよ。最後の海岸のロングショットは堪えどころ。
でも 永山瑛太役 なんで 島に高跳び したんだろね❗️皆さんも観て 精鋭になりましょう【個人的見解】
コレを漫画で表現した原作者マジ尊敬。
いろんな意味で疑問が残る…
2時間半近くかけてやる話かな〜、というのが第一印象。
丁寧に描写すべき作品なのは分かるけど、もう少し工夫できたのではないか…?
今泉監督の新境地か?と期待したがいまひとつ納得いかず…
原作未読のためどこまでが原作由来か不明ながら、重要なところで今ひとつ明らかにならず観客の理解に委ねるような演出になっていたかと思えば、あるところでは康すおん(彼自身は好演だったと思う)が語りすぎたり、どうにもちぐはぐな印象。
役者はみな良かったと思う。特に原作でモデルにされていたらしいリリー・フランキーの味と、井浦新の語らない演技。
銭湯の店主の失踪ということでどうしても「湯を沸かすほどの熱い愛」と比較してしまうが、あちらが亭主が見つかってからの話だったのに対して、こちらは見つかるまでの話、ってことでやはり時間の使い方に疑問が残った…
しかし最後のあの歩き方はどういうこと…?
夫の疾走
なんとも辛いスタートの真木よう子さん。
突然現れた、住み込みで働く男。
夫が見つかった。会いに行ったが、疾走の理由はわからずじまい。
水や湯に入ったのに体が浮かないのはなぜ?
ラストシーンどういうこと?
期待したのにねぇ 今泉監督はイジワルだよねぇ
東京は下町の銭湯、月乃湯が舞台。
親から受け継いだ銭湯。大学の同期だった夫が銭湯組合の旅行先から忽然と消え、残された妻(真木よう子)はショックからしばらく休業していたが、叔母の援助を得て再開したところに、組合長の紹介でホリという男(井浦新)が雇って欲しいとやってくる。
銭湯♨️de真木よう子とくれば、俄然期待が膨らみます。
しかし
まったくの肩透かし。
バストがあるのかないのかさえわからないほど。
もうひとり期待したシングルマザー役の内田理央もほんのちょっと出。
焦って、初日鑑賞。レイティング確認を怠りました。
でも、しーんとした銭湯で声が響くのいいですね。
ひとり開店前の湯船に浸かる真木よう子のほぼすっぴんのふっくらしたお顔はとても美しかった。
体調を崩したとかの情報がいろいろあった真木よう子。
ふっかーつ。
しかしアタシは完全復活とは認めませんよ。こんなんじゃ。
せめて下から持ち上げてウォーターラインより上にぷかりぷかりさせてくれなくちゃ。
冒頭、アンダーカレントの意味の注釈が表示されます。低層での水の流れを意味する言葉らしいけど、深層心理の意味合いが濃いような内容でした。でも、なんだかよく分かりませんでした。瑛大の役は気の弱さから嘘を重ねてしまうなら許せるが、黙って蒸発は相手無視だしイカン。先天性の嘘つきだって言っちゃってるし。仲がよかった年の離れた妹さなえをかなえに取られてしまったと感じたと告白したホリが、黙ってかなえに近づくのも気持ち悪い。康すおんのおじいちゃんはまるでホリが妹殺しだって知ってるような感じで近づいてきて、なんだか気持ち悪い。単行本一冊のコミックの内容はこんなに凝縮した内容なのか?
退屈になって、鼻毛3本も抜いてしまいました。抜いた鼻毛は足元に。決して前の席に飛ばしたりしてません。
大学時代の友人(江口のり子)から紹介された怪しい探偵、山崎役のリリー・フランキーは、最初の待ち合わせは喫茶店。
ヤマザキです。ても、本当はヤマサキなんです。釣りバカ日誌の浜ちゃんと一緒です。
なんてご挨拶。
最初の報告はカラオケボックス、次いで遊園地(サマーランド)、離島(神津島?)と毎回場所を変えながら登場します。
蒸発した夫の捜索を依頼された探偵が中間報告の待ち合わせ場所にカラオケボックスを指定し、まるで依頼人の気持ちをさらに落ち込ませるかのごとく熱唱。
うまい! 本家よりうまい!
裏切者の旅/ダウンタウンブギウギバンド
1976年。
アップストロークでアクセントを入れながら、昔アコギでよく歌ったものです。
🎵 おまえと会えないさみしさだけから行きずりの女を愛した俺
それほど長くもない旅に疲れ果てた心の片隅にお前の泣き顔がぼやけて映る
ひび割れた鏡の中に裏切者の顔がゆがむぅ~
色褪せた写真の中でお前の微笑みがおれの胸を刺すぅ~
🎵 明日の行き先を決めずにいるのは行きずりの女のやさしさなのか
それほど長くもない旅の続きなのにお前の住む町がやたらと懐かしく心に浮かぶ
ひび割れた鏡の中に裏切者の顔がゆがむぅ~
色褪せた写真の中でお前の微笑みがおれの胸を刺すぅ~
ホリはある意味ストーカーでした。
ダウンタウンだと、デビューシングルの「知らず知らずのうちに」です。
🎵 知らず知らずのうちに~ 君のあとをつけて~ 🎵 知らず知らずのうちに~ 履歴書を書いてた~
まんまとリリー・フランキーにもってかれちゃったような・・・
原作コミックでもカラオケボックスで裏切者の旅をうたうんでしょうか?
サマーランドの観覧車も乗ったことありますんで、懐かしかった~
アマガエルとドジョウも出てきます。
ドジョウは丸煮。
浅草のどじょう料理屋に行きたくなりました。
あと、叔母さん役の中村久美がすてきでした。
人をわかるってどういうことですか?
なぜ男は現れ、なぜ夫は消えたのか
静かな物語、心の奥底を繊細に映しだす
静かな中にも響いてくる音楽も良かった
自分の心にも沁みて色々考えたなぁ
タバコ屋のおっちゃんがお兄ちゃんに
気付いてお話ししてくれて良かった
リリー・フランキーさん、
「アナログ」とはまた違う存在感あり!
井浦新さん、永山瑛太さん、
「福田村事件」も良かったけど、
こちらもしっとり良かったです!
みんなほんとうのことより心地良いウソのほうが好きなんだ
どんなに近しい関係でも、マコトとウソは背中合わせ。
愛と憎しみに背中合わせがあるように。
「みんなほんとうのことより心地良いウソのほうが好きなんだ」
夫婦で営んでいた銭湯の現場から失踪した、夫の言葉が意味深だ。
自分を偽ることで日常をやり過ごす。
そのほうが上手くいく。ばれなければいい。
ばれた時は、その場を去る時。
夫のウソが、忌まわしい過去を隠してきた妻の感情をざわつかせる。
私も実はウソつきだったと。
夫がいなくなった後に銭湯で働き始めた謎の男。
妻の友人の紹介で夫の行方を調査する一風変わった探偵。
マコトとウソの間を流離うふたりのキャラが、ミステリアスな映像を際立たせる。
ほんとうのことを言えばいいのか。
嘘を突き通せばいいのか。
今泉監督は、答がないまま、僕らに突きつけてくる。
「人は誰かに頼って迷惑を掛けて生きていくもの」
タバコ屋の主人の言葉が、唯一おとしどころを探ってくれるようで、一瞬ほっとする。
湯船の底で深層が開ける。
心の深層でその人を支配する出来事。それに普段気づいていない主人公。気づいてしまい逃げた夫。深層を意識しながら生きてきた男。どうすれば深層の傷を乗り越えていけるのでしょう。まず自分の深層に向き合って、傷になっていたら止血をし、次を考える。近くの人を大事にする。そういうことでしょうか。
映画は、今脂が乗っている名優の皆さんの過去作(たとえば真木よう子なら「さよなら渓谷」)の続編、集大成を見ているような不思議な感じがしました。
しかし、リリーフランキーが「裏切り者の旅」を歌うところは、笑いを取るところだったのでしょうが、まったく笑えなかった!
ところで、水に沈むシーンは、ビルエバンスとジムホールの名盤「アンダーカレント」のジャケ写真と関連があるのでしょうか?
あと、細野晴臣の音楽はタルコフスキーみたいで最高でした!
その笑顔は本物ですか
常に自分を全てさらけ出して生きている人などいない。意識的、または無意識に、誰でも何かしら心の奥底に抱え込んでいるもの。
かなえは失踪した夫の事を思うと辛いが、いつまでも落ち込んでいる訳にも行かないので、父から継いだ銭湯を再開した。周囲の人もそれとなく気遣って穏やかな日常を取り戻したかに見えたが、ふとしたきっかけで、自分の心の奥の感情に向き合うことになる……
サスペンス調ではなく、人の心のひだを丁寧に描いた映画です。人のさりげない思いやりが素敵で、無垢な赤ちゃんや犬が良いアクセントでした。最後の余韻も好きです。
(でもちょっと離れすぎ。あれじゃ尾行だよ)
人の心の中はそう単純ではなく、相手に必ずしも本心を全て打ち明けなくても、誠実に向き合っているならば、それは噓では無いのだ、と思えました。
ちょっと長い映画なんですが、無駄なシーンがあるという訳ではなく、夢の部分や余白をもう少しコンパクトにまとめればスッキリしたのかなと思います。
本当のことなんて誰も知りたくないんだよ
雰囲気がとても好きでした。
ただなんかしっくりこないというか、なんか違和感があってそれがなんなのかは、最後までわかりませんでした。
まあそういうこともあるでしょう。
このレビューだって嘘かもしれないのですから。
人の深み
誰もがあの人が何考えてるのかわからないけど、そもそも自分がなにものなのかすらわからない、そんなもんな気がする。そんな漠然とした感じを表現してくれた感じがする。
舞台挨拶つきでした。真木よう子さんは顔ちっちゃくて、しゃべりがいい意味で雑で素敵な女性でした。それに対応する瑛太も同じ感じで素敵でした。そして今泉監督やはり好きです。
心の奥底に潜むのは、封印した記憶と忘却したい過去
父親が遺した銭湯を夫と営んでいた
『かなえ(真木よう子)』は、
ある日夫の『悟(永山瑛太)』が突然失踪したことにより、
一時営業を中断していた。
が、再開したタイミングに合わせるように
組合から斡旋された寡黙な男『堀(井浦新)』が現れ
住み込みで働くように。
二人の息は思いのほか合い、
手伝いの叔母との三人による営業も順調に見えた。
しかし、友人に紹介された探偵『山崎(リリー・フランキー)』に
『悟』の調査を依頼したことから、
知ることの無かった夫の過去が浮かび上がる。
『山崎』が発する「人をわかるって、
どうゆいうことですか?」との言葉が象徴的。
主人公に向けて発せられたそれは、
とは言え実は多くの人に当てはまるだろう。
いや、他人どころか、
人は自身のことさえどれほどわかっているのか。
まさしく冒頭に示される
「心の底流(アンダーカレント)」は言い得て妙。
失踪した人間が抱える秘密とのプロットは
かなりありきたり。
ましてや本作で吐露される中身は
本人にはいざしらず、傍目からは軽めに思えるもの。
一方、その結果として炙り出される二人の過去の方がはるかに強烈で、
他作とはやや構成が異なる仕組み。
『かなえ』には幼い頃から繰り返し見る悪夢があり、
それは彼女の意識の底に押し込められた忌まわしい記憶から来るもののよう。
また『堀』にしても凄惨な体験をしており、
それへの強い思いが彼を突き動かす。
〔湯を沸かすほどの熱い愛(2016年)〕と近似の設定。
しかし主人公に子供はおらず{ファミリームービー}でもない。
主要な三人にまつわるエピソードが積み重なり明らかにされるたびに、
観ている側は陰鬱な気分に。
落ち着いた語り口も、展開される世界観はダークミステリー。
淡々と描写されるため強烈な衝撃はないものの、
彼女や彼等が背負う過去は
あまりに救いのないもの。
とは言えラストのシークエンスは
希望を持たせるものととらえたい。
膿を出し切った後の傷は生々しくとも、
次第に痕がふさがって行くように。
川の底流と共に渦巻く人間の感情に浸る作品
真木よう子演じるかなえが銭湯を昔からの
従業員のおばさんと2人で経営していた
ところから、日常のありふれた生活に見える
序章でした。
しかし、夫である永山瑛太演じる悟が失踪していたと言う事情を知って喪失感や寂しさを感じ始めて見ました。
線を描くようなコントラスト、人間の表層心理と深層心理、2つの感情があるように
思いました。
かなえが水に沈んでいくシーン。
同じ夢を見て、苦しくうなされるシーン。
小学生のときにあった心的外傷となった大事な人の死。
銭湯に突如として訪れた井浦新演じる堀は
かなえに亡くなった妹を重ねて見ていたと
感じました。
髪を束ねた赤い糸。
ガラスに映った2人の姿。
あやとりを手にしながら遊ぶ2人の女性たち。
乗りかかった船だと最後まで探偵の仕事を
やり遂げたリリー・フランキー演じる山崎。
抑えた演技のなか、静けさと激しい感情が
混在しているように見えたストーリーでした。
かなえの家から失踪していた悟は、偽りの人生を生きていたとかなえは既に知っていた
けれど、何故、失踪したかについては
悟自身も分からなくなっていたように
思いました。
初夏の季節から始まり、最後は晩秋の季節になっていました。
海辺の店で2人で話した後に、かなえが悟の首にマフラーを掛けるシーンは、かなえ自身、悟を恨んだりしてない気持ちが伝わってきました。
かなえもみんなも死にたいと思っても
孤独や哀しみを乗り越えて、生きていく
水面に射し込む光が、未来を表現していました。
堀はかなえを近くで支えながら人生を歩み出すのか?
2人に温かく寄り添う気持ちで観終わりました。
よく分からなかった。リリー・フランキー主演で「探偵ヤマサキ」をシリーズ化してほしい。
<アンダーカレント>低流、下層流→人の心の奥底、
「人の心の奥底をわかることが人を分かることなのか?」
「人を分かるとは」 何か?どういうことか?を突き詰める映画であることまでは分かった。
そのあと、「人は人を分かれるのか?」「人はおろか自分のことは分かっているのか?」
そして、「そもそも ”わかる” とは何か?」という辺りでほぼ降参。
「わかると理解するは違うのか?」。「わかる」を国語辞典で調べて何となく「そうか」と思った後、和英辞典で「わかる」を調べて、「わかる」の意味が多岐にわたることを知るに及んで万事休す。頭から湯気が出始めたところで考えるのを諦めて終了。
脳みその容量足らなくて沸騰して蒸発してまうから「アンダーカレント」の考察は皆んなのレビューに任せるヨ。
それよか気になったのは、探偵の山崎。喫茶店の待ち合わせで登場したとき、あまりの胡散臭さに思わず吹いてしまった。彼は海辺のテラスでコーヒー煎れていたが、実は広尾でPIANOという名前のカフェもやってる。
ウサン臭くてこんな魅力的なキャラクターを今回限りで終わらせるなんてもったいない。
僕がお気に入りの江口のりこさんは、山崎に怪しげな案件持ち込む役で。
ワンコを忘れていた。
「薪割り」
今年185本目。
薪割りの銭湯珍しくていい。何十年続いている銭湯だとリニューアルする所もありますね。昔ながらの銭湯も木のぬくもりがあって何年かに1回銭湯に行きますが、足伸ばして入れるのは気持ちいい。リリー・フランキーが昨日「アナログ」見て今作も。落ち着いた雰囲気が好き。
人をわかるということ
人当たりが良く、優しく、家庭でも良きパートナーだった夫が突然失踪したことから始まる物語。
約2時間半という長尺で語られるのは、相手を知ることの難しさ。少しずつ明らかになる夫の「本当の姿」から、主人公も自身の根底にあった感情を思い出していく。
ゆっくりじっくり淡々と進んでいく作品ですし、特に大きなハプニングやサプライズが起きるわけでもない。登場人物も、普通の人がほとんど。だからこそ、繰り広げられる会話ひとつひとつに、自分はどうかな…と反芻したり余韻を楽しんだりできました。
ラストはどう捉えれば良いのかな。味わってみます。
あと、ワンコが可愛かったです。
かなり特殊な見方ではあろうと思うのですが…。
今年341本目(合計991本目/今月(2023年10月度)6本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))
今日(7日)は本作品を含め4本見たのですが、その最初の作品になります。
まず結論から先に書くと、「気になる描写もあることはあるが、その点どこまで突っ込むのかが微妙」という点に大半つきます。
ストーリーとしては、公衆浴場を営むある家で失踪する事件が昔あり、その失踪している方を探そうとする方、探されようとする方との関係、また公衆浴場に関しての描写もあるなど、割とジャンルとして何なのかが微妙(2月だったか3月だったか、公衆浴場ばっかりずっと描いていた映画があったと思うのですが…←何だっけ?)な映画ではあります。
どうしても法律系資格持ちは一定の語(この映画だと、探偵業や公衆浴場といった反応するような語)が出てくると頭の中を切り替えてみるのですが、そうしてみると逆に調査不足なのか明確に変な部分もある一方、ストーリーを優先させたと思われるフシがある点、また、「そこまで突っ込むの?」というようなところもあったりとこれまた採点が難しい印象です。
この3連休、映画の数自体はかなり多く、本映画は実は2.5時間枠で(3時間はいかないが、2時間は超える)、どうしても他の映画との「接続」が難しい実際上の問題もあり、対抗以下の評価なのかな(競馬新聞ではないけれど)といったところです。
ただ、以下の採点/評価は、法律系資格持ちの立場という特殊なところからくる点は先に断っておきます。
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(減点0.4/探偵業と戸籍について)
探偵業者は探偵業法で一定の縛りを受ける特殊な職業ですが、戸籍の開示や取得について何ら特例を与えられているものではありません。戸籍の取得請求ほかは本人であれば本人の身分証明書など、依頼を受けていれば委任状などが必要で、そこでその本人の印鑑が入った書類が求められますので、ここの点でアウトです(映画内では勝手に持ってくる)。
もっとも、この点を厳密につつくと映画が進まなくなるという別の問題を抱えるので(しかももとが2.5時間と妙に長い)仕方なしかなという気はしますが、戸籍の問題はセンシティブな部分もあり、誰でも彼でも(勝手に)開示されてしまうんだということではないので注意です。
(※) 弁護士を頂点としたいわゆる「法律隣接職」(行政書士も含む)は、その職務の範囲でのみ戸籍の取得請求ができますが(職務上請求という)、これにはちゃんとした理由を示したものが必要で、勝手にやると各種業法でアウト(かつ、戸籍関係の不正取得は基本的に一発レッドカード・退場扱い=廃業勧告ほか)です。
(減点0.4/公衆浴場に関する考察が雑に過ぎる)
日本では職業選択の自由が憲法で定まっていて(憲法22条の1)、そのうえで例外として「資格がないとなれない」(弁護士、医師など)のほか、「道徳観からくるもの」(たとえば、助産師は女性でないとなれない)ほかはありますが、基本的には自由です。
しかし戦後の混乱期には職業選択においていわゆる「重なり合い」が生じたのも事実で、その一つがこの「公衆浴場」です。現在でも各都道府県の条例で、地域ごとにおいても違いますが、「既存の公衆浴場から何m以内だと新規開業できない」というものがあり、しかもこれは現在でも有効な最高裁判例です(平成元年ほか)。
※ 薬局の距離制限ほか違憲判決で確定してなくなったものとは異なり、「公衆浴場」については現在(令和5)でも規制は受けます。
しかもその最高裁の判旨は「既存公衆浴場業者の経営の安定を図ること」ですので(平成元年3.7)、かなり「既存業者に寄った」判例であるのものが今も生きているわけです。
すると、そのように現在(令和5)においておよそ「経営の安定を図る」ことのメリットが見出せない現在においても有効な現在の規制において、既存業者は最大限の努力をするべきなのであり、そこで失踪するだのしないだのという「身内の話」であれこれもめるというのは、新規開業者の邪魔をするだけの存在になりさがるのであり、最高裁判例の趣旨を没却するにほかならないという点において明確に描写不足ではあります。
※ もっとも、こうした論点も特殊で、しかも「公衆浴場」というある意味特殊な職業をわざわざ描くというのはそれなりの理由もあるわけで、ちゃんと調べると「原作小説によるもの」ですので、仕方なしと思う部分はあるものの、ちゃんとフォローは入れておいてほしかったです。
最後は感動させられてしまった。たいしたものだ。
洋画ばかり観ていたので、反省の意味を込めて(日本映画に頑張って欲しい)この邦画を鑑賞した。勿論、高評価のレビューが多かったからでもある。
淡々とした日常生活の描写が続き、寝てしまった。しかし、3分の2を過ぎたあたりから、物語が急に動き始め、タイトル通りとなった。それまでが我慢の映画だ。監督、役者の演技に感心した。その後、これは原作の漫画が映画以上に素晴らしいのではないかと思えてきた。電子書籍の試し読みだけであるが、私の直感は当たっているように思える。一度、読んでみよう。
罪悪感は消えるのか?
今泉監督作品は
好き嫌いはともかく面白く観て来たので
今回も期待していた。
原作があるので仕方がないとは思うが
非常に後味が悪かった。
なぜ映画化しようと思ったのか…
【以下ネタバレ】
真木よう子演じるかなえの罪悪感は
堀さんの正体を知った時
より確かなものになるのではないかと
懸念した。
堀は
年の離れた妹への思慕から
同い年で似た雰囲気を持つかなえに対して
愛着を感じたのではないか。
そのかなえが
脅された恐怖心から
事件のことを誰にも話せずにいたことを
堀はどう受け止めるのか…
モヤモヤしてしまい
暗澹たる気持ちになった。
【”人を分かるってどういうことですか。死にたいと思った事はありますか。そして、嘘の人生と真の人生。”複数の関係する男女の、表層心理と深層心理の奥底に秘めた葛藤と真実を静的トーンで描き出した作品。】
■家業の銭湯を継いだかなえ(真木よう子)は、共に店を切り盛りしていた夫のサトル(永山瑛太)に突然失踪される。
暫く、店を閉めていたが再開した日にホリ(井浦新)という男が、住み込みで働かせて欲しいとやって来る。
◆感想
・夫に失踪されたかなえを演じる真木よう子さんの抑制した演技が、印象的である。
ー かなえは、前半風呂に背面から落ち、伸びてくる腕に首を絞められる”夢”を度々見る。このシーンが今作の大きなキーになって行く。-
・かなえを案じるように、静に銭湯の仕事をこなすホリ。
ー 彼が、抱えて来た深い哀しみも後半分かって来る。前半はイロイロと思索しながら鑑賞する。-
・そして、かなえは久しぶりに会った友人よう子(江口のり子)から夫の行方を探るため、探偵(リリー・フランキー)を紹介される。
ー リリー・フランキー演じる怪しげな探偵が良い。
そして彼はキッチリと仕事をする。明らかになるサトルの過去。
彼は両親を早くに失っていたと話していたが、皆嘘で、両親は2年前に火事で焼死。
深まる謎。-
・店の常連客の子供が誘拐され、かなえはを記憶の中で封印して来た過去の哀しき出来事を思い出してしまう。それは、仲の良かった女の子がかなえと遊んでいる際に、誘拐され殺されてしまった事件だった。
ー ここで、水面に背面から落ち、伸びてくる腕に首を絞められる”夢”の原因が明らかになるのである。かなえが押さえ込んでいた深層心理の奥底にあった真実。-
・更に、探偵により見つけられた夫サトルとかなえとの海辺の喫茶店での再会のシーン。
かなえは詰ることなく、サトルの話を聞くのである。
”小さい頃から、ごく自然に嘘を付いてしまう。会社を同僚の罪を被って辞めたのも嘘。あれは僕が仕組んだ事。”
”では、私への想いも嘘だったの”
”違う。君への想いが本物になってしまいそうだったから、逃げたんだ・・。”
ー サトルは、人間としては破綻しているように見えるが、多くの人も虚実入交の人生を送っているのではないか・・。-
・ホリの正体を暴いたタバコ屋の銭湯の常連さんのお爺さん(康すおん)。
”ホリが黙って姿を消そうとしたときに”何で戻って来たの。お兄さん。”と声を優し気に掛けるのである。
ー ホリは、かなえの親友だった女の子の兄だった。そして、偶々見かけたかなえの後を追って来たのだ。だが、彼にかなえを害する気持ちなどなく、逆に自分の亡き妹だと思って接してきた事が、かなえと夕食を共にしたときの、嗚咽する姿で分かるのである。-
■ラスト。ホリはいつものようにかなえと愛犬と散歩に出る。
但し、彼はそれまでと違い、少し後からかなえを守るかのように、歩くのである。
沁みてしまったシーンである。
<今作の解釈は多数あると思う。
上記の私のレビューは、私が鑑賞して感じた事である。
私は、今作は、”人間が虚実を抱えながら生きる中で、心の中に有る真の真実を描いた作品ではないかな。”と思いながら、劇場を後にした。>
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