劇場公開日 2023年10月6日

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アンダーカレントのレビュー・感想・評価

全142件中、101~120件目を表示

2.0我慢しながら最後まで観る感じ。不完全で未消化感漂う微妙な作品。

2023年10月8日
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今泉監督の新作が出たら必ず観に行くファンですが、今回の作品は正直ダメでした。
映画が始まって暫く経っても、心に響くような言葉とか場面とかが・・・全然出てこないんですよ。
時々意味ありげなフレーズが出てくるけれど、言いたい事は分かるものの、メッセージ性は薄いレベルの範疇で深みは余り感じられなかった。

不安や恐怖の回想・妄想・イメージ場面が合間に挿入されながら、モヤモヤして掴みにくいストーリー展開が長々と続いて、登場人物にも感情移入しにくいし、時には気持ち悪さまで感じ、その辺りの伏線回収も不充分というか(あえてそういう設定にしたのかもしれないけれど)、映画が終わってもスッキリしないモヤモヤが続く感じ。

「嘘」が一つのテーマになっていますが、この物語自体がリアリティーに欠けて、どこか作り物っぽくて、その嘘が暴かれた時のインパクトも薄く弱く感じられる。
不完全で未消化感を残したまま映画館を出て、後から考察をしたくなるような深度も余り感じず、良い映画を観た後の長く残る余韻や考えさせられるものが足りない感じでした。

難解なアート映画やカルトムービーも何でも好んで観る派の自分みたいな人なら頑張って観れるけれど、そうでもない一般的な人の場合、これはある種の我慢を強いられる部分が否めない映画という印象。

あれ?私の好きな今泉ワールドではないな。
どうしてこんな原作を映画にしたんだろう?
そんな疑問符が最後まで解けなかった。

唯一、リリー・フランキー演じる探偵が非常に魅力的で、凄くいい味を出していました。
一見ダメ人間のようで、実は一番切れ味が鋭い探偵、これはリリーさんの真骨頂。
彼がいなかったらこの映画、どうなっていたんだろうか・・・と心配になるほど。
出演者は一流俳優が多く、演技力は充分に素晴らしかったのだけれど、この物語の登場人物が実際にいるようにも思えず、後半になっても何処か作りもの感が私の中で否めず、どうにも入り込みにくい未消化感が残る作品だったというのが正直な感想。

ちょうど監督の舞台挨拶があって、色々と貴重なお話が聞けたのは良かったのですが、監督自身が本当に表現したいものというよりも、原作者の意図を壊さないようにという配慮を大事にした映画作り、というような印象がありました。
今泉監督は普段漫画とかは読まない人との事で、この原作も外部からのオファーがあって成立したもので、監督自身が前から気に入って映画化を考えていたというケースとは違う。
この映画が私にとってイマイチだったのは、自分の表現よりも原作を大事にしたい作風ゆえだったのかもしれません。
次回は他人の原作ではなく、今泉監督ならではの、新たな今泉ワールド的映画が観てみたいですね。

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beast69

4.0ここ最近の邦画ではいちばんの良作かと思いますb

2023年10月8日
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ここ最近の邦画ではいちばんの良作かと思いますb

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まん坊

4.0他者を理解することも難しいが、自分自身を理解することはもっと難しい。けどそんなもので良いのかも。

2023年10月8日
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他人のことを理解することは難しく、勝手に解釈してこういう風に考えてるんだなと決めつけているだけ。
それに良い悪いもない。
他者を理解することの難しさ以上に自分自身を理解することは難しいことなのではと考えさせられる作品だった。
2人のやり取りは淡々としているが、少しずつ確実に近づいていることを感じられる。
シリアスなテーマではあるものの、要所に散りばめられたユーモアによって深刻になりすぎない。
やっぱり絶妙なバランスで作られた作品である。
登場人物のその後の暮らしが自分のこころの中で生き続けている。登場人物が映画を観た後もひとり歩きしてくれる素敵な作品だった。

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モトコ

4.5今、そばにいる大好きな人を大切に

2023年10月8日
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知的

難しい

観賞後、原作の漫画を読みました。
キャスティングが驚くほど絶妙だなと原作ファンの方も満足できるんじゃないでしょうか。
今泉監督作品なので、時間は淡々と流れていきます。でもそのゆったりとした時の流れの中で、観てる側の私達に考えさせる余白を与えてくれるのです。それが監督がくれたとても素敵なプレゼントなのかなって思います。

リリーさんの探偵は素晴らしかったです笑
あの方はスパイスですよね。ユーモアをプラスしてくれて、中弛みしそうなとこをピリッと引き締めてくれます。
井浦新さん、真木よう子さん、永山瑛太さんも各々の持ち味がとても引き出されていたと思います。
特に大好きなのは瑛太さんの内面が表情に全く現れない怖さ。最高でした。新さんもあの役は心情の捉え方がとても難しかったとこを見事に演じてらっしゃいました。

人をわかるってどういうことか…
自分を理解することも他人を理解することも難しい。
それでも、生きているならこの人が言った言葉の意味はなんだろうとか、この行動はどんな気持ちだったのかとか、日々考えるしかない。その人を理解したいって思うから考えてしまう。言ってることが全て真実とも限らないし、表情や行動から読み取るのも確かなものはない。

それでも、人は寄り添いたいし、助け合ったり、励ましあったり、コミュニケーションを取らずにはいられない生き物だ。
好きな人には尚更だ。だから、なるべく素直に生きていけたらって思う。駆け引きなし、忖度なし、好きなものは好きと言えるように生きていけたらと思う。そしたら、そんなに表裏がない、わかりやすい人間になれるのかなって思います。

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さくらん

4.0良くも悪くも今泉監督っぽくない作品

2023年10月8日
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2023年劇場鑑賞234本目。
今泉力哉監督のファンですが、この作品がそうだとは知らずに鑑賞。最近エンドロールの字が読めなくなってきて、レビューを書く今初めて知ったレベル。
情報としては真木よう子のところに井浦新が転がり込む、というだけで、「♯つんドル」と設定かぶってない?ボク最近これと似た役やりましたよ?って井浦新言わなかったのかなと思いました。井浦新と同居ものという新たなジャンルが確立されればそれはそれで面白いのですが。

今泉力哉監督作品の好きなところは共感性なんです。主人公の行動が好きになれなくても共感ができたので良かった。それが今回ないんです。それは、今までの作品が登場人物に隠された設定がなく、今起きていることにどうするか、という流れだったので共感できていたのが、今回登場人物ことごとく何かしら隠された謎みたいなのがあって、それが明かされていく面白さはあるのですが共感には繋がらなかった、というのが特徴だと思います。

毎回違うテーマに挑戦している今泉監督としてはこれもありなのかもしれませんけどね。

昨日アナログでコーヒーを淹れていたリリー・フランキーがまたコーヒーを淹れていたのは笑っちゃいましたが。

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ガゾーサ

3.5人それぞれ過去に色々なことがあって終わりに近づくにつれて分かってい...

mさん
2023年10月8日
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人それぞれ過去に色々なことがあって終わりに近づくにつれて分かっていくストーリーが面白かったです!ワンチャンもすごいいい演技していて可愛かった

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m

3.0ほぼ純文学❗️観る人選ぶ。選ばれた貴方は 精鋭エリート リリー・フランキーが笑わせてアクセント

2023年10月8日
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知的

観客15人 昔の甲子園みたいだな 延長18回、球数制限も、バッターの脛とかのプロテクターみたいのもなく、靴も黒
の甲子園 準々決勝以降 3連戦当たり前の甲子園

プロ野球選手の養成 にはもってこいだけど 野球離れはもっと進むよ。
連戦がいいとは思わないけど

話がそれました。本作は純文学
観客は 中継ぎもリリーフもへったくれもなく 正々堂々 完投が求められる。
ロングショット ゆったり長台詞 に耐えなくては

人間が 全て 本音 心の奥を曝け出して生きれるはずがない。
それは、その場しのぎだったり、体裁のカッコつけ だったり 自分と正面から向き合う苦痛の回避だったりする。

でもね それでも それでも 自分と向き合い 他者を理解しようと努めることは大事
ということかな。

今時 銭湯♨️も滅多に見かけないが バーナーでなくて 薪を🪵投入の銭湯♨️
家の外の番犬が可愛い😍犬小屋
ある意味両極端な2人の朴訥、無口な男 井浦新、永山瑛太
の暗い過去と苦悩 両名とも 過去を悔いているのは共通 片方は真実への向き合い悔恨 片方は偽りへの悔恨

主人公 銭湯の主人 真木よう子 も強烈な過去のトラウマに苦しみ、夫の不可解な失踪に苦しむ。

生きるって大変。みんな心に鎧だから
だからこその 人の心の機微

だが、リリー・フランキーさんの 胡散臭い探偵が キレ味抜群で
ヘンテコリンも抜群。
イャイヤ その状況で、カラオケボックスで そんな歌詞の歌歌うかなぁ🎤 は面白かった。

街のたばこ屋🚬の生き字引的な古老 お節介親切な銭湯を手伝うおばさん 友人だからこそ
包容力のある江口のりこの役 銭湯に通う人々
失われかけある風景をバックに 人の心の機微 理解することの難しさ が展開

井浦新さんの 男の背中 男の最後の堰を切ったような涙😢 良かった。

有料パンフによると 漫画原作者の方は基本ラジオ📻派 という絶滅危惧種 ネット環境無いとのこと
まあ、純文学ですけど、分かり易いですよ。最後の海岸のロングショットは堪えどころ。
でも 永山瑛太役 なんで 島に高跳び したんだろね❗️皆さんも観て 精鋭になりましょう【個人的見解】
コレを漫画で表現した原作者マジ尊敬。

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満塁本塁打

3.5いろんな意味で疑問が残る…

2023年10月8日
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2時間半近くかけてやる話かな〜、というのが第一印象。
丁寧に描写すべき作品なのは分かるけど、もう少し工夫できたのではないか…?
今泉監督の新境地か?と期待したがいまひとつ納得いかず…
原作未読のためどこまでが原作由来か不明ながら、重要なところで今ひとつ明らかにならず観客の理解に委ねるような演出になっていたかと思えば、あるところでは康すおん(彼自身は好演だったと思う)が語りすぎたり、どうにもちぐはぐな印象。
役者はみな良かったと思う。特に原作でモデルにされていたらしいリリー・フランキーの味と、井浦新の語らない演技。
銭湯の店主の失踪ということでどうしても「湯を沸かすほどの熱い愛」と比較してしまうが、あちらが亭主が見つかってからの話だったのに対して、こちらは見つかるまでの話、ってことでやはり時間の使い方に疑問が残った…
しかし最後のあの歩き方はどういうこと…?

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ぱんちょ

3.0夫の疾走

2023年10月8日
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鑑賞方法:映画館

なんとも辛いスタートの真木よう子さん。

突然現れた、住み込みで働く男。

夫が見つかった。会いに行ったが、疾走の理由はわからずじまい。

水や湯に入ったのに体が浮かないのはなぜ?

ラストシーンどういうこと?

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完

3.5期待したのにねぇ 今泉監督はイジワルだよねぇ

2023年10月8日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

難しい

寝られる

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カールⅢ世

5.0人をわかるってどういうことですか?

2023年10月8日
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泣ける

知的

なぜ男は現れ、なぜ夫は消えたのか

静かな物語、心の奥底を繊細に映しだす

静かな中にも響いてくる音楽も良かった

自分の心にも沁みて色々考えたなぁ

タバコ屋のおっちゃんがお兄ちゃんに
気付いてお話ししてくれて良かった

リリー・フランキーさん、
「アナログ」とはまた違う存在感あり!

井浦新さん、永山瑛太さん、
「福田村事件」も良かったけど、
こちらもしっとり良かったです!

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ほんのり

5.0みんなほんとうのことより心地良いウソのほうが好きなんだ

2023年10月8日
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どんなに近しい関係でも、マコトとウソは背中合わせ。
愛と憎しみに背中合わせがあるように。
「みんなほんとうのことより心地良いウソのほうが好きなんだ」
夫婦で営んでいた銭湯の現場から失踪した、夫の言葉が意味深だ。

自分を偽ることで日常をやり過ごす。
そのほうが上手くいく。ばれなければいい。
ばれた時は、その場を去る時。
夫のウソが、忌まわしい過去を隠してきた妻の感情をざわつかせる。
私も実はウソつきだったと。

夫がいなくなった後に銭湯で働き始めた謎の男。
妻の友人の紹介で夫の行方を調査する一風変わった探偵。
マコトとウソの間を流離うふたりのキャラが、ミステリアスな映像を際立たせる。

ほんとうのことを言えばいいのか。
嘘を突き通せばいいのか。
今泉監督は、答がないまま、僕らに突きつけてくる。

「人は誰かに頼って迷惑を掛けて生きていくもの」
タバコ屋の主人の言葉が、唯一おとしどころを探ってくれるようで、一瞬ほっとする。

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ジョー

4.0湯船の底で深層が開ける。

2023年10月8日
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鑑賞方法:映画館

知的

心の深層でその人を支配する出来事。それに普段気づいていない主人公。気づいてしまい逃げた夫。深層を意識しながら生きてきた男。どうすれば深層の傷を乗り越えていけるのでしょう。まず自分の深層に向き合って、傷になっていたら止血をし、次を考える。近くの人を大事にする。そういうことでしょうか。
映画は、今脂が乗っている名優の皆さんの過去作(たとえば真木よう子なら「さよなら渓谷」)の続編、集大成を見ているような不思議な感じがしました。
しかし、リリーフランキーが「裏切り者の旅」を歌うところは、笑いを取るところだったのでしょうが、まったく笑えなかった!
ところで、水に沈むシーンは、ビルエバンスとジムホールの名盤「アンダーカレント」のジャケ写真と関連があるのでしょうか?
あと、細野晴臣の音楽はタルコフスキーみたいで最高でした!

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笠部翔

4.0その笑顔は本物ですか

2023年10月8日
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鑑賞方法:映画館

常に自分を全てさらけ出して生きている人などいない。意識的、または無意識に、誰でも何かしら心の奥底に抱え込んでいるもの。
かなえは失踪した夫の事を思うと辛いが、いつまでも落ち込んでいる訳にも行かないので、父から継いだ銭湯を再開した。周囲の人もそれとなく気遣って穏やかな日常を取り戻したかに見えたが、ふとしたきっかけで、自分の心の奥の感情に向き合うことになる……

サスペンス調ではなく、人の心のひだを丁寧に描いた映画です。人のさりげない思いやりが素敵で、無垢な赤ちゃんや犬が良いアクセントでした。最後の余韻も好きです。
(でもちょっと離れすぎ。あれじゃ尾行だよ)
人の心の中はそう単純ではなく、相手に必ずしも本心を全て打ち明けなくても、誠実に向き合っているならば、それは噓では無いのだ、と思えました。

ちょっと長い映画なんですが、無駄なシーンがあるという訳ではなく、夢の部分や余白をもう少しコンパクトにまとめればスッキリしたのかなと思います。

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ゆり。

4.0本当のことなんて誰も知りたくないんだよ

2023年10月8日
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雰囲気がとても好きでした。

ただなんかしっくりこないというか、なんか違和感があってそれがなんなのかは、最後までわかりませんでした。

まあそういうこともあるでしょう。

このレビューだって嘘かもしれないのですから。

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トロイメライ

3.5人の深み

Nさん
2023年10月8日
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誰もがあの人が何考えてるのかわからないけど、そもそも自分がなにものなのかすらわからない、そんなもんな気がする。そんな漠然とした感じを表現してくれた感じがする。
舞台挨拶つきでした。真木よう子さんは顔ちっちゃくて、しゃべりがいい意味で雑で素敵な女性でした。それに対応する瑛太も同じ感じで素敵でした。そして今泉監督やはり好きです。

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N

4.0心の奥底に潜むのは、封印した記憶と忘却したい過去

2023年10月7日
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悲しい

怖い

難しい

父親が遺した銭湯を夫と営んでいた
『かなえ(真木よう子)』は、
ある日夫の『悟(永山瑛太)』が突然失踪したことにより、
一時営業を中断していた。

が、再開したタイミングに合わせるように
組合から斡旋された寡黙な男『堀(井浦新)』が現れ
住み込みで働くように。

二人の息は思いのほか合い、
手伝いの叔母との三人による営業も順調に見えた。

しかし、友人に紹介された探偵『山崎(リリー・フランキー)』に
『悟』の調査を依頼したことから、
知ることの無かった夫の過去が浮かび上がる。

『山崎』が発する「人をわかるって、
どうゆいうことですか?」との言葉が象徴的。

主人公に向けて発せられたそれは、
とは言え実は多くの人に当てはまるだろう。

いや、他人どころか、
人は自身のことさえどれほどわかっているのか。

まさしく冒頭に示される
「心の底流(アンダーカレント)」は言い得て妙。

失踪した人間が抱える秘密とのプロットは
かなりありきたり。

ましてや本作で吐露される中身は
本人にはいざしらず、傍目からは軽めに思えるもの。

一方、その結果として炙り出される二人の過去の方がはるかに強烈で、
他作とはやや構成が異なる仕組み。

『かなえ』には幼い頃から繰り返し見る悪夢があり、
それは彼女の意識の底に押し込められた忌まわしい記憶から来るもののよう。

また『堀』にしても凄惨な体験をしており、
それへの強い思いが彼を突き動かす。

〔湯を沸かすほどの熱い愛(2016年)〕と近似の設定。
しかし主人公に子供はおらず{ファミリームービー}でもない。

主要な三人にまつわるエピソードが積み重なり明らかにされるたびに、
観ている側は陰鬱な気分に。

落ち着いた語り口も、展開される世界観はダークミステリー。

淡々と描写されるため強烈な衝撃はないものの、
彼女や彼等が背負う過去は
あまりに救いのないもの。

とは言えラストのシークエンスは
希望を持たせるものととらえたい。

膿を出し切った後の傷は生々しくとも、
次第に痕がふさがって行くように。

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ジュン一

4.0川の底流と共に渦巻く人間の感情に浸る作品

2023年10月7日
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真木よう子演じるかなえが銭湯を昔からの
従業員のおばさんと2人で経営していた
ところから、日常のありふれた生活に見える
序章でした。

しかし、夫である永山瑛太演じる悟が失踪していたと言う事情を知って喪失感や寂しさを感じ始めて見ました。

線を描くようなコントラスト、人間の表層心理と深層心理、2つの感情があるように
思いました。

かなえが水に沈んでいくシーン。
同じ夢を見て、苦しくうなされるシーン。

小学生のときにあった心的外傷となった大事な人の死。

銭湯に突如として訪れた井浦新演じる堀は
かなえに亡くなった妹を重ねて見ていたと
感じました。

髪を束ねた赤い糸。
ガラスに映った2人の姿。
あやとりを手にしながら遊ぶ2人の女性たち。

乗りかかった船だと最後まで探偵の仕事を
やり遂げたリリー・フランキー演じる山崎。

抑えた演技のなか、静けさと激しい感情が
混在しているように見えたストーリーでした。

かなえの家から失踪していた悟は、偽りの人生を生きていたとかなえは既に知っていた
けれど、何故、失踪したかについては
悟自身も分からなくなっていたように
思いました。
初夏の季節から始まり、最後は晩秋の季節になっていました。
海辺の店で2人で話した後に、かなえが悟の首にマフラーを掛けるシーンは、かなえ自身、悟を恨んだりしてない気持ちが伝わってきました。
かなえもみんなも死にたいと思っても
孤独や哀しみを乗り越えて、生きていく
水面に射し込む光が、未来を表現していました。

堀はかなえを近くで支えながら人生を歩み出すのか?
2人に温かく寄り添う気持ちで観終わりました。

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美紅

よく分からなかった。リリー・フランキー主演で「探偵ヤマサキ」をシリーズ化してほしい。

2023年10月7日
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難しい

<アンダーカレント>低流、下層流→人の心の奥底、
「人の心の奥底をわかることが人を分かることなのか?」
「人を分かるとは」 何か?どういうことか?を突き詰める映画であることまでは分かった。
そのあと、「人は人を分かれるのか?」「人はおろか自分のことは分かっているのか?」
そして、「そもそも ”わかる” とは何か?」という辺りでほぼ降参。
「わかると理解するは違うのか?」。「わかる」を国語辞典で調べて何となく「そうか」と思った後、和英辞典で「わかる」を調べて、「わかる」の意味が多岐にわたることを知るに及んで万事休す。頭から湯気が出始めたところで考えるのを諦めて終了。

脳みその容量足らなくて沸騰して蒸発してまうから「アンダーカレント」の考察は皆んなのレビューに任せるヨ。

それよか気になったのは、探偵の山崎。喫茶店の待ち合わせで登場したとき、あまりの胡散臭さに思わず吹いてしまった。彼は海辺のテラスでコーヒー煎れていたが、実は広尾でPIANOという名前のカフェもやってる。

ウサン臭くてこんな魅力的なキャラクターを今回限りで終わらせるなんてもったいない。
僕がお気に入りの江口のりこさんは、山崎に怪しげな案件持ち込む役で。
ワンコを忘れていた。

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マサヒロ

3.0「薪割り」

2023年10月7日
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知的

今年185本目。

薪割りの銭湯珍しくていい。何十年続いている銭湯だとリニューアルする所もありますね。昔ながらの銭湯も木のぬくもりがあって何年かに1回銭湯に行きますが、足伸ばして入れるのは気持ちいい。リリー・フランキーが昨日「アナログ」見て今作も。落ち着いた雰囲気が好き。

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ヨッシー