劇場公開日 2023年10月6日

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「タイトルなし」アンダーカレント えみりさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0タイトルなし

2023年10月6日
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鑑賞方法:映画館

 しょっちゅう暗転するのは、今泉監督だからかと思った。
 瑛太さんはこの手の役が多すぎかな。でも、他の監督だともっとうまく使える気もする。少し単調。
 よう子さんは、先日、NHKの番組見て、極度の天然だと知り、動物的な勘で演技して、人にグイグイ入って行くんだろうなあと思う。リリーさんとタイを張ってる感がすごい。
 リリーさんは、カラオケシーンが一番良かったんだけど、今日はアナログのマスター見たあとだったので、ちょっとつらかった。無償で仕事してあげちゃうあたりの描き方はすごい。喫茶店のナプキンを名刺代わりとか、今泉さんじゃないと書けない脚本? この、最初のリリーさんの感じと、最後にコーヒー運んでくれる感じの(しかも海の見えるサイコーの店を貸し切りで借りてくれたり)多重性は、リリーさんでないと演じられないかも。
 井浦さんが泣くところで終わるあたりは、今泉さんの根性のなさかな。いつも描ききらないし。
 今回の映画の優れているところは、幼い頃の友達の犯罪被害に同化した主人公の、精神分析的な表現にあるんだろう。私を殺してというセリフは本当に難しい。でも真木よう子ならやれる。しかも、それでも、強さがある。とはいえ、物語の主人公はもう少しナイーヴなのに、真木よう子さんは強すぎる。他の映画のよう子さんはもう少し女っぽく描かれていたりもするので、今泉さんの趣味か。
 探偵と会うとき、とびきりおしゃれして来るあたりがちょっと何なのかなと思ったり。
 井浦さんは喋らないで演技する人だと思う。犬を撫でるシーンとか。タバコ屋のおやじもサイコーだ。

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えみり