「【”現代史に輝く不撓不屈の女性フランス政治家の生涯を描いた作品。”右傾化が進む現代、彼女の気骨ある世俗主義に基づく数々の行動や足跡は偉大であると、改めて知る事が出来た貴重なる伝記映画である。】」シモーヌ フランスに最も愛された政治家 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”現代史に輝く不撓不屈の女性フランス政治家の生涯を描いた作品。”右傾化が進む現代、彼女の気骨ある世俗主義に基づく数々の行動や足跡は偉大であると、改めて知る事が出来た貴重なる伝記映画である。】
ー 冒頭から、シモーヌ・ヴェイユが両親の元、兄や姉たちと楽しそうに過ごすシーンから、厚生大臣の時にそれまで非合法だった女性の中絶を可能にした、通称「ヴェイユ法」を、男性保守的議員たちからの反対を押しのけて実現させるシーン。
その後もエイズ患者と一対一で話し合う姿や、アルジェリアを含めた刑務所内環境の改善を推し進める姿、ボスニア・フェルツェゴビア紛争の最中に、一刻も早く収束させるべきと激しく意見を言う姿に圧倒されつつ、観賞する。-
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・シモーヌ・ヴェイユ(エルザ・ジルベルスタイン)の、この圧倒的なパワーが何処から来たのかが、中盤からの彼女が16歳だった頃に、家族ともどもナチスドイツにより、アウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所に入れられ、その後も死の行軍を経験する中で、母を失い、父や兄とも生き別れた経験が映し出させることにより、その原動力の源が分かるのである。
・冒頭から、シモーヌ・ヴェイユの生涯が時系列を行き来しつつ描かれる。そこでは、夫アントワーヌ・ベイユとの出会い、3人の子供に恵まれつつパリ政治学院で法学を学び、その後男性社会だった、仏蘭西政治界に躍り出て、数々の旧弊を打破した業績を打ち立てた姿には、敬意を表する気持ちになる。
<今作は、僅か2時間20分の尺の中で、シモーヌ・ヴェイユの生涯を描いているために、詰め込み過ぎの感は若干あるが、実に見応えがある作品である。
今作のフライヤーを見ると、彼女は没後もフランス国民に絶大なる支持を得ているようである。
今作を鑑賞すると、さもありなんという気持ちになるのである。>
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