「Fly a Way」ロスト・フライト ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Fly a Way
機長と殺人犯が協力し、不時着した無人島で反乱勢力に立ち向かっていくとかいう観る前からワクワクさせてくれる設定にウズウズしながら鑑賞。その期待にしっかりと応えてくれる作品に仕上がっていました。
年末に少人数乗せてのフライト、悪天候なのに燃料費ケチってうまいこと上空を潜り抜けてくれと言われて、渋々上空を通ったら案の定嵐に巻き込まれて、島に不時着して、反政府ゲリラに立ち向かっていく…といったあらすじです。
墜落までのフラグを丁寧に建築し、思っていた通り墜落してしまうと、作品的なテーマではここがピークになりそうなところですが、あくまでも墜落はお膳立てで島についてからpart2が始まっていきます。
飛行機内でもアップダウンの衝撃で警官と乗組員が頭を強打して死ぬという上空でのトラブルも抜かすことなく描いていたのは好印象でした。
島に辿り着いてからはなんとかして連絡を取れないかと模索するパートになり、ここで殺人犯と機長が手を組んで行動し出します。一体なんの殺人をしたのかというのは最後まで明かされませんが、銃の腕前はピカイチですし、軍隊出身なのもあって隠密行動に優れていますしで、そりゃ機長も同行人としてこの人選ぶよなと思いました。
反政府ゲリラも容赦なく襲ってきて、逃げようとした乗客は撃ち殺しますし、人質としての確保もスピーディー。傭兵たちが来なければ勝てる確率は高かったんじゃないかなとも思わされました。
傭兵チームが銃弾で車ごとゲリラをぶち抜く強烈ショットが好みでした。あれを食らったらひとたまりもありません。
勝気な機長と慎重ながら抜群の腕前で蹴散らしていく殺人犯、そこに優秀な傭兵たちが合体すればそれはそれはもうあっという間に制圧していき、乗客たちも全員飛行機に乗せて島から脱出し、安全地帯まで持っていく手腕はあっぱれでした。
乗組員達からも乗客からも称賛されて、無事に娘の元に戻る約束を果たすというカッコよさを見せてくれました。
こういう作品では、本部が出す指示が空回ったり、なんなら出番すらほとんどないみたいなことは珍しくないんですが、今作では指揮する人が本当に優秀で、手早く進路や不時着した場所を探したり、何故か雇っている傭兵を島まで救援に向かわせたりと、隙のない手ほどきはあっぱれでした。しっかりとエセ気象予報士を叱りつけていたのもなんか良かったです。
あっという間に終わってしまうくらいには物語にのめり込んでいました。ジャンル映画とはなんたるか、しかと目に焼き付けておきました。
鑑賞日 11/25
鑑賞時間 10:00〜12:00
座席 G-3