「殺しの数こそ友情の証」ジョン・ウィック コンセクエンス Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)
殺しの数こそ友情の証
◉悪に背く
悪に背く悪は正義か? と言えば、そんな法則はない。ただ、そこに自分の流儀を貫いたり、愛する者に変わらぬ愛を捧げたりする強い意志はあるだろう。その意志が正義に直結する訳でもないが、ここまで鮮やかなアクションが切れ目なく披露されて無数の敵が倒されると、これが正義だと言う感覚は生まれてしまう。
ジョン・ウィック、ケイン、シマヅ、トラッカーは人間味を残す悪者として頑張る一方で、主席連合のグラモン侯爵はただの凶悪・冷酷の塊のように描かれて、こちらも小気味良かった。笑い顔がかえって愛らしい。
◉超ドッグファイト
ファンタジーの域に達しそうな殺りくシーンだったが、とにかく戦う者同士の顔が近い。銃弾はごくごく至近から放たれ、拳やヌンチャク、ナイフ、斧も敵の身体のギリで振るわれて、目まぐるしい命懸けのショータイム。技術的に可能かどうかは抜きにして、シマヅの一派は弓矢まで顔の前で射て、思わずフッド;ザ・ビギニングの矢の連射シーンが浮かんだ。
そして、止めは頭を打ち抜いて殺す。ライフ値をしっかりゼロにする殺しは非常にエグいけれども、インベーダーゲームの終盤のようで、緊迫感は途切れなかった。
そして、真田広之がジョン・ウィックに投げた「できるだけたくさん殺していってくれ」の一言はふてぶてしくてやるせ無くて、コミカルで、このシリーズにぴったりだった。早めに出てきたこのセリフで、アクションへの陶酔感が、めっちゃ深まりました。
◉殺しの量も質も満たす
シマヅとの共闘を除いては、ウィック(+1名)が、押し寄せる多勢を相手にする戦い。いくら防弾チョッキを生かしても、今のは致命傷だろうと言う死線を越え、無理目の勝負を頑張る。
ナイトクラブの妖しげな人混みはもちろん、ビルの壁や踊り場の暗がりやガラスケースの陰、街路を疾駆する自動車&バイク、果てしない石段の高低差などを、全てを防御の壁にしてジョン・ウィックは勝ち上がって結局、質も量も満たしてしまった。人がたくさん死んでいるのに何だが、これこそ掃討戦の快感。
俊敏な豹に似たイケメンと、多少の傷はものともしないタフガイが同居したジョン・ウィック。そしてケイン・シマヅ・トラッカーたちメインの殺し屋が、渋い! なんて言わせないぐらい、若々しかったです。ただ、ジョンは本当に死んだのか?
コメントそして共感ありがとうございます。
169分間、ただただひたすら殺し続ける、それを観ていると
陶酔感のトランス状態を相当に高い位置でキープさせられる感覚になりますね。ちょっぴりジョン・ウィックの高みに近づける気がしますね。
そこがただのアクション映画と違うところかも知れませんね。
多少の差はあるけれど、映像のレベルというか凄みを
4作品通して維持しているシリーズはやはり凄いことですね。
キアヌ・リーブスのストイックなまでのカリスマ性。
カリスマとは無縁に見えるのでなんと言って良いのかわかりませんが、
レベルッチを高くキープ・・・かな!?