シック・オブ・マイセルフのレビュー・感想・評価
全44件中、21~40件目を表示
途中から何を求めて見にきたか忘れてしまった…
さぞかし嫌な気分になれて何度も苦い後味を噛み締められるんだろうとワクワクしながら行ったんですが、うん…、別に…そうでもない…
もっととち狂って大暴れしてえらいこっちゃな展開になると途中まで期待してたのに、時速40kmの公道45kmくらいで走ってた感じでした。
もっとアクセル踏めるだろ!
ウィンカー出さずに左折とかできるよ君は!
ガードレール見たらウィリーするような人間ちゃうんか!
ちゃうかったわ…
残念だよ…
可哀想な私を見てったら!
怪我を負った人やアクシデントに巻き込まれた人は、人々から注目や同情を引く。
それは、特別な才能や正当な努力で注目されるよりも、よっぽど簡単。
彼が世間からちやほやされだした途端、彼女は彼よりも注目されたくて暴走が始まった。
そんな矢先、彼女は夢のような薬を発見!
ロシア製の抗不安薬が、皮膚疾患を引き起こしているというニュース。
さっそく手に入れ、さっそく乱用
その結果、思った通り皮膚疾患が現れた☆
これで原因不明の皮膚疾患と偽って、彼や周囲の人々に同情を集められる!
可哀想な病気の自分を周囲にアピール、SNSに投稿。
さらにメディアニュースに売り込み。
こんなになっても、彼は特に彼女と別れる気配はない?
(結局似た者同士な部分があるのか)
…服用している薬が、抗不安薬という精神に作用するクスリなので、
どこまでが現実でどこからが彼女の妄想か曖昧なのが、
見ている方はちょっと混乱したけど。
この作品、今のSNSやっている人たちは気軽には笑えないよね
主人公はただただ、自分の身体を傷つけて「可哀想な私を見て~」と言ってるだけ。
かわいい私を見て♪ こんな素敵なカフェでくつろぐ私を見て☆
入手困難なもの手に入れちゃってスゴイでしょ!
日々こんな発信する人の状態とベクトルが少し違うだけ。
一歩間違えば彼女のように、と自覚しなくちゃね。
認められたい、愛されたいという欲求が根深い所で狂気と歪みになり、壊...
認められたい、愛されたいという欲求が根深い所で狂気と歪みになり、壊れていく様子を描いているということと、
狂っている当人の悲痛な心の叫びが台詞中で描かれるという点で、宣伝文句にもあるA24の「パール」とよく似ていました。
向こうは連続殺人という手段を用いていたのに対し、
こちらはとにかく人の注目を集めるために、ネットでもリアルでも悲劇のヒロインを自作自演し続け、肉体的にも社会的にも取り返しの付かない事になっていくお話です。
こういう作品を見る度に思うのは、
パールもシグネも狂いたくて狂っているのではなく、愛されなかった経験だとか、周囲の輝かしく生きている人々との比較だとか、何か原因が奥深い所に存在しているはずで、
それを生み出す社会構造の中で生きている私達のほとんどが経験していくことであり、彼女らは本来は特別ではないということです。
(その感情を処理しきれなくなり、度を越した行動を取る点では特別かもしれません)
障害者グループやインクルーシブという福祉用語が出てきますが、物凄く広い意味で捉えるのなら、こういう心の闇を抱えた人も、障害者や病人という名前の付いたカテゴリーには入らないけれど、課題を抱えながら社会での共生を目指していく存在だというメッセージも含まれているのかなと感じました。
Funeral
最近増えつつあるインフルエンサー、もしくはそうなりたい人が承認欲求を拗らせて暴走する系の作品、直近で観たものだと「DASHCAM」「#ミトヤマネ」と国内外問わずそういう作品が生まれてきています。特に「DASHCAM」はそういう人の成れの果てのような姿をこれでもかと映し切っており、そこにホラーも加えるという暴れっぷりには一周回って拍手を送りたくなりましたら、「#ミトヤマネ」はとても中途半端で、日本ではそれ以上のことをしでかす輩がニュースで世間を騒がしてるのもあって、フィクションが現実を超えられてない感じがしていました。
そんなところに自傷行為で注目を集めようとする作品が登場という事で、それは見に行かなきゃという事で鑑賞。ボディホラーなのかと思いましたが、基本的には注目を集めるための行為なので、顔面の崩壊っぷりはそこまで期待しない方がいいです。
この作品、主人公のシグネと彼氏、この2人の普段の過ごし方や他人との接し方に問題があり、彼氏は流石に構わなすぎだし、人の目を気にし過ぎて無意識に自分中心になってるダメな人。
シグネは注目を集めるためならばどんな手段も厭わない本当に危ない人。血まみれのTシャツで街中を闊歩しますし、犬に噛まれようと犬を挑発したりしますし、アレルギーを持っているかのような行動をしますし、挙げ句の果てには違法薬物に手を出して皮膚が爛れてしまったのに、それに対しての注目で喜んでしまうというイカれっぷり。
シグネはそもそも話下手なのか見栄を張った後の対応が杜撰すぎたのもあって見ているのがとても痛々しかったです。何も考えずにとりあえず注目を浴びたい一心で行動しているので基本的に彼女のみ得をしているようで良い意味でイライラさせられました。
印象的だったシーンとしてシグネの人生の最高到達点が葬式だったというところです。生きてる時の功績や誰かとの協力で手にした成果よりも、自分が死後にどれだけ多くの人に讃えられて、死を悔やまれているかという妄想にふけっているシーンは衝撃的でした。妄想の中でも父親や見舞いに来れなかった親友を突き放して気持ちよくなっていたりと、本当に自分中心で動いているなとこれでもかと伝わってくるシーンでした。
顔や体に怪我を負ったり病気をしてしまった人々が集まるセミナーみたいな場所でも自己顕示欲全開で自分の事、彼氏のことをぺちゃくちゃ喋るので案の定追放されますが、やはり同じ立場で無いと喋りたくないというセミナーの面々も凝り固まった考えではあるなと思いました。
同じ立場になって話し出したら聞き入ってくれるというのも、偉ぶってる人も蔑んでる人も受け入れずに同じ悲しみを背負ってる事が必須条件というのもまぁなんと残虐なんだろうなと思いました。
シグネは妄想癖が激しく、現実でどれだけ大変な事になっていようとその妄想にふけっている時だけは自分を保ててそうなのがキツい描写ではありますが、自分も大小問わずあぁすればこうすればと妄想する事はあるので、成功体験のような妄想は自分を見ているようでもどかしくもなりました。
現代のSNSでも注目を集めたいがために炎上まがいの行動をしたり、虚言で人々を翻弄させたりとそういう目立ちたがりが多く蔓延っています。シグネはその最終形で行動に移して他人にも自分にも迷惑をかけるやらかしっぷり、それに対してもっと大きな罰が下ればなと思っていましたが、終わり方はあっさりだったのは残念でした。
インフルエンサーの闇をこれでもかと描いていました。もう少しインパクトが欲しかったかなというのが本音ですが、人となりや普段の過ごし方を見直すには十分な作品だなと思いました。
盗人アーティストってなんなんだ笑
鑑賞日 10/19
鑑賞時間 10:00〜11:45
座席 D-1
「私は生きたい」
高福祉国家の一翼を担うノルウェー そしてアメリカナイズの道を突き進む自己責任の国、日本 しかし結局のところ、その先に待ち受けているのは社会制度とは括れない、人間の原資的欲求である『承認欲求』をデフォルメした寓話的作品である
勿論、寓話なので主人公のバックボーンや思想、社会的願望は盛り込まれていない あくまでも彼氏の彼女に対する愛情希薄による不満や不平 二次的な部分での『トロフィーワイフ』的立ち位置への足掻き、最終的には自分がタクティクスを掴みたいというイニシアティヴの戦いを、バーフェクトに露悪化した作品として構成されている
変にどっちつかずにさせず、偏った造りはいっそ清々しい 綺麗にバランスを取ろうとする友人カップルに対しても攻撃するその姿勢は、観客の共感を得るのではないだろうか
登場人物の全てが利己的で何一つ寄り添わない、その振り切った作品に対して、絶大な賛美を送る
映画はこれ位主張しないと、観客を陥れない どん底に堕とす覚悟を映画界はもう一度戻るべきである!
PS.ちなみにこれだけの妄想シーンを差込む画作りも特質すべきである 観客を裏切り続ける演出は、いっそ面白いし、そして嫌いだ(ということは好きw)
駄作であり傑作
出だしから主人公カップルがロクデナシとわかるエピソード。
次々と襲い来る不快感。
他人から注目を集めるために、自分の身体を傷つけるという思考が全く理解できない。
しかし、山頂から生配信で滑落死したり、コロナ禍でのノーマスクノーワクチン連中や、因縁つけての私人逮捕を繰り返す恐喝連中のふるまいなどを思い返すと、大差ないなと。
承認欲求というより、何物でもないくせに自分が世界の中心じゃないと気のすまないモンスター駄々っ子で、見苦しさと不快感しか存在しない。
SNS依存症や活動家、自爆系迷惑ユーチューバーがいかにクダラナイのかを示していて、「そう感じる風に作っている」と、よくわかる。
不快感への耐性がない人にとっては、まったく面白くないというか、「主人公ら早く死ねばいい」しか感想が出てこないであろう駄作とも受け取られる可能性があるんですよね。
その意味で、傑作ですね。
どこまで妄想?メンヘラ女の話
ミュンヒハウゼン症候群ですか?
やばいってと思いながら、割といるよなー拗らせたかまってちゃん。コメディっちやコメディなんだけど笑えない完璧人格障害ですな。
自助会あたりだと思うのだが、最後がなんかの宗教か?って感じでキモイ。
え、これも妄想?
真性かまってちゃん。
なかなか面白いネタの映画である、新鮮であった。
初めは人気の出始めた彼氏への妬みや、妹設定にいらっと来たのが出発点だったような気がするが、どんどんエスカレートしてアイデンティティみたくなり、自己崩壊(顔と身体だけ)してく話。
落ちは少し緩めだったような気もするが割と淡白な感じが北欧映画の良さ、、という事でまあ許す。
早速決まった次回作はアリアスターがPで着くようだからもっとエグくなるかもね。
ロシア製の薬ってのが笑える。色々信用がない模様。
自分の事よい夢、悪い夢みて、だんだんごっちゃになるところがアメリカ映画と違って淡々としていて好感持てる。アメリカだと絶対音付けたりして盛り上げるよね。
子供の頃「徹子の部屋」に出演するのが夢でいつもシュミレーション、イメトレしてたが私の人生ではどうやら達成出来ない模様。まあ、しかしあの脳内シュミレーションはなんかの役に立っている様なきもする、、、という事にしておこう。
面倒くさい
病名:自己愛性パーソナリティ障害
ある意味自分らしく
シグネは彼氏のトーマスが有名になっていくのを見て、強い嫉妬と承認欲求が増していく。そしてエスカレードしていき、平気で嘘をついていきます。発端となったのは犬に噛まれ血だらけの女性が大衆に注目されているところでした。犬に噛まれることや他のことで試行錯誤するが、失敗が続き、副作用が強い薬に依存し、治療方法のない新しい病気と嘘をつきます。
誰かから注目されたい心理は誰にもあるけど浮き沈みもある。注目されるけど、親友が離れるか?親友との距離を取るか。シグネにとっては究極の選択。インフルエンサーはセンスも大事。
脳内で想像したのと違う結果も多い。
好き嫌い別れるが、内容は斬新で自由な想像ができる映画でした。映画でしか伝わらない話でもあります。依存が時には体をリラックスさせます。
SHOW人欲YOU
凄まじかった。
徐々にエスカレートしていくのかと思っていたら、序盤から既にヤバい。
多少話を盛ったり、都合の悪いことを話さなかったりは誰にでもある。
自分が話の中心でないと我慢できない人や、すぐバレるような嘘を平気で吐く人もいる。
けど、人命がかかった場面であれは…
そして、それでも耳目を集められないとなると、自己の健康さえも簡単に差し出す。
だが、最後に撮影現場で血を流し倒れた時でさえ、全員が自分だけを気にかけることはなかった。
ここの演出はさりげなく、しかし非常に皮肉が利いていて素晴らしい。
主人公シグネの演技と、特殊メイクが圧巻。
夢や妄想が入り乱れる構成も、安易に驚きやミスリードを誘うものでなく、倒錯した精神をよく表していた。
SNSを絡めた“現代の若者”的な題材かと予想していたが、さにあらず。
写真を撮るシーンはあるが、SNSそのものは映されることなく、『承認欲求』などの分かり易いワードも出ない。
このあたりに制作陣の真摯さと、“現代の話”に留まらせない意志を感じた。
惜しむらくは、シグネがモンスター過ぎて共感や「自分もそうなるかも」といった恐怖が湧かないこと。
雑誌の表紙で『盗っ人』と題されていたトーマスは、何故すぐに捕まらなかったんだろう…
なんとも言えない浮遊感😆
話そのものは、深刻で怖いのに、どこかユーモラスで明るいのは、激しすぎる副作用のせい⁉️
どんな薬やねん、と、つっこみたくなりました。
インクルーシブもルッキズムも根本的には同じなのでしょうか。
最後まで明るく逞しいシグネがすごい👍
トーマスが、なぜ逮捕されたのかがわかりませんでした😅
なぜか浮遊感のある映画だと思いました。
不思議さを受け入れられる人向けかな?
私を見て見て病の恐怖
自身が話の中心でないと気が済まない人間は確かにいる。
が、当意即妙の受け答えや話題の豊富さが無ければ
次第に会話から離れて行ってしまうのは自明の理。
本作の主人公はまさしくそうした女性。
自己顕示欲の強さも相当のモノ。
話しを盛るのはお手のもの、
知ったかぶりも当然。時として
大きな嘘さえつくのも平気の平左。
同居しているボーイフレンドが
アーチストとしての芽を出すと、
あろうことかそれを引きずり下ろす発言をするのは手始め。
なんとか自身の話題に持っていこうとするも
先に述べた典型例のため、話は次第に尻すぼみに。
とは言え、大はSNS上で実力を伴わぬ大言壮語を吐き、
しかし次第に消費され話題にも上らなくなることがなんと多いか。
小であれば、自身へ注意を引きたい、かまって貰いたいため、
具合の悪さや詐病をする身内の存在。
昔から有った例かもしれぬが、
情報が簡単に拡散する現代では
甚だしく増加の気配。
『シグネ(クリスティン・クヤトゥ・ソープ)』は件のボーイフレンドに認めて貰い、
世間の関心をも引くため
激しい副作用の薬を意図的に服用、
顔が崩れ、体調も壊す中、
一時の耳目を確かに集め、承認欲求も満たされる。
とは言え、その後は規定路線。
素行はエスカレーションし
ついには身体の不調も増大。
それに反比例するように周囲は去って行き、
それでも自分に都合の良い妄想は止まることを知らず。
やがてにっちもさっちも行かなくなった彼女に
どうした選択肢が遺されるのか。
上映時間97分の短尺ながら
センセーショナルな盛り上がり多く、
物語りは起伏に富む。
冒頭の、主人公が世間の注目を浴びる快感に目覚めることと
その手法を理解したシーンから
もうスクリーンから目が離せず、
監督の語り口に一気に引き込まれてしまう。
『クリストファー・ボルグリ』の前作
〔わたしは最悪。(2022年)〕はイマイチも
今回の出来は素晴らしい。
『カーロ・ミラベラ=デイヴィス』による〔Swallow スワロウ(2021年)〕は
異物を食べまくる「異食症」の結果としての
妻や母性からの解放を描いたが
それとは真逆の、しかし驚嘆すべき一本。
犬を虐めちゃいかんね
私が、私を、私は…
自分を見失わないように
全44件中、21~40件目を表示