「底辺10高さ6の直角二等辺三角形」不思議の国の数学者 Bacchusさんの映画レビュー(感想・評価)
底辺10高さ6の直角二等辺三角形
超一流進学校に通うの数学が苦手な落ちこぼれ君が脱北者の警備員に数学を教えて貰うお話。
普通の公立高校ならトップクラスだけれど、この学校ではビリ争いの転校を推奨されるレベルなジウ少年が、夜間警備員に数学教えて下さい!となり巻き起こっていくストーリー。
脱北者ということを隠している様子は微塵もない、というかバレバレな人民軍。そういえば数学者ってことも隠している割に頼まれてもいない宿題も勝手に…w
カンフーではないけれど、何だかジャッキー・チェンの初期の作品の様な師弟関係ですこと。
なんて思っていたら、あっという間にお勉強もピタゴラスアワードも終了して何だかフランク中佐とチャーリーですか?
そんな有りがちな映画を組み合わせた様な作品ではあったけれど、解答ではなく過程が大切と、数学以外に繋がる本質をみせる作品で、とても面白かった。
もちろん、10cmの辺のどちらかの角が90度である三角形はどんな高さの直角三角形もあります。
しかし、10cmが斜辺となる(つまり10cmの辺の両側でないような角が90度となる)ような直角三角形を考える時、10cmの辺を底辺としたら、高さ6cmの直角三角形は存在しません。6cmに限らず高さが5cmより大きな直角三角形はできません。で、その最大の5cmになるのが直角二等辺三角形の場合です。
中2か中3の図形で習うやつに「円周角の定理」というのがあります。「円周角は中心角の半分」というやつです。半円の中心角は180度なので、半円の円周角はその半分の90度です。
例の三角形で考えると、10cmの部分が直径となる円を考えて、その辺を底辺とすれば、高さ6cmの時、頂点はどこにあっても円の外側にはみ出すことになります。頂点が円の外側にあれば、その角は90度より小さいので、直角三角形にはなりません。
図を書けば一発なのですが、頑張って説明してみました。
すみません。訳のわからないような書き方をしました。このレビューの題名に「直角二等辺三角形」と書いてあったので、ただの直角三角形(二等辺ではなくてもの意味)でも底辺(斜辺)が10cmで高さ6cmとなるような三角形は存在しないという意味でした。だから、たぶん、映画でもただの「直角三角形」としていたのではないかと思った次第です。
三角形の面積、俺もすっかり騙されました。「図を描くの、下手だな」とか思いながら、「30でしょ」と頭の中で答えていた自分は、映画の残りの時間じゅう、外の廊下でバケツを持って立ってました。