「【"リーマン予想。"脱北した天才数学者と落ちこぼれの男子高校生の交流を描く。天才数学者が秀才たちにスピーチする姿は受験戦争に警鐘を鳴らしながら、勉強する本当の意味を伝えた素晴らしきシーンなのである。】」不思議の国の数学者 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【"リーマン予想。"脱北した天才数学者と落ちこぼれの男子高校生の交流を描く。天才数学者が秀才たちにスピーチする姿は受験戦争に警鐘を鳴らしながら、勉強する本当の意味を伝えた素晴らしきシーンなのである。】
■各校の上位1%が集う全寮制の名門校に通うジウ(キム・ドンフィ)は”特別枠入学”(母子家庭や、経済的に恵まれない家庭の生徒の入学枠)であるからか、授業について行けない。
ジウは校則を破った相部屋の級友たちを庇い、独り寮を一カ月放逐される。
家に帰っても、母親に本当の事が言えず古い建物内に隠れるが、そこは夜間警備員ハクソン(チェ・ミンシク)のねぐらでも有った・・。
◆感想
・ジウが寝過ごした時に学校に持っていった数学の先生が作る超難問(画面を観ていたが、サッパリ分からず・・。)の数々に記されていた数式と答え。
ー そりゃ、驚くよね。そして、ジウはハクソンに”数学を教えてくれ”と頼むがツレナイ答え。だが、ジウが父が青信号を渡っている時に事故に遭い亡くなった話をすると、ハクソンはジウに数学を教え始めるのである。後半、明かになるハクソンの過去をさり気無く表現しているのである。-
■ハクソンの独特だが、素晴らしき教え方
・正解のみを追い求めるのではなく、答えを求める”過程”が必要。そして、難問にぶち当たっても諦めずに根気よく解き続ける”勇気”が必要だと諭す姿。
ー 受験スキルのみを教える愚かしき担任とは、真逆の教え方である。
そして、これは仕事でも言える事なのである。
結果は勿論大切だが、その結果を出す”過程”や”諦めない努力”を重視するハクソンの視点には大きく共感する。ー
・構内で受験問題漏洩が起き、愚かしき担任はそれを転校を進めていたジウに責任を被せようとするのである。
ー だが、ジウが持ち出そうとしていたモノとは・・。-
・ジウの事が好きなピアノが好きだった、ポラムも受験第一主義の母親に反発し、ハクソンの元に来る。
ー ポラムとハクソンがπ(3.1415・・)の数字を音符化し、連弾するシーンの美しさよ。
そして、ハクソンが何故イチゴ牛乳を毎日飲んでいたかも分かって来るのであるー
・一方、数学の超難問の一つであるリーマン予想を解明したとして、脱北したハクソンの業績が認められ、色めき立つ北の高官たち。
そして、夜間警備員ハクソンが実は世界的天才数学者である事が、徐々に明らかになっていく。
■そして、校内の期末試験発表の際に登場したハクソン。壇上には幼き頃に数学で競った南のライバルや校長たち。
今や、皆がハクソンの業績を知っている中、彼は満員の秀才たちに語りかけるのである。
”私は、自由と学問の自由を求めて”南”に来た。
だが、”南”も数学を受験の道具としてしか使っていない・・。試験の結果ではなく、勉強した過程や努力が大切なのです・・。”
そして、ハクソンはジウの漏洩疑惑もさり気無く明かすのである。
可なり沁みた含蓄溢れるスピーチ内容であり、チェ・ミンシクの圧倒的な演技が炸裂するシーンである。
<今作は、ややストーリー展開が粗い部分もあるが、それを吹き飛ばすメッセージ性が素晴しき作品である。
数学を学ぶ魅力をハクソンが伝えるシーンや、黒板に書かれた数式の美しさにも、魅了された作品である。(内容はサッパリ分からなかったが・・。オカシイなあ、数学は得意だったのに・・。そうか、私は受験のための数学を勉強していたのだ・・、と反省する。)
今作は、学ぶ事の意義の”本質”を描いた素晴らしき作品なのである。>
> 現代国語は一番でした。一度だけ
うわ、すごい。高校生の時、この一覧に氏名が出ている100番までの人たちって、ホントに生きてるんだろうか? と真剣に思ってた俺です。