「チーム」ワイルド・スピード ファイヤーブースト U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
チーム
集大成の前半だった。
このシリーズの根幹ともいうべき「車」と「仲間」がガッツリ描かれる。
シリーズ10作目と節目の作品なわけだが、まぁ錚々たる面子が登場する。そして一切かすまない構成は気持ちがいいしブチ上がる。
その都度アクションがあるのに辟易する人もいるかもしれないが俺的には大好物だ。
物語は10年前から始まって、しっかりブライアンが出てくるのも胸が熱くなる。
モモア演じる敵役もいい感じな壊れっぷりだ。
とにかくカーアクションがエゲツない。
もはや最高峰と言ってもいい。他の追随を許さない程のこだわりとクオリティだ。
いちいち絵がキマるし、チェイス中に挟まれる台詞がこれまたイカす。
レティがバイクでチェイスに参戦するのだけれども、これがまたクソカッコいい!スタントチームはやり甲斐しかないんじゃなかろうかと思う。
ただ…元の台詞がダサいのか、和訳のセンスのせいなのかは分からないけど時々やり過ぎる感じはあった。
なのだが、兎にも角にもスーパー楽しい。
時々挟まれるシーンに過去作へのオマージュも感じつつ、場所が変わる毎に章が変わるみたいでテンポもいい。
今作はやられっぱなしと言う訳でもないのだが、押されっぱなしな感じだった。チーム・ドミニクが集結に至るまでとでもいおうか、まだまだ攻勢には転じておらず、防戦一方だった。
その中でも、レティとサイファのサイドストーリー的なアクションがあったり、この後共闘する事になるのだろうが、殴り合った後に信頼関係が生まれるとか、昭和的な発想にゾクゾクする。
表面上はクレバーなハンの立ち位置も好きだ。
ラストになりダムに誘い込んだってのは少々無理がある設定でもあるのだが、この時のドミニクの台詞がとても好き。
本編では「俺から車を奪えてない」だったかな?予告編では「俺にはまだ車がある」だったように思う。
もうこの台詞が示す通りなのだ。
車に乗るドミニクは無敵なのだ。
彼は本編で2回程「任せろ」と言う。どのシュチュエーションも「何を!?お前どうするつもりなんだよ!?」とツッコまずにはおれない。
なのだが、その窮地を彼は打破する。車を駆使して。…もう、この車との一体感というか相棒感がたまらない。
彼にとって車は絶対的に応えてくれる存在なのだ。
おそらく手足よりも器用かつ繊細に操れるんじゃなかろうかと思う。
それを今作はとことん堪能できる。
ラストは決壊するダム。
ドミニクはそのダムを車で駆け降りて…ここの描写がまたたまらないのだけど。ドミニクの意思がそのまま車に伝わるかのようなショットがあって、横位置で炎に半ば飲まれながらも振り切るショットとか…大好き。
押し寄せる大量の水に、車つまりは相棒を失ったドミニク達はどうするのか?
みたいなとこで、アラスカのレティのシーン。
分厚い氷を割って潜水艦登場。
いや、まさか、潜水艦で助けに行くのとか思い、どんなシチェーション?と混乱もするのだが、本編はここで終了。
ここに至り、「あ、前編なんだ」と気付く。どおりで終わりそうな雰囲気がなかったはずだ。
分散を余儀なくされたチーム・ドミニク。
後編はアノ人も参戦しそうで、仲間はドミニクの元に集結し、一転大攻勢を仕掛けるのだろうとワクワクする。
車で闘う。
このコンセプトを1ミリもズラさない本作は非常に楽しみで、爆音轟く後編に期待せずにおれない。
シフトチェンジのカットが超絶カッコいい。
またいいタイミングでいいアクセントで入りやがる!