「魁!!ワイスピ塾」ワイルド・スピード ファイヤーブースト Equinoxさんの映画レビュー(感想・評価)
魁!!ワイスピ塾
冷静に考えると現実的にあり得ない描写のオンパレードをノリと勢いで強引に納得させる力と疾走感は今作も健在。考える隙も描写を疑う暇も与えない勢いで次から次へと手に汗握る展開のラッシュを叩き込んで来ます。そしてそれらを裏打ちする様にほんのり説明される謎の理屈付けはまさに民明書房であり、そして死んだはずのあのキャラが実は生きてたぜ!と蘇るのもまた魁!!感があります。※意味がわからない方は「魁!!男塾」という漫画を読んでみてください。
私は映画はストーリー重視で観る為、矛盾だらけだったり意味不明な展開だったりが多いと萎えてしまうのですが、Fastシリーズくらい魁!!な方向に振り切ってしまうと最早気になりません。今回もストーリーはオマケであるかの如くひたすらどっかんどっかん爆発し、何処までがCGで何処までが実車なのかわかりませんがガンガン色んなものがぶっ壊れます。細かいことなんかどうでもいい、この派手派手な絵面が観たいんだろ!?と言わんばかりの展開のラッシュ。まさにこれこそFastシリーズの醍醐味というところでしょう。
だからといってストーリーがプアかというとそうでもなく、シリーズの終わりに相応しい展開が続きますので(色々ツッコミどころは満載ですが)、十分楽しめると思います。そして前作のラストでハンとデッカードが邂逅するシーン、あの続きから始まるのかと思いきや忘れた頃に劇中の途中に繋がります。ここでそれに繋がるのか!という絶妙な繋がり方。シビれます。エンディング時のホブスも次作の途中に繋がるんでしょうか。ロック様はヴィン・ディーゼルと共演NGでもうFastシリーズにも出ないなんて話もあったし実際最後のそのシーンまで出て来なかったので諦めかけてましたが、出てきてくれて嬉しいです。今後、彼も絡んでどういう展開になるのか楽しみです。ホブスが出るだけでドムとの絡みはないのかなあ…。
ただ、今回はドムがほぼほぼ自力でどうにかする展開ばかりで仲間と力を合わせて難局を打開するみたいなのがほぼなかったのでその辺は残念でした。2部作(3部作?)の序章なのでそうやってピンチを演出することで、その後の仲間が揃った時のカタルシスにつなげるのかもしれませんが、それはこの先次第ですね。
それにしてもラストの終わり方、おいおいそこで終わるのかよ!!って感じで早く次回作を観たいのですが、どうやら来年になってしまう様子。次作が最後なのか、三部作に変更になるなんて話もありますが、とにかくこのFastシリーズの終焉が近いのは間違いないと思うので、このグランドフィナーレを期待して待ちたいと思います。
序盤に過去の振り返りとして件のFast Fiveの時の金庫強奪シーンがあり、ポール・ウォーカーさんが出てくるのですが、本当に惜しい方を亡くしたなと改めて思いました。彼が存命だったならどんなFast Xになっていたんでしょうか。歴史にIFはありませんが、序盤の映像を観て色々考えてしまいました。