劇場公開日 2023年5月19日

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「劇中の死者は蘇っても、ポール・ウォーカーだけは戻って来ない」ワイルド・スピード ファイヤーブースト tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5劇中の死者は蘇っても、ポール・ウォーカーだけは戻って来ない

2023年5月19日
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これまで「ファミリー」の絆を描いてきた本シリーズだが、今回は、冒頭から「父親と息子」の話であることが分かる。
しかし、印象に残るのは、父親のドムよりも、叔父(ドムの弟)のジェイコブとドムの息子のブライアンの逃避行で、ジェイコブが前作では敵だっただけに、いつか裏切るのではないかとハラハラしつつも、優しくブライアンに接する姿にホッコリさせられた。
こうした、手強い敵が心強い味方に転じる展開は、本シリーズの十八番だが、シリーズを通じて最大の敵と思われたサイファーが、開始早々に転がり込んでくるくだりには驚かされた。
今作では、ジェイソン・モモアが、憎々しい敵をケレン味たっぷりに好演しているが、ついつい、「どうせ、こいつも、いつかは味方になるのだろう」という目で見てしまうのは、本シリーズゆえの難点なのかもしれない。
ラストで、過去に死んだと思っていた人物が、潜水艦に乗って再登場するが、これについては、レティやハンの前例があるだけに、特段の驚きは感じなかった。エンドロール直前のホブスの再登場にしても同様である。
それどころか、いとも簡単に死人を生き返らせるシリーズなだけに、ポール・ウォーカー演じるブライアンだけは決してスクリーンに戻って来ないということが、一層寂しく思えてしまった。

tomato