「ナメの映像が素晴らしい!」岸辺露伴 ルーヴルへ行く かもしださんの映画レビュー(感想・評価)
ナメの映像が素晴らしい!
荒木飛呂彦サンが描いた人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けない」のスピンオフ漫画「岸辺露伴は動かない」をドラマ化したNHKの番組を映画化したものなんですが…。
いやぁ、実相寺監督を彷彿とさせる撮影技法のオンパレードでしたよ♪
ほぼ9割近くが舐め(物や人物、壁などを手前に映し込ませて被写体を撮る技法)の絵で構成。
そして壁や天井、床の側ギリギリから撮ったショット。
おまけに被写界深度を浅くした(ピントを被写体だけに合わせて周りをぼかした)撮影を随所で敢行。
こんな手間のかかる撮影をルーブルでも行っているんだから、ただただ驚かされました(・・;)
撮影はNHKドラマでもその手腕を如何なく発揮していた山本&田島コンビ!
ドラマではここまで実相寺監督を彷彿とさせる映像を使ってはいなかったんですが、映画という事で力が入っちゃったんですかね(^◇^;)
まぁ、結果として良かったと思います。
中身の方は、漫画やドラマのスピンオフという事で岸辺露伴のヘブンズドア(対象相手を書物化して過去や考えている事全てを文字化する)という能力や、過去絡みの物語を説明する台詞と描写が仇となり、少々かったるい展開になってしまったのが残念でした。
45分で構成されたNHKのドラマに慣れたファンには冗長に感じる作品になっていたんじゃないでしょうか。
個人的には撮影だけで大満足だったので、ドラマ展開の不備はさほど気になりませんでした。
しかも、ルーブルや岸辺露伴の家として使用されている加地邸は勿論の事、露伴の過去シーンで利用された向瀧旅館
といったロケーションが圧巻すぎて感無量でした。
映画の作り出した世界に没頭できる文句なしの空間が描き出されてましたよ。
それを観るだけでも価値のある映画だと感じました♪