「ミステリーものとしては、まずまず。」岸辺露伴 ルーヴルへ行く talkieさんの映画レビュー(感想・評価)
ミステリーものとしては、まずまず。
本作中での話題の中心とされている「世界で最も黒い絵」の秘密も、とどのつまりは、才の故に作家自身の身に降りかかった不幸とも言うべきことだったようです。
〈彼が、理想とする黒色を求めて、タブーにまで手を出してしまったのは、彼自身の才のなせる技であったことでしょう)
そのせいか、評論子は、徒然草の次の一節を思い出しました。本作を観終わって。
「因幡国に、何の入道とかやいふ者の娘、かたちよしと聞きて、人あまた言ひわたりけれども、この娘、ただ栗をのみ食ひて、更に米の類を食はざりければ、「かかる異様の者、人に見ゆべきにあらず」とて、親許さざりけり。」
一見すると、異食癖の娘を恥じた両親の話と受け取られ勝ちなのですけれども。
しかし、より有利な求婚の条件を求めて娘を「売り惜しみ」する両親の欲の醜さが、兼好の眼には、はっきりと見えてしまっていたようです。
その点が、「惑いの上に酔いをなし、酔いの上に夢をなす」(前同)のような凡人である評論子などとの物の見え方の違いなのだろうと思います。
そういう意味では「出る杭は打たれる」ということは、洋の東西を問わない事象なのでしょうか。
そんな感慨を受けた一本になりました。
地元の方々で組織している名画を観る会の主催によるホール上映会で鑑賞しました。
評論子自身は、もともと事前にこの作品についての知識があったわけでもなく、本作の原作漫画や、そのアニメ化作品などには一切見ていませんし、評論子はそれらのファンでもなく、ただ地元映画サークルの取り上げた作品ということで、鑑賞することにした一本でした。
そういうことで「岸辺露伴」については、別段の関心や好悪もない中での鑑賞となりましたが、まぁ、心理ミステリーの一本として割り切って観ることができれば、それはそれなりの出来では、なかったかと思います。
良作としての評価が相当と思います。
talkieさん
初めまして
フォローをありがとうございました。
どうぞ、宜しくお願い致します。
この作品、ルーブル美術館での撮影というので
観てみたのですが、ホラー仕立てで怖かったですが
後半は、切なさで涙も出ました。
映画サークルに入られているようですね。
名画の数々、これからも お楽しみくださいね。