「ハンカチやタオル必須。誰かと行く事に意味がある作品。」映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ 毬香さんの映画レビュー(感想・評価)
ハンカチやタオル必須。誰かと行く事に意味がある作品。
すみっコぐらしは元々好きですが1作目、2作目はサブスク視聴&大人ひとりで行くのに少し抵抗があり高校生の妹と見に行きました。
公開終了日間近だったのもあり劇場内は数人ほど。勿論親子観客もいました。
すみっコぐらしが好きなのとタオル1枚濡れるほど泣ける内容なので今回は星5評価です。
【ちょっとした内容と個人的ストーリー感想】
内容はしろくまメインです。過去に関するシーンも複数回あるのでファン必見モノ。しろくま家族がとにかくもふもふだった……。序盤から癒されました。
その癒され要素も中盤から薄れ後半のカーチェイスでは子供が「怖い」と言ってしまうような雰囲気に。
個人的に苦しかったところは工場がブラック労働に変わっていってしまうところ。人間世界では生産数とノルマの増加、社内評価があってその世界に慣れている筈なのに子供向けに純粋に描かれているため尚更苦しくなります。特に残業シーンは胸が締め付けられました。
「自分の事を待ってくれている仲間がいるんだね、よかったね」
と言いたくなります。
すみっコの世界観とは思えない黒さがにじみ出ていて現実の自分と好きなキャラクターが同じ立場にいることに苦しすぎて涙が出ました。
おもちゃが町に増えるシーンは今までの公式ストーリーにいたキャラクター達(さとう店長etc…)もいたりしてホラーシーンに少しの癒しを足した
「分かっているからこそ興奮する!!!!!!!」
という感じでした。エンドロールもそんな感じです。
後半メインがこのシーンと言うだけあって少し時間が長く感じました。ですがカーチェイスシーンに持っていかれるので文句なしのハラハラ加減です。
【今作のテーマについて】
「壊れたから使われない、捨てられる」という現代社会ではよくありがちな無駄な大量消費・生産について大人としても、親に「おもちゃは大事にしようね」と教えられる子供としても両方考えさせられるテーマでした。
キービジュアルの「ここにいてもいいのかな?」
というのに繋がっているのかな?そんな感じがします。
おもちゃだけじゃない。食べ物(すみっコで言うとんかつやエビフライのしっぽ)、建物(作中ではこうじょう)………全てに言えること。
それに対してキャラクターたちがそれぞれ自分たちで訴えられるものがあるからこそこの映画が作られているのかなと思います。
【周りの鑑賞後の様子】
親子の観客は鑑賞後子供たちが「かわいかったー」という感じでしたが大人たちは内容の暗さやラストシーンとエンドロール後もあるせいか「うっっっ…………」「泣けたよ…………」という雰囲気。私もその1人でした。
妹も「面白かったー」ぐらいでしたが泣きすぎと考えさせられるシーンが多すぎて普通に笑えませんでした…笑
大人1人で行くのももちろん面白いと思いますが子供や家族といった人と行くと今作に対する見方や感想がそれぞれ変わるのでそういう面でも勉強になる一作でした。
サブスクリプションのシェアプレイでも楽しめるような作品。配信が待ち遠しいです。