「丘の上にある本屋さんは出会いと別れの場。この本屋さんを舞台に、様々な人の人生のささやかな交流の一コマが描かれていきます。」丘の上の本屋さん もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
丘の上にある本屋さんは出会いと別れの場。この本屋さんを舞台に、様々な人の人生のささやかな交流の一コマが描かれていきます。
ボスターの図柄がとても良い感じ。
古書店の爺さんと少年の交流を描いた作品…うん
なんか良さそうな雰囲気なので鑑賞です。
丘の上で本屋を営む友人=リベロ。
年齢経歴不詳。…お年寄りなのは間違いない。
営業開始と同時に店に駆け込んでくる男。
ごみの中から拾った本を買い取れ と言う。
男の言い値を値切りつつも買い取るリベロ。
店番のかたわら読み出す。
1957年頃から始まる、若い女性の日記らしい。
今の生活から抜け出したいと願う内容だ。
※そんな昔の日記がゴミに捨てられるとは思えないので
日記風の物語なのかもしれませんが、正体は不明です…
店番のかたわら、読み進めるリベロ。
繁盛しているようには見えないのだが
彼の店には色々な人がやってくる。
・隣のカフェの店員の男
⇒ 一人で店番をするリベロを気にかけ、頻繁に本屋にやってくる
のだが、その理由は他にもあるようだ。
カフェより本屋にいる時間の方が長い男。 (仕事しましょう)
古書店に現れる女性客が気になっているらしい…
・コミックを探している若い女性
⇒ 勤め先の奥さんに頼まれて「コミック」を探している。
ネットで探せば良さそうなものだが
自宅に届いたら「マズイ」 ものらしい。 何か 気になる…
・かつて自分が著した本を探す男
⇒ 他人に気前良くあげたり貸したりしていているうちに
気がつけば手元に一冊も残っていないという…あらま
買い戻すべく探しているというのだが…
・店先に現れた少年
⇒ アフリカ系の移民の少年。
読み書きはできるが本を買うお金は無いようだ。
そんな少年に、リベロは本を貸し与えるのだが…
で、この少年とリベロとの交流をメインに話は進む。
貸した本を読んでどう思ったか 毎回問うリベロ。
少年は感じたことを言葉にし、リベロが意見を添える。
そんな事を重ねていく毎日。
貸す本の内容も、徐々に難しい内容に変わるのだが
少年は苦にならないようで、きっちりと読破していく。
途中からリベロにとって、
何を貸そうかと考える事や少年との読後の会話が
生きがい・楽しみになっているようで
少年の来訪を心待ちにするリベロ。
ある日、リベロがいつもの時間より遅くやってくる。
病院に寄って検査の結果を聞いてきたためらしい。
「どうだったのか」と気にかけるカフェの男に
特に問題があったとは伝えないリベロなのだが
多分どこか悪いのでは? との予感が…。 あー
と、まあ
お話は全体的にゆるい展開で最後まで続きます。
登場人物の「探しもの」や「願い事」がどうなるのか
何よりもリベロと少年の交流の行き着く先はどうなのか
そんな事を想いながら暖かく見届ける内容です。
私には、色々と心に沁みてくる作品でした。
まあ、観て良かった。
◇あれこれ
■リベロが少年に貸した本
・まんが ※ディズニーの作品
・イソップ物語 ※肉をくわえた犬の話
・ピノキオ ※子供向けの本では読んだかなぁ
・白鯨 ※挫折した記憶のみ…
・星の王子様 ※プチプランス( TVアニメ)は観た かも
・伝記(シュバイツァー) ※偉人全集とかに出てくる人
・発禁本 ※まだ早いとダメ出ししてました…。 気になる
※他にもあった気がしますが…。
■原題
「 Il diritto alla felicità 」を訳すと (グーグル先生 ^-^)
「幸福への権利」 との結果でした。
リベロが最後に少年に贈った本のタイトルが
「世界人権宣言」 だったのですが、
その理由がなんとなく分かったような気がします。
※リベロが少年に貸した本は、少年向けが多い中
最後の1冊だけが浮いている気がしたのです。
「君には幸せになる権利がある」
こう伝えたかったということなのでしょうか。 はて
■ルイーダの酒場
は、ドラゴンクエストの世界の話ですが
この古書店みたいに沢山の人が集まっては去っていく姿に
「出会いと別れの酒場」 という言葉が浮かびました。
(この映画では、酒場ではなく 「古書店」 ですが…)
■人生の交差点
人と人とが出会い、行き過ぎていく場所。
この本屋は、色々な人にとっての交差点のような場所で
そこで起きる、何気ない人生の1ページを描いた作品かも。
…そんな事を考えていたら
「人間交差点」(作:弘兼憲史) という80年代の漫画作品が
頭に浮かんできました。
読んだ当時、とても印象に残った作品です。
※と、書いてはみたものの。。
良く考えると「丘の上の-」 と比べる作品では無いかなぁ… ・_・
◇最後に
この作品、派手なイベントも演出も無いので、
観る人によっては退屈に感じる気もします。
(ワタシも少し眠くなったりは…ごにょごにょ)
ただ、リベロが他者(特に少年)に向ける
「眼差しの優しさ」に共感できるのであれば
鑑賞後にじんわりと暖かな気持ちになれる作品なのかも
そんな風に思います。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
おはようございます😃
ひとりぼっちに共感ありがとうございます😊
本作雰囲気いいですね。本好きは
楽しく観れますね。少年に貸した本、私もチェックしてました。
また観てみます🦁
またしてもの「観なきゃ損します!」な
レビューに劇場に向かいました!
もりのいぶきさんのオススメは絶対ハズレません!
私にとってもりのいぶきさんはリベロ的存在でございます!ただただ感謝⭐️です
コメントありがとうございます。私自身、小学校から高校まで司書の先生に恵まれたかと言えば中学から高校まででした。小学生も必要だと思います。学校によって異なるのは本当にいけない!
こんばんは
共感ありがとうございます。
きっと最後の本の意味はそうなんでしょうね。
エシエン少年をとりまく環境を考えたリベロが、困難を乗り越えるときの指針になるようなものを彼に与えたかったのだと。。。📖