「ディストピアが狭い」劇場版 君と世界が終わる日に FINAL Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)
ディストピアが狭い
観てから3か月も過ぎてから、フッと思い出して投稿しました。
話がいくら進んでも、パンデミックに必須のヒリヒリ感があまり感じられなかった。それは没落した世界の復活あるいは変容の鍵を握るユートピアの塔と、ワクチン研究所の雰囲気があまりにショボかったのが一つ。塔は街中によくある展望塔だし、研究所も区役所の出張所が入ったビルぐらいで、そこにサイコパスだが情けない研究者(……ごめん)とパワハラだらけの所長と、あとは無個性な医療関係者がちょこちょこといるだけ。結果、堀田真由が埋没してしまったとさえ見えた。
彼や彼女含む無数の生命を救えるかどうかが、ドラマの命題のはずなのに、研究所に侵入したチームの個人的事情や境遇に焦点が当たり過ぎて、悲壮さにスケール感が感じられなかった。俺とお前の闘いではないはず。
やはりフェンスを破って押し寄せたゾンビ群に、ワサワサと囲まれたいじゃないですか。のけ反ったゾンビに顔の近くまで迫られたいじゃないですか。その上で、せっかくそこから抜け出たのに、人間の本当の敵はやはり人間だったみたいな絶望感を味わわせてくれていたらと感じました。学園ものの濃度を少々、アップしたほどの緊迫感に留まった感じでした。
テレビドラマや配信の宣伝はほんの少し見ていましたが、垣間見ただけでも、悪夢のようなゾンビ襲来があり、血が流れるのじゃなくて、流れた血が顔にこびり付いた、悲壮な間宮響がいたと思うのですが。
共感そしてコメントありがとうございます。
私も“ゾンビ映画“と書いてあるのに、ゾンビは殆ど
出てこないで、ワクチン開発と、抗体を持つ(?)ミライちゃんの
奪い合いと、間宮響の父親愛の話でしたね。
本当に映像がチープでしたね。
アクションもショボくて拍子抜けでした。
そんな中でも熱い気持ちを持ち続けている座長・竹内涼真が輝いて見えました。