劇場公開日 2023年5月26日

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「ほぼ前作の続きで、前作からのファン枠という点に注意。」THE WITCH 魔女 増殖 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ほぼ前作の続きで、前作からのファン枠という点に注意。

2023年5月27日
PCから投稿

今年171本目(合計822本目/今月(2023年5月度)28本目)。

少し前の投稿で、この映画の「予告編」を見て、前作(ノーマル版)を見ないとついていけないかも、ということでノーマル版を映画館で見てから本作品に臨んだのですが(それでもはりぼて。ちなみに、現在ではネットフリックス契約者等は無料で見られます)、その「はりぼて」では厳しいものの、逆にそれでも「はりぼて」でもやっているかどうかでは大違いで、実質的に「前作からの続き物映画」で、いわゆる「自己紹介パート、前作の振り返りパート」等ないに等しいので、???な展開はかなり続きます(かつ、旧作が去年とかというものではないので、忘れている方も相当いらっしゃるんじゃないかなぁ…)。

韓国映画といえば、アクションものにせよ歴史ものにせよ、趣旨がわかりやすいか一ひねり程度のもので、それをうまく見せるかという「わかりやすさ」に重視を置いた映画が多かったかなという印象ですが、本映画に限ってはそれは通用せず、旧作を何度も見たとか(ただし、旧作の公開は4年前だったらしい)、VOD等で何度も見ましたとかというのでない限り、独特の固有名詞が飛び交うのでかなり厳しく、2時間を超えるので、どうにもわかりにくい部分が多いです。

ただ、それでも後半、「確保すべきターゲット」がわかった後の複数陣営によるいわゆる「確保戦」(奪還戦というのが正しい?)になると実質アクションものになるという部分もあり、後半はかなり見やすいです。また、映画内で示される通り、舞台は済州島ではありますが、済州島独自の文化に関する理解もあまり求められないところは救いです(この点を論点にする映画もあるので。おもに朝鮮戦争を描いた映画等)。

 いかんせん過去の作品の公開が古く、韓国映画としてはあまり例のみない「大規模プロジェクト」か何かに指定されているのか、序盤から耳慣れない語句が出てきて???になるのは避けられないので、過去作品を合わせて公開している映画館(シネマート等)か、VOD等での復習は必須かな、というところです。

 採点に関しては下記を考慮しています。

 (減点0.3/不動産の物権変動の対抗要件の違いと詐欺強迫取消しの理解)

 ・ 日本では177条で、「当事者では有効でも登記をしないと第三者には対抗できないから登記しましょう」というものですが(だから、実際には普通登記はされます)、ドイツ民法を採用した韓国では「不動産の物権変動は登記をしないと効果なし」(韓国186)で、日本とは若干解釈が違います。

 したがって、不動産をよこせだの何だのと契約書をおしつけても何らの効力もなく(登記しないとダメなのだから)、また日韓ともに微妙に条文は違いますが、詐欺・強迫による意思表示は取消可能なので(ここは日韓共通。日本民法では96条以下)、何ら意味がなかったりします。

 ※ なので、「当事者間ではとりあえず有効」であっても、詐欺強迫がある場合はそもそも取消しを主張されるという意味においては「日韓ともに同じ結論」になります。

 この部分はその説明が何もないので、強迫詐欺によっても契約書を取ってくれば有効に成立する(実際に登記ができるか(日本でいう法務局にあたるところ)とは別)と勘違いされても仕方がないように思います。

yukispica