「ゴジラはこたつで丸くなる。」ゴジラ×コング 新たなる帝国 レントさんの映画レビュー(感想・評価)
ゴジラはこたつで丸くなる。
山崎監督のゴジラの興奮冷めやらぬ中で自分にとって今更ハリウッド版大味ゴジラを見る必要もないなと思いながら時間があったので鑑賞。
アメリカンモンスターとジャパニーズモンスターがタッグを組んで強大な敵に挑む。さながら日米同盟よろしくで中国と戦争おっぱじめようってことですかい、そういえばあの悪役のボスコングは習近平に似ていたな、似てないか。でも、もう少し冷静に考えた方がいいよ。どう考えたってアメリカに利用されてるだけなんだから、もっと外交に力入れてくださいな。これじゃあコングの方が全然賢いってことになるよ。
さあ、いざ鑑賞。あれ、スクリーン間違えたかな。これは猿の惑星じゃないか、コングは巨大生物だけど周りのサルたちも同じサイズで比較対象できないから、普通にサルの群れを見ている気がする。大きさを測るためにもセブンスターの箱でも横に置いといてほしいもんだ。
やっと仲間を見つけたコングだったけど、かわいらしいミニコングはやさぐれていて全然かわいくない。そのおやじコングは笹野高史そっくりの下町にいるような頭禿散らかしたしみったれたおやじだ。
ミニコングに連れられて行った猿の集落はまるで半グレ集団のすみか。その親分はチェーンを振り回すいかにもガラの悪い不良ざるだ。コングの差し歯を見て小ばかにして笑ってるシーンを見て一体私は何を見せられてるんだろうと思った。
猿の惑星での内紛が勃発し、冷凍怪獣に右腕を負傷させられたコングはランボーよろしくなわばりに張り巡らせた罠で何とか逃げおおせる。ちなみにコングがせっせと罠を仕込んでる姿は見てみたいもんだな。
もはやコングは満身創痍の状態。しかしモナークのAIはこの事態をあらかじめ予測してコングアーマード計画を実施していた。ご丁寧に右腕アーマーには凍傷の治療薬まで備えられており、まるで今回の事態を予測していたかのようだ。
なんだ、猿の惑星じゃなくてアイアンマンだったか、にしてはロバートダウニーJrは知らぬ間に毛深くなったもんだな。
もう正直見ていてどうでもよくなってきた。コングは巨大猿として単一個体だから存在に価値があったけど、ここまで大勢偽コングが出てきちゃあデフレスパイラルが止まらない。ストーリーも古代文明の言い伝えとか何でもありなのもこの手のハリウッド冒険活劇ではやりつくされていて、おなじくネタのデフレスパイラル。挙句に重力反転しちゃって上や下へのお騒ぎ。見ているこちらは目がまわって頭もぐるぐるまわって、飛んで飛んで回って回って、まわ~る~。
うーん、「関心領域」を見た後にこのチョイスは失敗だったな。気分が重くなったから気楽な娯楽作品でも見て気晴らししようとしたら余計頭が痛くなってきた。あまりに振れ幅が大きすぎた。しばらく片頭痛が治らないだろう。
この作品が全米で大ヒットですか、そりゃあよござんした。こうなりゃあとことんやって下さいよ。ちなみに全米ではこのシリーズはコングが出てる方がヒットしてるらしく、なるほど道理で今回はゴジラの出番が少ないわけだ。もはやコングの飼い犬に成り下がっていたもんな。いや飼い猫か。雪やこんこん、冷凍怪獣こんこん、コングは庭駆け回り、ゴジラはこたつで丸くなる、いやコロッセオか。
まだまだ続編作るって、だったら今度こそゴジラ対ヘドラ頼むぜ。今回ゴジラを走らせたんだからこの次は必ず飛ばせろよ。ちなみに「ゴジラ対ヘドラ」でゴジラを飛ばせた監督はその後東宝を出禁になったとかならないとか。プロデューサーはゴジラを飛ばせやがってと当時カンカンだったとか。