「馬陽の戦いとは王騎そのものと覚醒して行く信の物語なので残念だった前半の展開」キングダム 運命の炎 麻布豆ゴハンさんの映画レビュー(感想・評価)
馬陽の戦いとは王騎そのものと覚醒して行く信の物語なので残念だった前半の展開
一つの作品としてはクオリティも高く充分に楽しめますし、作中のエピソードそのものも、ほぼ原作そのままであるので良いっちゃ良いのだけれど、前半の嬴政と紫夏の物語は本作の映画化の上で絶対に外せないモノだったのかしら?
私も大大大〜好きなエピソードで、スピンアウトものでそこだけの作品を一本作ってもらって、ワン泣き用にハンカチ用意して観たいくらいなのだけれど、ここで馬陽の戦いの前段でぶっ込んでくるのが良い話なのかどうか。(個人的には紫夏=杏さんじゃ無くて戸田恵梨香さんに演って欲しかったです💦)
過去も含めた馬陽を巡る戦いは、王騎将軍にとってその後の生き方(死に方?)が一変してしまうほどの悲劇的な戦いでもあったので、前半に静かな物語を入れるのならば、王騎と彼が生涯でただ1人愛した許嫁の女将軍摎、そして敵将龐煖を巡る深い因縁のエピソードの方にして欲しかったというのが正直な感想です。
もちろん信にとっても天下の大将軍を目指す大きな契機となって行く重要な戦いですので、後半の活躍と俯瞰の戦場シーンには文句なしなのですが、原作上も王毅、龐煖、そして信と飛信隊が何と言っても中心のパートなだけに、作品の1/3近くを嬴政と紫夏のお話に割いちゃったのはどうなんでしょうか?原作を知らない人にとっては映画版キングダムを楽しむ上では必然性のあるお話だったのかな?
そこのモヤモヤ感が最後まで解消されなかったので評点は辛めになりました。それにしても、馬陽の戦いもドラマチックな主要パートはこれからなのに、こういうペースだとこれからの作品化はどうなってしまうのでしょうか?まだ全体の物語の序盤も良いところなのだけど。。
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