劇場公開日 2023年7月28日

「疾走感と躍動感のあるアクションは堪能できるが、物語の進捗の遅さが気になる」キングダム 運命の炎 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5疾走感と躍動感のあるアクションは堪能できるが、物語の進捗の遅さが気になる

2023年7月28日
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いつものことながら、合戦のスペクタクルとキレのあるアクションは存分に楽しめる。
特に、信と羌瘣が敵将めがけて突撃するクライマックスは、ラグビーの試合のようなライブ感に溢れていて、思わず体が動いてしまった。
合戦時の陣形や戦術も、河了貂たちがしっかりと解説してくれるので、分かりやすいし、面白い。
その一方で、ドラマとしての見どころは、冒頭、嬴政が王騎に自らの過去を語る部分くらいで、それはそれで胸が熱くなるエピソードではあるのだが、物語の進展としては物足りなさが残る。
何よりも、いかにも「次回に続く」的なエンディングは、尻切れトンボで不完全燃焼な感じが強く、観終わった後にフラストレーションが溜ってしまう。せめて、王騎と龐煖の因縁の対決まで描けなかったものか?
最近観た「ワイルド・スピード」や「スパイダーバース」もそうだったが、さんざん煽ったあげく、次回作まで数年間待たせるのであれば、やはり1本の映画として、ある程度の決着は付けてもらいたかったと思う。
ひょとして、配信時に一気見してもらえるようにこんな作り方をしているのではないかと思えてしまうのは、勘ぐり過ぎだろうか?

tomato