君たちはどう生きるかのレビュー・感想・評価
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宮崎駿の世界観と、少年の繊細な感性に涙
素晴らしい映画。
素直な感想を言うと、すごいものが観られたけど監督の本意は理解できてない気がする。
美しく繊細な宮崎駿の世界観と、どことなく不思議だけど現実感がちゃんとある風景。
母を無くした少年の深く傷つき、新しい母(しかも母の妹…)を受け入れられない心。
でも父の愛した人だと複雑な気持ちながらも受け入れ、異世界に彼女を探しに行く優しさが切ない。
異世界では死別した母の子供として生きていて、何度も彼を助けてくれる。
幼くして母を無くした彼にとって、この経験がどれだけのちに心の支えになることか…!
また、黒い影のような者たちが生活しており、生きたフリをした死人だという。
彼らは魚を食べるが、殺めることはできない。
桐子が捌いた魚を買い求めるだけ。
まるで都会に住む、夢も希望も持たず、ただ空腹を満たすためだけにスーパーで加工されたものを買う人たちのようだと思った。
君たちはどう生きるか、というタイトルの通り日々の選択や志を見つめることが、本当に生きることなんだと思う。
そんなに難しいのか
子供が不思議な世界に迷い込み、家族と一緒に帰ってくる話。千と千尋とだいたい同じ。世間的には難解で考察しがいのある映画のようであるが、ちょっと分からない。
登場人物
眞人(主人公)
環境の変化に馴染めず、自作自演の被害者ムーブかまして、ひきこもり生活を実現したと思いきや、母の遺した贈り物(君たちはどう生きるか)と出会い、黄金の精神に目覚め、異世界への冒険に旅立つ。
大おじ(黒幕)
謎の塔の中で、すごいマインクラフトを見つけ現実世界を捨て、創造主となる道を選んだが、出来上がった世界は理想とかけはなれたクソ世界であった。
タイムオーバーを感じ、自分と同じ(ひきこもり)気質をもった主人公にコンティニューさせようとするが断られる。ならばNewGameでもかまわないと譲歩するが、それも断られる。そして死ぬ。
主人公の弟も自分の後継候補と考えていたが、さすがに時間が足りなかったようだ。
アオサギ(相棒)
時空の旅人。一宿一飯の恩義だろうか、塔の主(大おじ)の頼みを受け、主人公たちを異世界へといざなう。
インコ.ペリカン.キリコ.母.母妹.
大おじにアブダクションされた生命体。
宮崎駿はこう生きた
で、君たちはどう生きる?
って、事なのかもしれない。
宮崎駿のこれまでの作品が沢山詰まっていたと思います。
難しい作品ではなく、至極単純な作品なのでは。
構えて観ると、考えすぎて訳が解らなくなるんだろうな。
不気味な青鷺
今年2作目。
冒頭から戦禍によりお母さんの入院する病院が燃える。
そこから疎開し、迎えに来た後妻さんは亡き母にそっくり、しかもすでに妊娠しているという。
思春期の少年にしたら結構きついと思う。
田舎での生活、しかし会社経営の父は裕福であり、あまりないであろう自動車に乗り、お手伝いのばあやさん達もわんさか。
青鷺と喧嘩しながら塔の下の世界へ。
亡き母、おじ、インコやペリカン達と出会う不思議な世界。
義母を連れ帰り、少年は戻ってきてどのような人生を歩むのだろう?弟と家族四人で幸せに暮らせるだろうか。
ジブリの集大成
最後にすごいものを残して下さいました。
タイトル通り、観た人に生き方を問う気迫や、
そして、宮崎駿さんやジブリの「私たちはこう生きる」という覚悟も伝わってきました。
私自身、ずっと葛藤していた自分の受け容れれなかった部分を、この映画を観たことで、やっと受容れることができました。
宮崎駿さん、鈴木さん、はじめジブリの皆様に感謝します。
少年が大人になっていく
早くに母親を亡くした少年が、戦争で父親の工場のある田舎に引っ越すことになる。そこには父親と良い仲になり子供までできた母親の妹がいた。そんな状況を突然突きつけられ彼は戸惑いある意味グレて閉じこもる。
そんな彼が導かれる生と死の間の世界。そこで彼は逃げずに立ち向かう。そして青年へと成長していくのだ。
産まれる前の子供達を象徴するようなワラワラ、これが超絶可愛い。ジブリのこの手のキャラが大好き。まっくろくろすけやススワタリ、コダマなどなど。
監督がこの話を通して伝えたかったことは沢山ある。でも伝わる中身は人によって違うし,それがジブリらしさだなって思ったりした。
人類は時間をかけた自決を選択した
宮崎駿は、風の谷のナウシカ(原作)や、もののけ姫で示したように、人類が自決の道を選択したことをこの映画で再び示した。
我々人類は、「環境破壊や戦争のある世界」、すなわち、「時間をかけた人類の自決」を選択したのである。
異世界の鳥たちは、地上の人類であり、その世界を支配している。
インコ大王は、鳥の「今の生活」を維持するため、環境破壊や戦争で既に崩壊寸前のバランス(積み木)を崩さざるを得ない。
「インコ大王による積み木の破壊」は、「ナウシカによる墓所の破壊」、「エボシによるシシ神殺し」であり、それらは「人類が時間をかけた人類の自決の決意」である。
人類は、人類が現在の生活スタイルを続ける限り、地球のバランス(あるいはそれを復活させるための術(墓所))を壊さざるを得ない。しかしそれは、時間稼ぎでしかなく、人類(と地球環境)を破滅へ導くものである。
門に書かれた「ワレヲ学ブ者ハ死ス」は、南京政府高官の自宅にある扁額(門)に書かれた言葉のようである。
彼は、南京政府が脆弱で先が長くないことを分かっていながら、その地位を謳歌し、最後は毒薬で自決したとある。
人類存続のための我々の行為、環境破壊や戦争(積み木の破壊)が、人類存続の一時の時間稼ぎであることを知った(学んだ)者は、それが時間をかけた人類の自決(死)であることを理解し、人類として死ぬのである。
過去作品で描き切れなかった問いの再演
タイトルからもっと哲学的な教訓を押し付けるような作品かと思っていましたが、全く普通に観られる少し不思議なファンタジーでした。
アニメ描写は流石のジブリにしか出せない迫力があり、キャラクターもそれぞれ良い味を出しているので誰でも普通に楽しめるかと思います。細かいところを気にしなければ。(身内は難しいと言っていましたが。)
私が全体を通して感じたのは、ああー…映画ナウシカでは時間的に描き切れなかった最後の問を再度映画で描きたかったのかな、と思いました。ナウシカの漫画を読むと、今回の映画のラストの大叔父さんからの問いと、ほぼ同様の問いかけがあります。
主人公は2作とも同様に、戦争の最中にあって、人の愚かさを知っていながら、その問いに答える。
きっと映画ナウシカでは描き切れなかった、主人公の自分の未来に向き合うこと、今作タイトルのどう生きていくかの決意を描きたかったのかなと感じました。
自分はジブリ作品の中ではラピュタが最も好みで、次点でナウシカです。今作、見ている最中はどうオチがつくのかと楽しみましたが、ラピュタ・ナウシカのガツンと響くほどの衝撃はやはりなかったです。でもコンパクトにまとまっていながらも先に希望を残すファンタジーでした。
私はすごく好きな映画だった。
見終わってすぐ友達に言った言葉は「1度夢で見たことがある気がする」でした。
それを宮崎駿監督が伝えたかったのかは分からないけど、私個人はそんな感じがしました。
今まで見た夢の中で1度は見たことがある内容。その夢は覚えてはないけど、大叔父がいた部屋(明るくて、広い空間に机とつみきがある感じ)や、その部屋に行く前の三角の明るくて狭い通路、最後石の世界が崩れていく感じなど、既視感まではいかないけどこんな雰囲気を知っているという感情が心の片隅にありました。
ほんとに不思議な映画でした。
友達に「夢で見たことある気がする」の後に私は続けて「覚えてはないけど……」と言いました。
その瞬間に私は最後アオサギが言ってた「お前よく覚えてるな」というセリフを思い出しました。
すこし鳥肌がたちました。
まひとはその世界の物を持ち出したから覚えていれるけど、持ってきてない人はその世界のことを忘れる。
もしかして私も忘れてるだけなんじゃ……などと変に色々と考えてしまいました。
自分でも何が言いたいのか分からなくなってきました……まあ、見たことがない人には1度見てほしい作品です。その後その人がどう感じるかは分からないですけどね。
宮崎監督らしいと言えば、宮崎監督らしい作品。
宮崎駿監督の心の奥底を映像化したような作品。評判通り分かり辛いかも知れないが、千と千尋も同じような感じで、そちらの方が明るく、少しだけ分かりやすかっただけだと思った。言葉は少ないが、過去に宮崎作品を観てきている人にとってはそんなに難しくない気がする。あまり宮崎作品を観た事がない人には難解かも。あと、タイトルがミスリーディングさせてるかも知れない。メッセージは確かにそうだと思うけど、今までのジブリ作品のようなタイトルにしたら、暗めの宮崎さんらしいね、となっている気もする。逆にこのタイトルを使うなら、もっと眞人の心情に踏み込んで欲しかった。
これまでの宮崎さんの作品にもあるような展開とメッセージが新鮮ではなかったのと、タイトルに違和感。あと暗い雰囲気でマイナス点。映画の作品で暗めに作るなら、もっと人間の心情に深く切り込んで欲しかったし、そうでないなら楽しくして欲しかった。
2023/12/16追記
NHKのプロフェッショナル 仕事の流儀を観ました。
最後の選択はそう言う意味があったのか。その他の、ん?と思った点の疑問も解消した。この作品は観客のためではなくて、宮崎さん自身のための映画だったんだと理解した。もやもやしたものが晴れた気がした。
君たちは自分の世界を生き抜け!
宮崎駿監督の次世代の若者へのエールですね。高校生のときに、リアルタイムでナウシカを観て感動した私は、もうそのエールを送られる対象ではないのが少し寂しいですが。
宮崎監督らしい細部のこだわりは本当に感動します。冒頭の真人が日本家屋特有の急な階段を駆け上がるシーン。夏子さんが乗っていた人力車のような乗り物の椅子から降りるときの、微妙な揺れ方。宮崎監督の表現への拘りは、まったく衰えが見られませんね。
私はストーリーに難解な印象はありませんでした。宮崎監督が自らの人生の終焉を受け入れ、若い人たちへストレートなエールを送られたのだと思います。
そこにはポニョには感じられた死への畏れのような暗いものもなく、また風立ちぬの感傷的な感慨もありません。どこまでも清々しく、明るい、人生のエンディングともなるメッセージをもらったと感じました。
宮崎ワールド全開
意味とかどうでもいいんだと思いました。ただ、宮崎駿ワールドを堪能する、集大成みたいな作品。宮崎駿監督の頭をチラ見させて頂いたみたいな世界観がとても面白かったです。これはこれでいいですよね?
宮崎駿の遺言
宮崎駿の遺言ですね。塔は自身が作り上げたスタジオジブリだし、主の大叔父は宮崎駿そのものです。自身が人生を掛けて作り上げたスタジオジブリも滅びに向かっている、理想的なものを作るためのスタジオはいつの間にかぎゅうぎゅうになり、きわどいバランスの上にいる。積木はこれまでの作品でしょう。これを引き継いでほしい、血の繋がっている誰かに継いでほしい。でも、それは叶わなかった、でもそれでいいんだ、でも哀しい。
主人公は宮崎駿の少年時代の眞人くんでしたが、本当の主人公は宮崎駿そのものの大叔父でした。
宮崎駿の人生の決算だったのでしょう。ジブリ映画のオマージュと思わしき場面もありました。紅の豚のジーナの待つ場所、ハウルの流星、ナウシカの金色の野。
ジブリ映画的なものを求めた人には不評なのも納得できます。この映画は宮崎駿の遺言、宮崎駿の映画なのです。
私には一人の男の映画としてとても響きました。
属人的な組織の次世代への問い
ジブリやジャニーズのような属人的な組織は、次世代へどう経営を繋いでいくかに、課題があります。
そこへの問いを感じました。
宮崎駿が一つ一つのシーンにどのような思いを込めたのか、今の年齢で監督として作った作品だからこそ、考えてみていました。
過去の作品のオマージュや、ラストの大叔父のセリフなどにも宮崎駿のジブリと未来への思いが多く詰まった作品だったと思います。
そのような部分が、ジブリの作画でジブリっぽいファンタジー溢れる形で描かれていたので、ジブリファンとしては納得しました。
予告なしでの上映ということで、当初は風立ちぬのような戦後の現実を直視するような話かと思いましたが、実在は千と千尋やハウルのような非現実的なファンタジーな世界での話でありました。
映画に出てきた、積み木こそが次世代を担う我々であり、
積み木上手くハマらないと全てが崩れる。そういった部分は、国や組織そのものだと思いました。
宮崎駿は次の世代へジブリという積み木をしっかりと積み上げて欲しい気持ちがあるかもしれません。ですが、それはエゴです。
新しく次世代が古い考えにとらわれず、進化を遂げていくことこそが大切なんじゃないかなと思いました。
君たちはどう生きるか
これまでのジブリ映画は、健気に生きる者、特に少年少女に向けたメッセージが多かったが、今回は『過ちを犯したもの』に対するメッセージのような気がした。
正しく清らかな世界だけが全てでは無い。混沌とした世界もまた、紛れもなく私達の生きる世界だ。過ちや反する考えも受け入れる事が出来たら…そんな気が遠くなるような途方もないことを考えさせられた。
何度も観て理解を…?
期待していた分も含めてこの評価です。
本当に監督はこの作品作りたくて、世に届けたかったのか…
監督自身も訳わからないところあったと言うぐらいですから、私にはもっと??でした。
何度も観て理解を深めよというメッセージかもしれません。
パンフは初日に欲しかったです。
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