「宮崎駿が伝えたかったこととは」君たちはどう生きるか sannemusaさんの映画レビュー(感想・評価)
宮崎駿が伝えたかったこととは
鳥が印象的な不穏なファンタジー。
バサバサ、ドロドロ、ゾワゾワ、グラグラ そんな不穏な擬音語が似合うシーンの連続で不思議な世界に連れていかれる。
不思議なものにフタをしたり、見ていないことにすることの方がきっと簡単なんだな。
子供の頃の不思議な経験を、生まれてくる前の記憶を、忘れる人の方が多いのは事実。そういう記憶が呼び起こされるような、私もこの世界を知っているような気がするのが宮崎作品のうまいところなのかなと思う。
あの世界はけして楽園ではなかった。バランスが違うだけ。
最後に眞人は先祖に託されようとした役割を継がず、現実へと戻った。
自らの悪なるものを忘れないと誓って。
宮崎が伝えたかったことってなんだろう。
押し付けられた、おかしな一部の世界のしきたりに囚われないで、現実を生きよということか。
捨てるのも致し方ないが、そこでもがいた経験が人を強くし、磨くということか。
財産が奪われていくことへの警鐘?また、それにこだわりすぎるなという警告?
いずれにせよ、こうして世界は、生命は続いてゆくのかと果てしない世に思いを馳せた。
宮崎がこれまでのキャリアで得、その素晴らしさゆえにどんどん膨れ上がってしまった、とてつもなく巨大な重荷。どんな思いでバランスをとろうと努力していて、持て余していて、辛くなっているのかが表現されているようにも見えた。
眞人の選んだラストが宮崎の望むことでもないような気はする。
最近、個人的によく目にする出会うものがあって、それがパラレルワールドだったり輪廻天昇だったりする。
後はそのアカシックレコードだったり、過去未来のその時間の概念を覆すみたいなそーゆー全く新しい一言的な
この作品も、その世界観が後、現実とあの頭の中って言う形で表現されてて、つながりを感じる部分が多々あった。