「命のバトンリレーと血縁者の大掛かりな仕事の後継者選定、時間を超越する為のリアルと並走しているファンタジー。ジブリの今ソノモノ。」君たちはどう生きるか 流行り廃りさんの映画レビュー(感想・評価)
命のバトンリレーと血縁者の大掛かりな仕事の後継者選定、時間を超越する為のリアルと並走しているファンタジー。ジブリの今ソノモノ。
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誰だってこの映画を初見だけで理解するには難しいのかもしれない、しかし当初から情報を伏せられていて正解だったのかもしれない、広告や宣伝費を払っていたらジブリは間違いなく大赤字だっただろうから。
となりのトトロや火垂るの墓の同時上映を幼稚園児頃に見た世代として、今回の君たちはどう生きるか、は主人公だけでなく、主人公の母も後妻になる母の妹も、それぞれ葛藤があるのが話を難しくしているのだと思います。所々に飛行機製造工場の父のキャノピーを見て美しいと発言したり、前作の風たちぬの匂いも感じました。しかし、アオサギを通じてこの映画は東京空襲で焼け死んだ母親と異世界で年齢を超えて巡り会う物語でもあります。大叔父と言われる人物から異世界の管理者として後継を頼まれ、それを他のインコ王に阻害され、各々の現実世界へ帰る有様は、まるでタツノコプロダクションの終焉、名前通りに皆が育って巣立ちしていった様子をスタジオジブリに重ねて見えてしまいました。
宮崎駿の映画の世界観はコクリコ坂辺りから、WW2前後に軸足を置いているように感じます。もちろんSFでもファンタジーでも面白い映画なら好きに作って欲しいと思う一方で、今回の君たちはどう生きるか、これはジブリの崩壊を見ているような気分になりました。
弟子であった、他の監督達が作るアニメーションの方が面白いと感じるのは何故なのでしょうか。
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