「観た後は「うーん」」君たちはどう生きるか sheepさんの映画レビュー(感想・評価)
観た後は「うーん」
君たちはどう生きるか。宮崎駿の集大成となる作品。わたしはひとつの作品としてどう感じるかが大事だと思うので特別に感動しなかった。。
序盤のアオサギの誘いや謎の塔に吸い込まれていくくだりが長く感じた割に、いざ足を踏みいれてから登場するセキセイインコ達やワラワラたちに魅力を感じられなかった。集大成だからと思うが今までの作品と似ているキャラクターが多い上に、デザインがチープにみえる。ジブリ独自の謎めいたこわくなるような神秘さを求めてしまうのは、少なからず思い入れがあるからだろう。
・襲われそうになったかと思えばお茶を啜るという断片的な夢調異世界感は不思議の国のアリスを彷彿とさせた。
・きりこばあちゃんの着物が車輪柄だったのはなんか意味がある?輪廻?と思ったら異世界ではその役割を担っていたのが気持ちよかった。難解って聞いてたけど有名な神話のエッセンスが散らばっていて親しみやすさあった。
・継母とのシーンがドキッとするほど性的。あまりにも美しい継母だよな。。まつげの映える端正な横顔、美しい指。昔は家同士の結婚が普通で、再婚相手が姉妹なことはあった話らしいけど、どんな感情で身籠るんだろうか。恋愛結婚が普通な現代からだと想像しにくいけど、姉の子どもであるマヒトに負の感情は嫌でも抱くんだろう。塔の中で産もうとしたのは、神である大叔父さんがそれを利用して後継者を望んだということなのかな?
個人的には「わからない」「難解」と言われるような作品は好みなんだけど、この映画にははまらず。。その数少ない前情報があったから、思考しながら観てしまったのかもしれないなあ。。
とある午後のニュースで、この作品を観て目に涙をうかべながら熱くインタビューに応えている青年がいたけれど、その感覚を知りたいが故に、ジブリ作品に目を通し、小説を読み、またこの映画を観るんだろうな。