「やっとネタバレを恐れずに済む」君たちはどう生きるか 0k0さんの映画レビュー(感想・評価)
やっとネタバレを恐れずに済む
ネタバレ、なんとか逃げ切り、(公式Twitter (X)に絵バレ食らったけど)やっと観られました。本当に何の予備知識もなく、「君たちはどう生きるか」も読んだことがなく、真っ白な状態で観たので、エンディングでいくつか驚いてました。
・菅田将暉どこで出てた!?
・あいみょんも!?
・キムタクも!?!????
声とかそういうの全然分からないので、エンディングでえっえってなってました。
他の方もレビューで書いてらした、過去作を彷彿とさせるところが随所にあって、なるほどなぁと思ってました。
私はたくさんの船の幻(だったかな)が出てきた時に、紅の豚を思い出してました。
あの時代の戦争は、船より飛行機のイメージがあるので、勝手に「死者は船に乗って還る」という普遍的潜在的なイメージの集合体(幻)かな?と解釈しました。
眞人が、ただでさえ戦争というPTSDになるだろう状況で大切な母親を亡くし、心はボロボロなのに着丈に振舞ってたらお父ちゃんは実母の妹と再婚するという…父親、ちょっと息子の心に寄り添え!って思いました。
心の汚れた私は、描写的に裕福な家系である母の家の金目当てなのかこの父はと思っていましたが、いなくなった妻子を探してめちゃ武装する姿でとりあえずまず自分の心を浄化しました。私にあの積み木は触れない。
大叔父の崩れた積み木は結局現実世界に何をもたらしたかっていうのはあの敗戦かな。世界中に衝撃もたらしたものね、あの終わり方は。
そこは観てる誰しもがもうわかってるから、わざわざ描かずにラスト「戦争終わりました」で締めたのかな。
新たな世界を眞人は新たな環境で構築していくんでしょうよ。
ナレーションで始まった(母がなくなり、翌年東京を離れた〜的なやつ)からナレーションで締めたんでしょうけど、余韻的なものはあまり感じなかった。作中でラジオででも終戦のことを流す…だと敗戦だからお葬式ムードになるか。希望のある終わり方にするには、本人の独白ナレーションしかないのかな。
この映画キャラの中で事前に存分に目にしてきた青鷺について
不気味な鳥→なんだこの醜いおっさん→なんだこのかわいいおっさん→スタンドバイミー…!!
となってました。
キリコと言い、夏子さんやヒミ、宮崎駿さんの好きな、律した女性はやっぱり逞しくて強かったです。
夏子さんは悪阻であそこまで落ちてた…?
大切な姉の忘れ形見(眞人)を傷物(こめかみあたりの傷)にしてしまって、自己嫌悪でもあったのだろうか。
子供が死を自己解釈するための、母の死を受け入れ、次に進むための大切なお話だったと思います。
宮崎駿さんの新作が観られて嬉しかったです。
ところで映画のポスターの青鷺、口の中の目がつぶらで、このつぶらな目からあの鼻のおっさんは詐欺かもしれんなと思いました。