「とらえどころがなく、肩透かし」君たちはどう生きるか 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)
とらえどころがなく、肩透かし
宮崎駿が引退を撤回してまで作りたかった作品ということで、観る前からどうしても構えてしまう。ストレートに切実な思いをぶつけてくるに違いないと想像していたが、観終わった感想としては、とらえどころがなく、肩透かしを食らった感じ。
黒澤明の晩年の諸作品、中でも「夢」を思い出した。巨匠の頭の中を覗き見て、よく意味はわからないけど、受け取るしかない、というような。
主人公はともかく、アオサギの実体のおじさんをはじめ、今作の登場人物のビジュアルが好みではなかった。ヒロインとなるべき女性たちも魅力的じゃなかったし。エンドクレジットで豪華声優陣が紹介されていたが、誰もはまっているように感じなかった。
賛否両論と聞いているが、はたしてどの辺りが良かったのだろうか。これまでのジブリ作品のエッセンスを感じさせるところ?罪悪感を抱えながらも、自らの意志で生きていくという希望?それとも、人間の欲望に限りがないという絶望?
事前情報が一切なかったことが評判だったが、宣伝の仕様がなかったということもあったような気がする。
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