「終わってみれば」君たちはどう生きるか 43さんの映画レビュー(感想・評価)
終わってみれば
エンドロールを見ながら、死んだじいちゃんを思い出した。
四国のお百姓だったじいちゃんは、生まれてから死ぬまでずっと田んぼと畑を作っていた。ぎりぎり戦争に行かない歳だった。兄ちゃんが二人兵隊で死んだ。あの八月には対岸の雲を見たらしい。補助輪の取れた自転車で畑に行くと、いつも手を振ってくれた。肥料の中から転がり出た鶏の足に驚いたら、笑われた。
どんなことを考えて農業をやってたのか、ついぞ聞かなかったけど、今でもじいちゃんを思い出そうとすると、いつも麦わらと地下足袋で、鍬を持っている。
じいちゃんが耕していた畑の藪に、田んぼの水路に、別の世界を感じることがある。
その先には晴れた青空と夏の日差しがあって、風が土手の草と稲を波にして、今でも畑を耕しているじいちゃんが居るような。
みんなもそういうの、思い出したりしていないか?
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humさんのコメント
2023年8月8日
おはようございます。
胸を打つレビューでした。
懐かしい時間や、大切な誰かを思い出す…そんなきっかけになり、それがどんなに尊いものだったのか、なぜそうなのか。
そんなふうに思いを馳せることができる作品だったかもしれません。