「「罪悪」を扱った妥協のない作品」君たちはどう生きるか nekomihoさんの映画レビュー(感想・評価)
「罪悪」を扱った妥協のない作品
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罪悪に敏感な人と鈍感な人がいます。
あるいは、人生のある時期に罪悪に敏感になることがあります。
この映画では、罪悪に敏感になった人たちが塔の中に迷い込んでいきました。
分かりやすい「殺生」という罪悪から、自己攻撃の罪悪、そして、善を追求する中に潜む巧妙な罪悪(墓と同じ石に象徴される)へと、塔の中では自己反省が深まっていきます。
善い人間、正しい人間であろうとすると、積み木の危ういバランスの中を生きるしかありません。人間はどうしても悪を犯すものだから。そして、自分の悪を隠すために、塔の中に隠れるしかありません。
インコたちは自分が唯一心を開ける相手として塔の主が飼っていたものでしょうか。
それでも最終的には、このインコによって塔は破壊されます。
「正しさ」の王国が実は積み木のようにもろい基盤であったと知るとき、何かが始まるのだと思います。
深くて妥協のないすごい作品でした。
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