「宮﨑駿がギアを上げてきた。」君たちはどう生きるか 蛇足軒妖瀬布さんの映画レビュー(感想・評価)
宮﨑駿がギアを上げてきた。
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宮﨑駿がギアを上げてきた。
今までの主な作品では、
クシャナ、エボシ御前、
湯婆婆、グランマンマーレ等々の役割は決まっていて、
主人公に、
自然界は○、
人間界はX、
と、
お互い奪い合いをしていても、
共存はできない。
自然界も△、
人間界も△、
譲り合って共存するという現実を、
主人公(観客)に体験させる。
今作も船乗りの女性が出てきた。
(名前は出てきたのかもしれないが、わからない)
教えはしない、
主人公に体験させる。
何を倒し、慈しみ、
敬い、鎮めるのかを、
頭で考えるのではなく、
汗と血を流し体感で、
判断し行動する事を覚えさせる。
場所は、国、村、城、塔、
上下左右階層になっている場合が多い。
そして少し成長し元の地に戻る。
というのが、
メインプロット。
カオナシ、わらわら等、
魑魅魍魎の役割も似ている。
タイトルは様々だが、
主題は常に、
君たちはどう生きるか、
だった。
今回は更に、
神話や国生みの物語も、
視野に入れた、
モーゼの十戒や、
フェリーニなど、
君はどう生きるかだけではなく、
少年よ神話になれ、
という内容だった。
それがギアを上げたと感じた理由である。
ダイナミックさ、
スピード感で魅せる、
シークエンスはさすがに少なかった。
が、
ナウシカの原作にも、
あるような、
ひとりの主人公だけの物語ではなく、
宇宙や万物も含めた物語を、
映像で、
エンターテインする力に改めて驚いた。
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