「わからん、からこそもう一度観直したい」君たちはどう生きるか asukari-yさんの映画レビュー(感想・評価)
わからん、からこそもう一度観直したい
2017年、自分の中で衝撃が走った。“宮崎駿監督、新作を作る”。引退したはずなのに(何回引退するんや)、もう一度観れるのか。もう期待でしかない。いつ出来るのかと待ちわび、コロナという未曾有の事態を乗り越えられ、ついに2023年に公開。
しかも一切の情報公開なし。
これは自信の表れか?それとも何かの実験か?はたまた広告出しまくり、煽りまくり、いろんな特典をつけてリピーターを生産する宣伝手法へのアンチテーゼか?それでも、何も情報なく観るのは違った、恐いもの見たさをに似たような興味をき引き立てられる。今回は先入観なく鑑賞しました。
正直、わからん・・・!?
ホンマに、どう解釈してええのかわからんのです。ストーリーも、キャラクターの行動も、世界観も・・・謎が謎を呼ぶ展開に「どうしてこうなった?」「どう解釈すれば?」と悩みながらの鑑賞になりました。しかし個人的に事前情報一切なしは正解かと。先入観なく純粋に観てたからこそ、次の展開が気になる。謎が気になる。ゆえに思いの外食い入るように観てしまう。その先入観なき没入感は、不思議と心地良いもの。しかし宮崎駿監督だからこその手法ではないか。他の作品でも余程の自信、戦略がないとやる事すら難しいと思います。
結局はわからん、と思うてしまった本作。しかし、それゆえに、
もう一度観直したい
という気持ちに駆られている今の自分がいる。
若干絵のタッチが変わったかな、とはいえ宮崎駿監督作品によく観られる躍動感は相変わらず流石というべきか。それにタッチも良い感じに変わっていると思います。また、やっぱり映画の魅せ方が上手いというべきか、ぽかーんとなったとしても“面白くない”わけではない。いや、面白い。先の展開が気になってしゃーないんです。それは事前情報がなかったことも関係してるとは思うけども。
ほんでも冒険要素を踏まえたファンタジーに仕立てたのは良かった。個人的には冒険ファンタジーこそ宮崎駿監督の土俵と思っています。最近の作品よりかは冒険要素があったことも魅入ってしまった結果ではないかと思います。
「わからん=面白くない」ではなく「わからん=もう一度観たい」と思える作品。それが本作の特徴ではないかと、個人的には思うています。
もしかしたら、そうやってリピーターを増やすつもりか?そうであれば、あえて言葉選ばずに言えば、“エサを撒かずとも観客を動員できる”映画ということか?はたしてそうなるか、その答えは未来に託すとしましょう。
それに、私自身この映画についてまだまだ考える余地は残されていると思います。再度観て、違う視点を持てた時、またレビューを更新します。まずはこれまで。