「見応えあり。見終えて考察したくなる映画」君たちはどう生きるか みほさんの映画レビュー(感想・評価)
見応えあり。見終えて考察したくなる映画
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※ネタバレ注意
現実世界の描写はインパクトがあり主人公の絶望が痛いほど伝わってきます。そうかと思えば中盤から後半にかけて凪のような穏やかさを持つ死の匂い漂よう異空間に誘われ、夢と現実の狭間のような感覚を見るものに与えます。ただ、主人公が大冒険する様はスピード感をもって描かれているので、鑑賞後の感じがいいです。
他の方のコメントにもありますが、ジブリの過去作品が思い出されるので、その世界観を楽しみながら見ることができます。
上映中はひたすら宮崎ワールドを楽しめますが、見終わってから考察したくなる複雑さを併せ持つストーリーであり、そこがまたいいです。
不条理な世の中を恨んで生きていくのか、それとも愛を持って生きるのか。受け入れ難い感情に向き合うことは容易ではないし、時には仮想空間に逃げ込んでしまいたくなることもあるでしょう。信じられるものもなく人を傷つけ自分もまた傷つけられ、たとえ荊のような道に感じたとしても現実から目を背けずに進めば必ず道は切り開ける。これは、真実を見極める目が養われるということでもあるのだと思います。そうすればあなたはきっと1人じゃない。信頼できる人が必ず側にいるはずだよ。
この作品を観て、こういったメッセージ性を感じ取りました。
どうやったって過去や他人は変えられないけれど、自分自身と今、そしてこれからを変えることはできますもんね。
もう一度観たいなと思わせてくれる作品でした。観てよかったです。
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