「初日と次の日に連続で観たレビュー(多少のネタバレあり)」君たちはどう生きるか 酒名さんの映画レビュー(感想・評価)
初日と次の日に連続で観たレビュー(多少のネタバレあり)
★①初回鑑賞後のネタバレ無しレビュー★
(基本、ネタバレ無し)
この映画、事前情報通り、確かに【冒険活劇ファンタジー】ではある
最初から最後まで、夢か現か分からない表現や展開
普通の建物、普通の人々でさえ“普通ではない違和感”を感じるのは、主人公の心の内面を表現しているのか
いや、全てが夢まぼろしの世界観だったのかもしれない・・
“あの世界”は黄泉の国なのか、業苦の果てなのか
全てにおいて、イマジネーションの渦であり、観念的
たぶん、創造された宮﨑さん自身も、訳が分からない部分が沢山にあるんじゃないのかな
少年の“選択”による“結果”??
世界を変えるのは、それぞれの考えや行動??
これは、宮﨑さんの遺言か・・
いや、宮﨑さんは元気なら、100歳でも作品を創り続ける人だと確信はしてますが(^^)
・・全ては観てのお楽しみ・・
そんな体験ができる映画は、これが最初で最後かもしれませんよ!(> _ <)
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★②二回目鑑賞後の感想と考察★
(多少ネタバレあり)
<睡眠中の夢>
(この映画は、宮﨑さんの見た夢だ! 夢の中の物語なんだ!)
本日、二回目の観賞の序盤で、モヤモヤ感じていたことがいっきに鮮明になり、確信できた気がした
【宮崎さんの見た夢】というのは、後述する【宮崎さんの幼少期】をある程度知っているからの表現であり、一般的には【睡眠中の夢】を基軸の一つとして描いた作品といえるのだろう
(映画の中での)現実描写なのに、【現実味の無さ】【不思議さや不気味さ】という違和感。通常にはなさそうな人々の行動、節目節目に入る【目を覚ます描写】
また、観ている側が【夢を思い出そうとすればするほど忘れていく】かのごとく、いま観ている場面の前の場面がおぼろげになっていくような仕組まれた演出
これらだけではないけれども、【夢】を連想する表現や演出が沢山に盛り込まれていると感じる
<宮崎さんの幼少期>
【風立ちぬ】の序盤の二郎の幼少期と本編の印象がかぶって感じるのは、宮﨑さん自身の経験がどちらの作品にも大いに入っており、それを感じるからだと思う
そこが多分、鈴木プロデューサーが言うところの【宮崎さんの自伝的映画】なのだろう
【鬱屈した主人公】を描くのも、宮﨑さんの作品では初めてであるが、これも自身の幼少期の鬱屈した経験を、初めて映画の中に込めた(込められた)のだろう(※鬱屈した主人公は、影のあるハウルや、世間知らずだった千尋、業を背負ったアシタカとは違う)
ただ、宮﨑さんの生い立ち、幼少期から青年期の事を詳しく知らない人にとっては、当然ながらその印象にはならないので、【隠された基軸】ということになるんでしょうね
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僕の考察ですが、今回の映画は【睡眠中の夢】と【宮崎さんの鬱屈した幼少期(青年期も?)】という二つの基軸が、物語の大きな軸となっていると思います
その分、テーマ性がぼやけたのかなとも感じるけれども・・ そこは宮﨑さんのこと! 狙ってぼやかされたのではないかと思いますね
・・ちなみに
今日現在、スタジオジブリ公式Twitterなど出て回っている画像も【ブラフ】だったりすること(笑)も含めて、ぜひ劇場での【初体験】、楽しんでください(^.^)
そして僕は、ニュースや報道の中にある【宮崎駿の集大成】だとは思っていないことを、追加で申し上げておきますm(__)m